見出し画像

クリニック卒業

ついにこの日が来ました、クリニック卒業の日です。


◆あっけない卒業

いつものように内診。
はっきりと臍の緒も見えCRLも2cmになっていました。すごい。
その後先生から紹介状を発行してもらいます。
「本当にお世話になりました」と言うと「また次の機会があれば…」と先生。
流石に3人目は体力的にも精神的にも厳しいです…。
そしてこの子に万が一がない事を祈りました。

紹介状と一緒に凍結胚管理の事と、卒業後の経過について書かれた用紙ももらいました。
私には4ABグレードの凍結胚盤胞が残り3つありますが、今はまだ廃棄できません。無事出産出来たらクリニックに依頼して凍結延長の中止を申し出ようと思います。
もう一方はARTで無事陽性反応が出た人に対してクリニックがその後の経過を調査するというものでした。なるほど。

こんな感じであっさりと一年に渡る不妊治療クリニックへの通院は終わりとなりました。
本当に長かったし色々あった。辛い事痛い事色々でしたが今はもう終わりよければ全てよしという気持ちです。きっとそう思えるのはこうして卒業できたからこそなのかもしれませんね。

最後に受付で自己注射の針を入れたボトルを返しました。注射本体や針は医療機具なので家庭で捨てる事は出来ずクリニックで処分する必要があります。

体外に初めてステップアップした時に空のボトルを「卒業の時にお返しください」と渡されたあの日。

ついに体外という深い沼に足を踏み入れたんだという何とも言えない気持ちになったのを覚えています。このボトルが針でいっぱいになっても授かれなかったらどうしよう、返せる日は本当にくるのかな…なんて。
でも返せる日はちゃんと来てくれた。最初は自分に針刺すなんてと怖くて怖くて。痛みは杞憂で最後の方は自分で打てるようになりましたが、結果的にボトルの3分の1くらい針が溜まっていました。

私、頑張った。

◆母子手帳の交付

クリニックを出た足でそのまま市役所に行って母子手帳の交付を依頼する事にしました。ちょうど夫の都合も空いていたので車で迎えに来てもらい、まずはいきステでお祝いランチして(勿論肉はよく焼いてもらう)その後窓口へ。

第一子である娘の時は支所で交付したので手帳一式渡されて特に何も説明もないまま終了でしたが今回は違いました。
「異次元の少子化対策」のおかげか私の居住地では独自の出産応援金が交付されるらしくその案内に始まり、拡充した産後ケアや養育支援事業(宿泊型産後ケアや以前は出来なかったヘルパーさんの沐浴・調乳介助など)の説明を受けました。
と、同時に「お手伝いに来ていただけるご家族はいらっしゃる?」「産後動けない間の上のお子さんのお世話は誰がメインでされるんですか??」「ご主人さんは育休取られる予定??」とかなり突っ込んだ内容を聞かれました。
具体的にまだそこまで考えてなかったので「え、えーと…」としどろもどろになる私達。
「つわりは大丈夫なの?奥様のお勤め先はちゃんとフォローしてくれそう?」
「いや…えーとお恥ずかしい話ですが多分してくれない会社で…」
「そうなんですか!?それはいけませんね~~~」

もっとうちのアホ共に指導してくれ~~~~…

加えて「動いてくれないならこれを見せなさい」と厚労省の働く妊婦さんにむけた資料も色々と頂きましたが、うちの会社は見せたところで…って感じなんですよね、トホホ…。

でも数年前と違って国の少子化対策もほんの少しずつですが(色々おかしいなとか方向性が違うなと思う事もありますが)広がってきているんだなと実感しました。

母子手帳をもらった後は例のおっぱい教室の産院へ初診の電話。
HPを見ると12月の無痛分娩予約が早くも「△」になっている…!!前までは大体10週までに予約いれればOKだったのに…!!
12月分娩予定という事は私と同じ週数かそれより早いかのどちらか。みんなそんなに苦労せず妊娠してるって事??すげーな…
卒業まで待たずにさっさと予約いれておけばよかったのですが後の祭り、とりあえず電話するとやはり「12月ですか…無痛分娩の受け入れ可能件数があと数件なんですよね」と言われてしまいます。
担当の先生は誰でもよかったのですが前に担当してくれた先生にしましょうかとの事で初診は約10日後になってしまいました。
連休も挟むし仕方ないとはいえ無痛分娩…無事出来るのでしょうか。不安です。

もうひとつ、私は高齢なので出生前診断を受けると決めていました。
前回は夫の勧めで確定診断である羊水検査を受診しましたが、今回は年齢も重ねて更にリスクが上がった事やIVFという事もあり、もっと早くから診てもらいたいという希望があったので胎児ドックで有名な大阪のクリニックを予約。
こちらは月末に行く事になりました。

余談ですが夫が医療系なので病院選び…難航します。エビデンスがきちんとした論文を出していて実績がある事、学会や研究に熱心で常に知識のアップデートを図っているかどうか、医療関係者の知人に確認して信頼できるところかどうか…真剣に考えてくれるのは嬉しいのですがチョットメンドクサイ…。

夫は今回も羊水検査でいいと思っていた様なのでこのクリニックを出した時も苦労しました。なんせこちらは素人なのでHPを見てでしか判断できません。院内が綺麗そう、有名だから安心とかそんな感情論だと納得してくれないのです。案の定最初は疑っているようでしたが結果的に納得してくれたのでよかったです。


◆例のあの人とのその後

過去のnoteで登場した早々に二人目が出来た後輩の件、ちょっと書いておきます。

つわりが落ち着いたのか彼女は3月末から再び出社し始めました。もうお腹も大きくなっていて誰が見ても立派な妊婦さん。
ちょうど移植周期でナーバスになっていた時期だったので彼女とは距離を置きたかったのですがそうもいかず、欠勤した分の傷病手当申請の説明をしたりしました。(前回の様に特別好待遇せずでちょっと留飲が下りました)

ある時帰ろうとすると彼女から「ぺろよしさーん☆一緒に帰りましょ♬」とお誘いが…。ちなみに彼女私が不妊治療で苦しんでる事を知っています。(本当にバカですがうっかり漏らしてしまったのです)なのにこの状況で誘ってくるとかさあ…。
断るにも断れず結局その日は一緒に帰ったのですが、つわりが落ち着いたと同時にお花畑全開になってしまったのか終始「わたしのはっぴーまたにてぃらいふ」の話ばかりで正直うんざりしました。
何度も書きますが彼女は私の状況を知っています。
相槌ももう面倒で「へえ…」「そうなんだ…」のみで答えていると流石に察した様です。それから不自然なくらい避けられています。なんなの。

私も彼女と同じステージの第一歩には立てました。けど流産と不妊治療という大きな隔たりがある。

どちらが悪いとかは全くなくて彼女も私も立場や経験が違うだけなんですが、今はまだその隔たりを簡単に飛び越えられる状況とは思えません。私が簡単に大丈夫と思える事は難しいしお花畑にはきっとなれない。無事出産するまできっと不安でいっぱいだと思います。
それくらい流産を経験して大きな爪痕が残ってしまいました。
無事に出産するであろう彼女に対してはちょっと思う事もありますが、時間が解決してくれるのかもな…なんて漠然と考えています。

本当に今更なんですが不妊治療の事は軽々しく周りに言うべきじゃなかったなと。
皆が皆不妊治療を経験した訳じゃない。
不妊治療をしたとしてもタイミング・AIH・IVFでも治療法は違うし、人それぞれ体の状況は異なります。経験していないとリアルに実感出来ないのは当たり前なのに、相手に対して私の立場をわかってほしいというのも難しい事だと思います。
きっと私を思いやって言ってくれたであろう言葉に何よりも傷ついてしまう事もありました。
逆に私が「不妊治療してるんだ」と言って相手がどう返せばいいのか困る事もあったと思います。治療がうまくいっていないのならなおの事、愚痴は簡単に言ってはいけなかったのかな…なんて。
こういったnoteやブログで日記の様に零したりTwitterで同じ状況のフォロワーさんでも見つけてツイートするくらいでちょうどいいのかも。もしくはお金がかかってしまうけど専門の不妊カウンセラーさんに相談するとか。
大分オープンになってきた不妊治療ですがまだまだ難しい部分もありますね。


◆つわりのこと

第一子の時はつわりはほとんどありませんでした。多少臭いが気になったり、短い期間だけなんか気持ち悪い?と思う程度で元気モリモリで過ごし、ランニングも続けジムもお腹が目立つまで通い(普通に規約違反です。絶対に真似しないで下さい)筋トレし踊りまくり暴れまくりでした。
当時の私ホント何も考えてなさすぎで呆れますね。

それが一変して今回のつわり、静かですがさざ波が立っています。
大体始まったのが胎嚢確認前後の5wからで、過去のnoteにも書いたように吐くまではいかないものの乗り物酔いの様な何とも言えない気持ち悪さがだらだらと続いています。

つわりにも吐きづわり・臭いつわり・食べつわり・よだれつわりとか色々ありますが私の場合「五感つわり」と自分で名付けさせていただきました。
何それって感じですが、五感のほとんどをつわりが襲ってくるという感じです。

視覚:色がチカチカ点滅・激しく動くもの・たくさんの人間・ゲーム
嗅覚:体臭・香水・柔軟剤・土や草・タバコ
聴覚:うるさい音・大音響(クラシックやオケも×)・激しいピコピコ音
味覚:甘いもの・温かいもの
触覚:締め付けのある服・チクチクする服

こんな感じのものがあるとものすごく精神的に大ダメージをくらった様にしんどくなりさらに気持ち悪さが増すのです。
地味に辛いのは視覚と聴覚。いつもは大好きなゲームがFPSだと5秒で酔いはじめ見るのも嫌になります。RTA・TAS・やりこみ系動画の視聴も目が回ってしまい無理。辛い時苦しい時の心の友である乙女ゲームも起動すら出来ないジレンマ。
音もうるさいものやテンポの速いものは全部ダメになりました。
視覚と聴覚を遮って生活するのは難しいです。かといって気晴らしをしないと四六時中船酔い状態で辛いのでYouTubeでは音が静かだったりゆったりとした曲がかかるvlog動画やうるさくないお菓子作りの動画を見て癒されています。

食べるものも好みが出てきました。
吐いたりはしていないし、肉も揚げ物もかろうじて食べられますが今まで大好きだったお菓子がほぼ受け付けなくなったのが私的に一番の驚きでした。クリームたっぷりのシュークリームとか大好物だったのに…。チョコ系なんてもっての他、大好きな焼き菓子も今は見たくありません。
そして温かいものよりかは冷たいうどんやそばを食べたいと思うようになりました。
これはウマい!と思ったのは冷やしたミニトマトとズッキーニをオリーブオイルで焼いて塩ふっただけのやつ。
ごはんも好きだったのによく噛んでも米のつぶつぶ感が喉につかえる気がしてパンの方がいいなと思ったり。妊婦あるあるですがグレープフルーツジュースやキレートレモンのビタミンウォーター、美酢、ヨーグルト、アイスの実などの酸味があって冷たいものが本当に美味しく感じました。普段お茶以外ほとんど口にしないのに不思議です。

あとはつわり対策に…と調べたら太田胃散が出てきたので試してみました。
五感つわりの他に胃の膨張感があったので飲んでみた所げっぷが出るわ出るわ(汚い話ですみません)
気持ち悪さの軽減はまだちょっとわかりませんが、胃もたれや膨張感には結構効果があるなと感じました。クセのある味ですが妊婦が飲んでも大丈夫なのと清涼感があるのがありがたいですね。
エビオスも効く人には効くらしいですが10錠も飲まなければならないのにびびってしまいまだ試していません。チョコラBBも続けていますが効果があるのかは不明です。

つわりがある状態で何より辛いのが通勤ラッシュ。
在宅勤務なんてある訳ないブラック企業なので毎日毎日往復2時間近くかけて電車で大阪まで出て働いていますが本当にきつい。朝はまだ座れる事も多いのですが退社時は絶対に座れません。私の場合夕方~夜がつわりが一番キツイのでこの絶対に座れないエンペラータイムがマジで苦行なのです。そろそろマタニティーマークつけようかな…。

疲れもひどいです。ちょっと台所に立っただけで横になってしまいます。最早数年前にサブ4何度か達成できたなんて誰が信じてくれるんですかってくらい虚弱体質になり果ててしまいました。
こんなしんどさも常時の船酔い状態も娘の時はなかったので、二人目になるとつわりがキツイというのは真実なのかもしれません。

繰り返しますが私のつわりは軽い方です。この状態で母健カード書いてって言っても多分無理だし、時短だから会社も配慮してくれないでしょう。
世の中の働く妊婦さんってゲロリアスしながら会議出たりしてるんでしょ?
ホントすげーや…。


無理をしたからって誰もほめてくれる訳ではありません。
お腹の中で新しい命を育てるってこんなにも大変な事なんだと改めて思い起こさせてくれました。申し訳ないけど今は自分優先で少しずつ乗り切ろうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?