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介護職員なら知りたい~虐待案件編~

■ 問題はズバリチェックの仕方!


北海道の西興部の障害者施設で虐待があったことがニュースの報道で取り上げられました。

一言に『虐待』と言っても様々な種類があります。

その中でも今回は『性的虐待』が発覚しました。
テレビのニュース報道で事件があった施設長の回答はこのようなことでした。

スタッフが利用者さんの
けがを見つけた際に
いつできたのか?
それはいつからか?
を確認をするため

という内容でした。

確かに、チェックすることは大事です。
しかし
問題はその仕方が問題です!

■ 時代錯誤
~知られていないけれど、昔の障がい者福祉もひどかった~

ところで、以前ハンセン病療養病棟を利用していた患者さんがどんなケアがされていたのか?というドキュメンタリーものの番組を見たことがあります。その内容は人間の尊厳からほど遠いものでした。

インタビューには女性患者さんが答えていらっしゃいました。
患者さんが施設に入所して衝撃だったことして
このような話をされていました。
何かハンセン病以外の悪い病気に感染していないか?
病気の治療と研究と称して療養所では
ボディーチェックが行われていました。

インタビューに答えていらっしゃる患者さんはまだ、当時は10代か20代でとてもお若い頃でした。

ハンセン病は明治40年から平成8年まで隔離政策が行われていました。
特に、政策初期の頃は医師と言えば今のように女医さんはいませんでしたし、男性医師です。
そのため、屈辱的だったという内容のものでした。

信じられないようですが、これと似たようなことが行われていました。

しかし、時代は

「令和」

それにも関わらず

「いまだにそんな時代錯誤のことをしているところがあるのか」

とある意味、こちらも衝撃的でした。

■偉そうなことは私も言えませんが…


ところで、私自身は介護福祉士として介護職員の研修をする側に立つことがあります。

例えば、実技の際に注意点として必ずお伝えすることがあります。

それは
「いつ」
「誰が」
「どこで」

「何を」
「どうやって」
「何のために」
観察をするのか?
ということを具体的にお伝えすることにしています。

特にこのあたりは、介護職員の初任者研修や実務者研修ではどの学校の講師の方々もお伝えしているところであますし、講座内の実技テストのチェック項目として採点項目にしています。

ここからは具体的な内容ですが今回の事件は、普段の生活介助の中で簡単に防げたと事だと私は思います。

なぜなら、例えば介護スタッフなら
誰かしらが必ず
排泄介助

入浴介助
洋服の着脱介助があり
携わっています。

さて、ここで問題です
Q、この業務で共通する観察チェックポイントである体の部位がありますがどこでしょうか?

これがビビッときた方はプロの介護スタッフです‼

おそらく、仕事がよくできる方だと私は思います。




A、虐待の加害者の中には「腕や顔面」を狙うことはなるべく避けます。
なぜなら、事件発覚のリスクがあるためです。特に、常習者になるとあえて

洋服から隠れるような箇所」

を狙うこともあります。
具体的にはこちらです。
「背中」
「臀部」
「腹部」

です。

■めっちゃ突っ込み入れていいですか?

ある意味
「介護スタッフが介助業務の一環」とし
「利用者さんに自然の流れで」
しっかりと観察できるのは、
個室での着替えの介助や
排泄介助
入浴がベストとなる訳です。

ちょっと、テレビのニュースを見て私自身突っ込みを入れたくなる部分がありました。

確かに、全裸で誰の許可も取らずに写真を撮る事は言語道断です。
話によると「一人ひとり撮影をしてた」ということなので、ある意味
これって

「業務」をする上で

「めっちゃ作業効率悪くないですか?」

と思ってしまうわけですよね。

ぶっちゃけ、同じ介助業務を行うにしろ時間と労力を使い、それが虐待と知らずに行っていた悲惨な結果を生む

ホントに残念な事です。

くどいようですが、スタッフの誰もが
「入浴介助」だったり
「着替えの介助」
「排泄介助」を行っていると思うんです。

ある意味、それらの数をこなすとベテランクラスのスタッフから

「わざわざそんな効率悪く、後ろめたいことしなくても、通常の介助業務の中で観察できないの?それを記録に残せばいいんじゃない?」

という方が出てきてもおかしくないよなぁー

となる訳です。

皆さんはどう思いますか?

やっぱり、スタッフ教育って大事だと思いませんか?

■ 事件は現場で起きている!

残念ながら、私自身も介護現場で勤務していて過去に虐待案件を発見した事があります。

やはり、それに関しても発見したのは「入浴介助」の時でした。

そして、利用者さんと長い時間をともにして体やこころの見えない所に異変を発見しやすいのも「介護スタッフ」です。

最後になりますが、そのような現場を発見したらすることをこちらに記して今日は終わりです。
良かったら参考にどうぞ。

『虐待案件に関わったら必ずやること‼』

⑴上司に報告
⑵記録に残す

⑴に関しては、裁判になれば証拠写真も必要と考える方も中にはいると思います。
しかし、写真を撮ると言うことは
「利用者さんの個人情報などのコンプライアンス的なもの」
であったり
利用者さんやご家族があまりことを大事にしたくないなど
「他人には言えないそれなりの理由」があります。そのため心理的ハードルもグンと高くなります。

そのため、上司と相談の上結論をだすことをおすすめします。

そして、もし証拠写真を撮る際はくれぐれも
「個人のスマホ」で撮影ではなく
「事業所」のデジカメなどを使うことをおすすめします。

なぜなら、個人のスマホではあくまでも「個人がプライベートで使うから」です。「個人のものと業務で使うものをきっちりと分ける」ことがポイントです。

少々深刻な話題で長丁場になりましたが、最後まで読んでくださった方どうもありがとうございました。







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