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2021年 阪神タイガースドラフト振り返り

ー支配下指名ー
①森木大智-- 投 高知------ 184/88 右右 18
②鈴木勇斗-- 投 創価大---- 173/84 左左 22
③桐敷拓馬-- 投 新潟医福大 178/84 左左 22
④前川右京-- 左 智辯学園-- 177/90 左左 18
⑤岡留英貴-- 投 亜細亜大-- 181/77 右右 22 
⑥豊田寛---- 左 日立製作所 177/85 右右 24 
⑦中川勇人-- 捕 京都国際-- 170/70 右右 18 
ー育成ー
①伊藤稜---- 投 中京学院大 178/86 左左 22 

※ここから先、年齢は来シーズン年度末です。

ー全体感ー
層の薄いところを埋めつつ、将来のことも考えたバランスの良い指名というのが第一印象です。
タイガースはここ数年間、"左腕が補強ポイント"と言われ続けてきましたが、"左腕だから"と評価を上げることなく評価した投手を指名する傾向にありました。しかし、大社独立左腕が豊富と言われた今年にまとめて指名してきましたね。有力右腕が少なく、特に柴田投手(日本通運→ヤクルト3位)を先に指名されたことが、連続での左腕指名に繋がった一因のような気がします。

個人的には、森木投手・前川選手は怪我等なければ、将来必ず一軍に出てくると思っています。そのため、2位・3位の左腕2人の活躍度が近い将来のタイガース、そして今年のドラフト評価を左右していくことになりそうな気がしています。2人とも先発・中継両睨みなタイプですので、今の阪神投手陣にかなりマッチしていると思います。

5位以降では、
疲弊しやすい中継ぎ陣に特徴のある大学生右腕、岡留投手。
翳りが見えるサンズ選手(35)の後釜争いに、売り出し中の小野寺選手(25)と似たタイプの豊田選手(25)。
榮枝選手(24)・藤田選手(21)とともに、将来の捕手陣を形成する捕手候補として中川選手(19)。と指名が続きました。
豊田選手の指名だけは意外でしたが、それだけサンズ選手(35)・陽川選手(31)・小野寺選手(25)・(ケガの多い井上選手(21))の枠に必要性と危機感を感じているということなのだと思います。

一方で、若いサードのスラッガー候補は今年も指名できませんでした。また、二遊間の指名もなかったことから、現在の競争を継続させる方針なのかと思います。来シーズンは、若い小幡選手(22)をはじめ、今シーズンはスペシャリスト起用だった植田(27)選手・熊谷選手(27)にも、ぜひレギュラー争いに参戦してもらいたいです。

現時点で、来シーズン頭から即一軍主力で!という選手はいませんが(豊田選手は少し気になる…)、今いるメンバーを信頼しつつ中長期的に競争できる選手を揃えてきたというイメージです。
上位から下位まで、狙いがはっきり見える良いドラフトだったと思います😊

ー指名選手の雑感ー

①森木大智-- 投 高知------ 184/88 右右 19
小園投手を外してしまいましたが、私はBIG3の中では一番好きなタイプでしたのでとても嬉しいです。馬力の風間投手、まとまり・完成度の小園投手、その中間の森木投手というイメージです。中学生の時から有名な選手のため伸び代を不安視する声もありますが、中学・高校野球の枠を飛び出しプロの世界に入れば、まだまだ伸びるタイプだと思います。西純(21)投手よりもまとまりがあるように見えるので、案外早めに一軍で見られるかもしれません。

②鈴木勇斗-- 投 創価大---- 173/84 左左 23
小柄ですが、球に力がありスタミナもある暴れ馬タイプという印象です。球威はあるのですがもともと制球に不安があり、4年秋に若干まとめてきたかなという印象です。プロでは制球重視になると球威で敵わない可能性がありますので、まずは土台づくりから。シーズンオフからきっちり鍛えてほしいです。少し時間がかかるかなという印象ですが、阪神コーチ陣はじめスタッフと本人の努力がハマれば早くからローテーションでもセットアップでも可能な投手になりそうですので、とても楽しみです。

③桐敷拓馬-- 投 新潟医福大 178/84 左左 23
よく3位まで残ってたなという印象です。制球にあまり不安がなく短いニングであれば球威も出せるタイプなので、中継ぎ陣に割って入れる可能性があります。少し球種が少ない中でも奪三振率が高く、勝負どころの力を込めたストレートの威力は十分ですので、長いイニングでも力強い球を投げられれば、先発でも勝負できると思います。同期同学年左腕が3人指名されていますので、切磋琢磨して将来の阪神投手陣の屋台骨となってほしいです。

④前川右京-- 左 智辯学園-- 177/90 左左 19
現時点では世代No. 1スラッガーと言えそうな選手です。こちらも4位まで残ってました。夏の甲子園では、打席で1人だけ違う雰囲気がありました。やはり心配なのは守備でしょうか。現在、ファームでライトが主戦場の井上選手(21)のポジション次第だと思いますが、レフトで打力勝負!が基本線になりそうです。守備は割と堅実ですが範囲が広いタイプではないので、思い切ってファーストで育ててみるのもありかなとも思います。どちらにせよ、井上・佐藤輝両選手に続き、楽しみなスラッガー候補が指名されました。将来きっと出てくるタイプの選手だと思います。

⑤岡留英隆-- 投 亜細亜大-- 181/77 右右 23
年明け〜春の段階から注目していたので、個人的にはかなり嬉しい指名でした。変則右腕で球に力のある中継タイプは今の阪神にはいません(齋藤投手が少し変則気味ですが)し、こちらも中継ぎ陣に割って入れる可能性がある投手です。良くも悪くもストレートの球筋が少しシュート気味ですが、球威が通用すれば来シーズン一軍で投げる姿が見られると思っています。

⑥豊田寛---- 右 日立製作所 177/85 右右 25
個人的には、一番のサプライズ指名です。右の外野手は指名しないと思っていました。国際武道大時代に、阪神のスカウトが熱心に視察していたことは知っていたのですが、今年指名があるとは思っていませんでした。直近の都市対抗予選5試合で、16打数8安打・打率5割ー2本塁打ー5打点と爆発していることが指名に繋がったのでしょうか。守備に一抹の不安がありますが、今年結果が出なかった陽川選手(31)、出場機会を大きく伸ばした小野寺選手(25)には強力なライバルになるのではないでしょうか。サンズ選手次第では、来シーズン6・7番レフトでスタメン出場している姿を見られるかもしれません。
※個人的には、昨年、大社独立二遊間は指名ポイントから外していたのですが、中野選手(26)が大活躍!でしたので、そういう意味でも楽しみです。

⑦中川勇人-- 捕 京都国際-- 170/70 右右 19
夏の甲子園で評価を上げた小柄な捕手です。キャッチング技術が高くて野球脳があり、小力もある。ということで、現在2番手捕手の坂本選手のようなタイプかと思います。高校生にしてフレーミング技術に高い評価を得ており、最近のタイガースが好んでいる小柄で守備力が高い捕手そのままのイメージです。若手捕手陣では、榮枝選手(24)が一歩も二歩もリードしている状況ですが、藤田選手(21)が怪我もあり伸び悩み気味ですので、将来の捕手陣を高いレベルで競い合える選手になってほしいです。

育成
①伊藤稜---- 投 中京学院大 178/86 左左 22 

支配下指名だと思っていた投手でしたので、こちらも驚きました。テイクバックが小さく、インステップ気味に踏み込んでくる特徴のあるタイプの左腕です。2年秋までリーグ戦では、四死球率は高いものの圧倒的な成績。3年春の開催中止を経て秋に肩を痛めてしまい、1年間公式戦の出場はなし。4年春からまた登板し始めて、この秋は5試合で12回1/3を投げて、防御率(5.84)と被安打率(11.26)は良くない一方で、奪三振率(10.22)と四死球率(2.19)を良化させてきたという状況です。3年時の左肩痛がどこまで影響するかは分かりませんが、2位の鈴木投手同様にハマればかなり良い投手になると思います。気持ちが強そうな投手ですので、鈴木投手・桐敷投手という同期の支配下指名左腕と高めあってほしいですね。
育成契約選手の中でも支配下指名にかなり近い投手だと思います。

今年も楽しいドラフトでした😊
特に、楽天の他球団の動向なんて気にしない!ほしい選手にいく!という感じの指名には驚き、楽しませてもらいました。
また、事前情報通りとはいえ、中日の右打ち大学生スラッガー候補大集合指名も、新しい感じがして面白かったです。

今後は、ドラフト指名された選手を含めた来シーズン以降のタイガースの戦力分析を中心にアップできたらなぁと思っています。

今回も、読んでいただいた方、ありがとうございました😊

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