真面目なだけじゃ人生つまらない
いつものように美容室へ。
もう2年ほど通いつづけているお馴染みの美容室。
綺麗に染められた白髪と丸メガネが印象的で年齢不詳、話題の幅も広いし話も面白い美容師さんでとても気に入って通っている場所。
通っている理由の半分は髪の毛を整えてもらうことだけど、残りの半分は近況を喋りに言っているようなもの。
最初に席についた段階でこれからキャラ変します宣言。
「もっとクリエイターとかプロデューサーとして分かりやすい見た目にしたいんですよねー」「もうちょっとしたら髪色も白にすることを検討してます」とオーダー。
担当の美容師さんも真っ白な髪の毛なので、白髪のことについて色々教えてもらった。
「白の髪の毛って年齢を止めれるんですけど、見た目若い感じで白髪で元気な印象を出すか、見た目年齢を引き上げておいて、そこから「意外と若いんですね」って言わせるようにするかどっちにします?」って聞かれた。
迷うことなく見た目年齢を引き上げて若さのギャップを出したいと伝えた。
27歳の時点で年齢確認されるくらいの童顔でいつも若く見られることと、若く見られることによってナメられやすいと感じていたから、年上に見られることに憧れていたからだ。
オーダーもそこそこに早速カットに入る。
いつものことだけど、喋りに夢中になりすぎた。
髪を切り始めたら一切詳細を確認せず、近況のあれこれについて喋る。最近何してる時が楽しいですか?最近の休みは何してますか?最近話題の〇〇さんって知ってますか?など喋ったことに対して矢継ぎ早に質問が飛んでくる。でもそれは嫌じゃなくてこの会話を楽しむためにここに来てるんだって思い出す。
気がつけばカットが終わりパーマが始まる。だけど、喋りのスピードはゆるまらない。髪の毛を洗い流している時でさえ喋りっぱなし。普段聞き手に回ることが多い僕をここまで喋らせてくれる人は彼くらいだろう。
真面目さが売りで真面目さを武器にここまで約5年間、個人事業主として勝負してきた。
だけど、そのキャラに対してすごく行き詰まりを感じていた。
真面目感を消してもらって、今までと違う雰囲気を出したかった。
本当に与えたい印象はぶっ飛び感とか予想の斜め上を出してくる人という印象。
人に驚きを与えたい、インスピレーションのきっかけにしてもらいたい、見ていておもしろい人物でありたい。
なのに、真面目さが評価されることばかり。
子供のころからそうだった。
成績優秀で常にトップ、学級委員長なども任されるし、部活動でもそんなにうまくなくてもキャプテンとか副キャプテンになる。社会に出てからも真面目さが評価されて誠実な人、仕事きっちりする人という印象。
独立してからもそう。
本当は発想力とか言葉を作る力、意外性のあることを現実化することが評価されると嬉しい。
けれど、僕が評価してもらいたい人からは真面目さ、マーケティングとかライティングなどの実用的スキル、管理能力など僕でなくてもできる仕事が評価されることが多かった。
究極はAIやロボットでも置き換えられる仕事で評価されている気分。自分の存在意義を出せていない、これからも出せないことに対しての恐怖、そして面白みのなさを感じる。
アイデア、コンセプト力で勝ってきてるはずなのに期待されるのはディレクション。
真面目なキャラで仕事を進める力と安心感は与えられているが、一発逆転とかコイツにかけてみようかって感覚は相手に持ってもらえてなかったと思う。
安定感のある成果を提供することが求められていたけど、安定的な成果に対して全く面白みを感じない&自分のやるべきことじゃない感がとても強くなっていた。
それに、結構、変なこと言ってるのにいいこと言ってる風に捉えられて困る。
様々な見た目の専門家の方や身の回りの信頼できる方々に、真面目に評価されることが多くてつまらないと相談したところ、「見た目的に何やっても真面目に見えがち」というフィードバックをもらっていて、「そんなの面白くないのになー」と思ったことが髪型を変えるきっかけになった。
何が面白くないって?
真面目と評価されることそのものが。
僕の中では”真面目=つまらない奴”という構図があって、真面目な人と評価される=人生がつまらなくなるという思い込みが強い。
そんな風に考えてたら、カットは結構進んでいた。
これから伸ばすってことでお互いの合意を得たと思っていたが、予想外の削りっぷり。
自分の中では残る予定だった箇所が刈り上げに進化した。
なにかしらがイメージと少し違うのはいつものこと。
ちょっとだけ短くしてと言った箇所がばっさりいかれるのはもう慣れっこ。
でも1週間くらい経つと綺麗に馴染んで、1ヶ月後くらいにしっくり感のピークが来るから、これはプロの技なんだなーと思う。
左右の長さがなぜか違うけどこれもいつものこと。
なぜか右側だけがちょっと長い。
今回はなぜか極端に右側だけが長い。
でも気にしない。
これも1ヶ月くらい経つとしっくり来るからきっとプロの技。
そして、思ったよりもクリンクリンになった。
「新しいアイテム導入しましたから(キリッ)」って感じに出してきたパーマ用のロッドがもしかしたらハマらなかったのかもしれない、ミスられたのでは?と一瞬思ってしまった。
でもこれもきっとプロの技。
美容師さんに「危な目にしときましたよ」って言われた。
「危ないってw」と心の中で思いつつ、新しい自分になった気がして、そして当初の狙いの脱・真面目も実現できそうで嬉しかった。
日頃から見た目の重要性については説いているが、いざ自分が見た目を変えていくと、そしてこれから白髪にしていくと思うと、この先がとても楽しみになっている。
2019年一年かけて仕事の内容もがらっと変えてきたし、次への心の準備もできている中でいい感じの変化。
今年一年が幼虫からさなぎになった期間だとしたら、今回のパーマ+次回の白髪は蝶になるための脱皮がはじまったようなもの。
いい感じに崩れてきた。
やるしかねぇな。
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