Morgenröte

紙切れで僕だけの物語を紡ぐんだ。

主人公は ∫:{?}
登場するのはこの世界

何処までも続く僕ら2人だけの
逃避行の物語。



────


午前7時
日が昇り始めた頃
白い海に子供たちの夢が散らばる。
きらきらゆらゆらと揺れるそれは
眠いままの僕らの記憶を酔わせるんだ。

"Morgenröte"
君の名前を呼んで今日も街へ降りる。
「聞こえるはずがないのになぁ」
そう呟きながら十分に中身の詰まっていない
1尾の魚の命を奪った。
酷い味。

小さい頃の記憶もそうだ。
大人に踊らされる私たちはまるでお遊戯会を
開演しているように笑顔で蝶の羽を羽撃かせる。
あの小さな喉ではどれだけ叫んでも聞こえる
はずがない精一杯の声をあげながら。

それでも太陽は全てを照らせるわけじゃない。
月は影を作ってサヨナラを追った。

5月の日差しは遠ざかり
僕にサヨナラを言わせようとする。
いや、"サヨナラが僕を探し出す"と言った方が
いいだろうか。





難しい本は読みたくない。
綺麗な言葉だけを並べた歌も
まるで聞けたものでは無い。
だから
誰も奏でられそうにない変てこな楽譜は
君なら解ってくれるだろう?







(12月の朝、日差し)

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