死にたいとつぶやくバーをやることになった
この社会で「死ぬ」ことは良くない事とされている。平和で豊かになった反面、人は命を大事にし過ぎるようになった。寿命間近の老人でさえコロナで死ぬことは許されない。自殺なんてもってのほかだ。
死にたい——この一言を言うことさえ憚れる。
社会はどんどん清潔で潔癖になっている。多様性の時代だと嘯きながら、社会不適合者の居場所はどんどん失われれいる。求められるのは個性ではなく社会性。まるで、人間である前に社会人であれと言われている気分だ。
なんとも息の詰まる社会だ。
そして、この息の詰まる社会で——俺は今日も死にたいと呟いている。
死にたいと呟く営みは、この息の詰まる社会に折り合いをつける手段だ。
死にたいと呟くことで、死を望むことで、この息の詰まる社会と折り合いをつけている。
そんなこんなで毎日死にたいと呟いていたところ、エデン横浜のなるみ店長からDMが届いた。曰く、「死にたいとつぶやくバー」をやらないかとのことだ。
こんなイベントに需要があるかはわからないが、来てくれた人には居心地のいい空間を提供できたと思っている。死にたい各位、1月31日に思いっき死にたいと呟こう。