果物は博打なところがいい
冷蔵庫に桃と梨が一つずつ残っているのに、勢いで小玉すいかとバナナを買った。
というわけで、桃と梨を早めに食べてしまった方がいい。贅沢に、一度にどちらも切り分けた。
桃と梨。同時に食べてもそれぞれの甘さを打ち消し合うことなく程よく引き立っている。どちらも味がいいせいだろう。少し値が張っても顔つきがいいのを買ってよかった。
桃はお馴染みのあかつき。梨は、初めて食べるだろうか、喜水という品種を買った。美味しい。
夏は果物が豊富だ。桃。梨。すいか。メロン。今年はまだ、ぶどうを食べてないかな。
果物は、ちょっと博打なのがいい。皮を剥いて食べてみるまで味がわからないところ。
値が張って顔つきがよかろうと「チッ、甘くねえな」という場合ももちろんあるし、見た目に少々難があっても「おお、甘いじゃん!」という場合も意外にある。そこが楽しい。
ただ、多少お高めの値段の割に、その博打っぽさがあるせいだろうか。果物離れが進んでいるという話も聞く。
「ほぼ日の學校」で千疋屋さんの動画を見ても、そのような趣旨のことが語られていた。
こちらの動画の千疋屋さんによれば、「果物は食べないけど、シャインマスカットは食べるという人はけっこう多い」とのこと。なぜなら、果物の皮や種を面倒に思う人でも、種がなくて皮ごと食べられるシャインマスカットはそこをクリアする。
私はそれを聞いて、「……あんなに高いものを?」と一瞬思った。自分からシャインマスカットを買ったことって、何度あったっけ。でも、思い直した。果物って、今、贈ったり贈られたりするのが主流なのかもしれないな。
母は、結婚して家を出た姉のもとへ毎年桃を一箱贈るし、姉のもとからは毎年梨が一箱贈られてくる。私もありがたくご相伴に預かっている。
贈り物ならば、多少値段がしても買おうと思えるのかも。そしてその場合、いろいろな意味で「確実」な果物の象徴としてシャインマスカットがあるのかもしれないなあ。
ちなみに余談。姉のところの4歳になる甥っ子はシャインマスカットが好きで、「ぶどう=シャインマスカット」と思っているらしい。シャインマスカット以外の品種のぶどうを食べても「ぶどうじゃない」と言い切るらしい。お、おおう。
甥っ子よ、叔母さんはまだ今年ぶどう食べてないから、君の言うぶどうじゃないぶどうを買うよ。叔母さんは、つぶつぶしたデラウェアも、種があるけど巨峰も好きだよ。ピオーネという品種だと、種無しで皮ごと食べられるものもあったんじゃなかったかな。
ぶどうの広さを知って欲しいな。皮や種が面倒でも、甘く豊かな果物の世界そのものも。
このnoteを書きながら、桃と梨を食べ終えた。美味しかった。
明日は、小玉すいかを食べる。すいかはいつもカットすいかを買っていたけど、SNSで小玉すいかの切り分け方という投稿を見て試したくなったのだ。カットすいかはどうしても値段に人件費が入っているから、よく食べる人には小玉すいかの方がお得ですよという触れ込みだ。
そしてもう一つ買ったバナナは、熟して黒くなった頃につぶしてホットケーキミックスに混ぜて焼きたい。楽しみだなあ。果物のある生活はみずみずしいものですよ。
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