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特に何も

窓を開けると生暖かい心地のいい風が入ってきたので、人工的な甘さを口に放り込んだ。アレルギーのせいで血腥い口の中にサイダーが溶けていく。まだ明けたばかりの春に中途半端に薄いチョコレートミルクと化した私の肌は街ゆく人の目には酷く不細工に映った。"珈琲を呑めばなんだって一緒でしょうよ" それなのに空に注がれるのは澄み切った寒色だから降ってくるものも寒色だった。心はこんなにも冷たいのに変ね(笑)。

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