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今年のバレンタインはパッケージ優先で
バレンタインがこれほどの規模のお祭りになったと認識したのは、10年以上前、新宿伊勢丹の大きな催事がきっかけだったな。
一度行ったことがある、身動きできなかった。目当てのものも買えなかった。でもあの熱狂と混雑を体験できただけ思い出になった、と今なら思える。
今でも、地元で、ではあるけど欠かさずチョコは買っている。今や地方の百貨店でも、1月末から特別にエリアを設けてチョコ売り場を構築しているのだ。
けれど最近は減量を心がけているので、小さなものを一つだけ。
そして、パッケージの可愛らしさにも重きを置いているかも。
しばらく飾っておける楽しみがあるのだ。
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半日歩き回って帰ると、スマホが、ポケットWi-Fiが、Bluetoothイヤホンが、充電切れスレスレの状態。
帰ってまず、ケーブルで電源に繋ぐ、次々と。
イメージはなんとなく、今は亡き飼い犬が散歩から戻るとまず庭に置いたバケツに直行して、音立てて水を飲むところ。
機械が、生き物が乾きを潤す爽快と同じものを感じているなんてファンタジーを信じているわけではない、つもりだけど。
真っ赤になった電池マークが、充電が始まってピコッと青く変わる瞬間を見ると、夢中に水を舐めていた愛犬をどうしても思い出すのだ。
作業に数時間も没頭した机は、散らかり放題だ。
スマホ。タブレット。口が開きっぱなしのペンケース。飲みかけのマグカップ。開いた手帳。ノート。メモ。散らばった数本の筆記用具。読みさしの本。
さてそろそろ、と気持ちを切り替えて、一気に片付けるのが好きだ。
三十路近くまで掃除も整理整頓も下手だったけど、ものに住所を決めるということを覚えてからは、とても楽しいものになった。
それぞれの住所に従い散らかったものを片付けて、広くなった机にアルコールを吹きかけてさーっと拭きあげリセット。スカッとする、と言っていい。
また半日後には散らかるんだけど、それがむしろ楽しいと思えたなら、整理整頓とはずっと付き合っていける。