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『学校では 誰も教えない介護職員などの研修講座』~①介護職員ならば身に着けたい知識・介護脱毛編~

1⃣「介護脱毛」

 近頃、芸人さんの中にはユーチューブで

「介護脱毛

をテーマにした投稿動画が紹介していたり
特にミドル世代を対象とした視聴者を対象に
この話題がよく取り上げられるようになってきました。

ズバリ、本日のテーマはこれです。

2⃣ 介護脱毛のメリットとデメリット

 現在、時代や社会の流れとして「するとよい」という声を良く耳にする。

介護脱毛はなんでするのか?というと

将来自分自身が排せつの介助を受けることになった際に

「介護される側もする側も、お互いの負担を軽減するために若いうちから施術しておくとよい」

ということである。

 介護スタッフならば多かれ少なかれ
誰しもが悪戦苦闘して通る道がある。

それは

「オムツ交換」だ!

 ある時は、ナースによる

「これでもか!」

という程の下剤投与により

「下痢」

やら

「お通じ」の介助

悩まされるのはこの仕事の宿命でもある。

そのため、介護スタッフの間でも多かれ少なかれ

「介護脱毛」については話題になる。
しかし、賛否両論と言ったところではいでしょうか。

 くれぐれも誤解のないようにお話すると
看護スタッフの役割と介護スタッフの役割は共通点もありますが
基本的に役割が違います。

看護の役割は
「病気やケガを治療することや予防することがメイン」であり
いわゆる「キュア」である。
そのため
「排便を促し医学的に治療を目的としてて健康をサポート」
ということが仕事の目的です。

 一方、介護スタッフの役割は
「病気やケガなどで誰かの手が必要になっても
日常生活の質を落とさず
いかにしてその人らしい生活をサポートするか」
ということです。
いわゆる
「ノーマライゼーションとしての価値観」
「QOL(生活の質)の向上」
「社会モデル」の実現です。

そこで、看護や介護の視点を交えて共通認識として
「介護脱毛」のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

⑴メリット編
・清潔の保持がしやすいこと。
→皮膚トラブルの軽減(特にデリケートゾーン)

・排せつ交換時のにおいの軽減ができること。

・介護者・介護される人の両者ともに
精神的・肉体的の負担の軽減ができること。

⑵デメリット編

・VIO脱毛による経費・時間がかかること。

・一度、脱毛施術した場合はもとには戻せないこと。
例えば、海外ではVIO脱毛はエチケットとしてなど
文化的な価値観が広まっている。

 一方で日本はというと
夏頃になると医療脱毛など
脱毛エステサロンの車内広告を電車で見かける。

 私の勝手な分析だが
こぞってサロンが広告を出すという事は
まだそれほど一般庶民の間では
脱毛は浸透していないとも考える。
ましてや、VIO脱毛は体のデリケートな部位なので

少数派なのかもしれない。

そう考えると

「恥ずかしい」

という人もいるのではないでしょうか。
そんなことで、中にはこれが
逆にデメリットとなる人もいる
と考えられますね。

3⃣「知らないって怖い」
~本当はスゴイ!介護現場の衝撃的実態~

 なぜここで今この話題なのか?

という事を申し上げますと
このような理由であるからです。

・人間の尊厳的な側面を含み
一人ひとりが介護を受けるだろう日がやがてくるからです。

→現在、介護の現場では「虐待問題」問題視されています。
実は、悲しいもので大変申し上げにくいのですが
「誰が虐待で通報されることが一番多いのか?」

というと
令和元年の厚生労働省発表の調査によると
「要介護施設従事者」が家族よりも増えてきてます。

詳細が知りたい方はこちらが引用元です。

引用元:厚生労働省 令和元年「高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(資料1)
2,要介護施設従事者等による高齢者虐待

決して犯人捜しと言う訳ではありません。


さらに、要介護施設従事者など
「虐待相談・通報件数」と「虐待判断件数」に関しても
平成18年度から令和元年までの調査結果では右肩上がりになっています。
具体的な数値としては以下のとおりです。

平成18年度「虐待相談・通報件数」273件
令和元年 「虐待相談・通報件数」2267件
引用元:厚生労働省 令和元年「高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(資料1)
図1要介護施設従事者等による高齢者虐待の相談通知件数と虐待判断件数の推移

「相談・通報件数」は8,3倍程度です。

引用元:厚生労働省 令和元年「高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(資料1)
​​平成18年度「虐待認定件数」→54
令和元年 「虐待認定件数」→644
件引用元:厚生労働省 令和元年「高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(資料1)

「虐待認定件数」は、11,9倍程度です。

改めてこうやって、数字で見るとすごくないですか?

この事実を知り衝撃的だった。→何とかしたいと思ったからです。

4⃣「世の中には介護脱毛が出来ない人もいる」

さらに、もう一つの理由はこちらです。

・あくまでも一個人の意見ですが、私の中では将来介護を受けるだろう年齢層に近いミドルエイジ層の間では「介護脱毛」はあたかも当然の常識という風潮があるように思えて仕方がありません。
 なぜなら、メディアによる一種の洗脳というのか?同調圧力的な空気感がしてならない。
現実的に、LINEのタイムラインをみるとメディアでターゲットになっている年齢層をターゲットに
「今なら、無料」
という宣伝広告まであるではないか‼

確かに、これをチャンスとして時代の流れに便乗してこのコロナ過を乗り切るためのエステサロンの経営戦略としてということは分からなくもない。

しかし、多くの人が目にする宣伝や報道の仕方には懸念点もあることを知ってほしいからです。

→具体的な話ですが
中には「介護脱毛」を受けたくても
医学的には施術を受けられない方もいるとう事実を知ってほしいからです。

 例えば「尋常性白斑」という難治性皮膚疾患がある方の場合は(全員が全部そうではないですが)医学的な視点から言うとで「きない人」もいます。

そう考えると人によっては

「これって煽り広告?」
とも捉えかねない。

確かに、私はある意味HSP傾向がある介護福祉士のため

「人より嗅覚が敏感です。」

そんなことで、
においは気にならないと言えば

ウソになりますし

私の同僚スタッフは排せつ介助デビュー後、
とうとう我慢の限界を超えて汚物室へ!
その後一人むなしく嘔吐したスタッフもいる。
それだけ、排せつ物のにおいは強烈です。

そんなことで

やっぱり介護脱毛は、していないよりは していた方が良い」

と思うのは

本音だと思います。

しかし

「ちょっとだけ立ち止まって皆さんに考えてほしいんです」

こうやって
「介護脱毛済の人」と「そうではない人」が分断されて
やがて「差別意識」が発生するリスクがあります。

それはそれで介護のエキスパートとしてどうなんだろうか?と

考えてしまうんですよね。

私自身も10代の頃から「白斑の当事者」です。

だからこそ
「将来もしかしたら介護を受ける側になることを考えたら…」

と思うと非常に複雑な気持ちになります。

そして、何よりも
これを今読んでくださっている方の中にも潜在的に
共通した悩みがある方もいるかもしれないからです。

そんなもやもやを解消させるためにも
今後は「介護員の三大介助」として苦戦しがちな
「オムツ介助を楽にする必須アイテム・臭い対策に関して」も発信予定でいます。
よろしかったら、そちらもどうぞ。

話が前後しますが、介護職員による虐待がなぜ起きてしまうのか? 

その原因が
「教育・知識・介護技術等に関する問題」56,8%を占めています。

私自身、介護職員の実務者研修で実技や学科についての講義に実際に携わると

非常に残念ながら

「あーやっぱりな…」

と言わざる場面にも遭遇します。

なぜなら
時々だが、介護現場で勤務したばかりの新人スタッフから

「うちの職場の介護リーダーにはこうやって教えられました
(でも、これってどうなんでしょうか?本当は違うとおもうんだけれど…)ということを打ち明けられることがあった。」

そこで

「なぜ、そのような指示が出ているのか?」

「どのような根拠でこのようにするのか?」


介護現場で介護リーダーが新人スタッフにどのように指導しているのか?

という意味を含めて、逆に受講生(新人スタッフの)から聞き取りをすることがあった。

すると

「よくこの方法で、今までケガや事故がなく業務ができているな…」

「これはいつか、トラブルや事故が起きるのも時間の問題だよな…」

ということが起きていることを知る機会があります。

そう考えると

やはり

「知らない事があることは、怖い事」でもあり

「教育の大切さ」を考えさせられます。

今後は、「なぜ、虐待が起きるのか?」

についても発信予定です。

誤解のないように説明をすると、
決して介護リーダーが悪いとか誰がどうこうという問題でもありません。

このあたりの詳細も、実際に介護現場でどういうことが起きているのか?
などを含めて様々な視点から今後はお話していく予定でいます。

良かったら、こちらも併せてどうぞ。






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