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「Blackbird/ブラックバード」ビートルズ <あの名曲を日本語で歌ってみる>

Blackbirdって、さて何だっけ?
知らないと、カラスかな?なんて思うけど。

Blackbirdは、クロウタドリというツグミの一種だそうだ。この歌では、黒人の女性あるいは黒人を象徴していて、いつか自由に飛べるようにと歌っている。ポール本人が、そんなようなコメントも出している。

この曲は、1968年11月に発売された通称「ホワイトアルバム」に収録されている。キング牧師が暗殺されたのが、同年4月4日だから、その影響はあったのだろう。

でも、まあ、歌詞はあくまで比喩なので、必要以上にそこにこだわる必要もなくて、傷ついて闇のなかで抑圧されている人すべてに向けて、いつかは光のなかへ飛び立てるように・・・と歌っている。そう考えていいのではないかと思う。

サージェント・ペパーズの実験的な音作りから比べると、ポール・マッカートニーがほぼソロで弾き語るシンプルな曲。発売当初の注目度はそれほどでもなかったろうが、解散後ポールがライブで弾き語ることで有名になったんじゃないかな。

1960年代は、欧米だけでなく、日本でも学生運動をはじめ社会的な矛盾に対する抗議の潮流があった。ボブ・ディランやピーター・ポール&マリーやジョーン・バエズなど、いわゆるフォーク・ソングが、若い人を中心にして世の中の動きに敏感な人たちの心をさらっていた。

これに刺激されて、国内でもフォーク・ソングを歌う人たちがたくさん出てきた。
けれども残念ながら、日本ではプロテストソングは、あまり定着しなかったように思う。社会問題について歌うようなことは、この国ではあまり共感されないのかなあ。マイナーでは、けっこうやってるけれど、いわゆるメジャーなヒット曲としては、ほとんど思い浮かばない。

欧米のポップスには、そういうのがたくさんある。公民権運動でいえば、インプレッションズの「People Get Ready」やU2の「Pride (In the Name of Love)」など、おそらく誰でもどこかで聴いたことがあるような名曲である。

いわゆる文化のちがいという問題なのだろうが、もしかしたら聴く側の問題というよりは、作る側の問題なのかも・・とは思う。たとえば上記の曲も、歌詞の意味なんて知らなくても、音楽としてすばらしい。ボブ・ディランだって、歌詞を知らなくても、いい歌である。日本には、そういうのがナイかなあ。社会問題を取り上げる歌がないわけではないが、社会問題を取り上げるような歌は、音楽としての質があまり高くない傾向にある。なんでだろう?

やっぱり、歌舞音曲という言葉に象徴されるように、この国の流行歌はおもに色恋を扱った軟弱なものでなければならないという伝統があるのかもしれない。

「ブラックバード」日本語で歌ってみました


闇の向こうで 鳴いている
折れた翼 羽ばたかせ
いつの日か あの大空を
また翔べるように
 
闇の彼方を 見つめている
萎えた眸 見開いて
いつの日か また自由自在に
翔べるように
 
舞い上がれ ブラックバード
高く 高く 空へ 
闇を切り裂いて 翔んでゆけ

Blackbird singing in the dead of night
Take these broken wings and learn to fly
All your life
You were only waiting for this moment to arise

Black bird singing in the dead of night
Take these sunken eyes and learn to see
All your life
You were only waiting for this moment to be free

Blackbird fly, blackbird fly
Into the light of the dark black night

by  John Lennon / Paul McCartney


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