白藍
可笑しかった
僕が人外だったから
人外なのに
人間の君に精一杯手を伸ばした
恐る恐る握ってくれたけれど
今にも解れてしまいそうな縫い付けの弱い指先は
僕を揶揄うみたいにはぐらかす
それもそのはずだ
"僕らは、"
お風呂にアヒルのオモチャを浮かべて
畢竟のQ.E.D.が泡と一緒なって沈んだ
"分からなかった"
"誰にも"
だれかが変えてくれるとおもっていたから
誰もいないのに誰かを待ってた
誰もいない海の底で気付く
『酷く深い冥途なのだ』と
それを見てヒトは笑った
あまりの邪気の無さに思考が縒れる
でもそんなことはどうでも良かった
僕らには関係なかった
もううんざりだ!!
アヒルは鮮やかな黄色だった
追記:
辿々しかったろう
誰もいない海底にいた僕は
身の詰まっていない魚ばかりを口にしていたから
でもここにはもう僕らを諫めるやつはいないんだね
だからさ、
ヘタクソに綴った僕を君が受けとめて
[白,藍/はにかみを隠すように]
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