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この世で1番優しい音

柔らかな音で刻まれる棘は積み重ねた積み木が崩れるように脆くて、柔らかいからこそ、心臓に溶け込んでいく



ドク ドク ドク

脈を打って夏に咲いた



ドク 毒 独

怒涛の如く斬り裂いた



鼓膜が熱を持って音を拒むので
僕は珈琲を過剰に摂取した



出された珈琲の底には砂糖が溜まっていて
酷く胸焼けしたので水を口に含んで
なかったことにする



角砂糖だったのだろう塊が見える




あれから僕は考えてみた

拒んでいたんじゃないのかもしれない


だって砂糖はこんなに甘いから

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