殺す趣旨での「トランスヘイト絶対●●マン」などにつき、弁護士会綱紀委員会は懲戒委員会に付するを相当とするも、懲戒ならず、日弁連懲戒委員会も懲戒せず。
⭕️追記 2024.8.17
神原弁護士への2つ目の懲戒請求につき、日弁連の「綱紀審査会」の方の8月7日付議決書が8月15日届きました。「綱紀審査の申し出を棄却する」とのことです。
日弁連は、弁護士がXポストなどで、●●=殺すという趣旨での「トランスヘイト絶対●●マン」と書いても、そして2つ目のように差別扇動団体などと多々書いても、その品位を下げたことにはならないと判断した、ということになります。
女性が無防備になるトイレや更衣室等で女性専用を求めるのは、当然のことです。
市井の女性の意見を軽々に「差別」と決めつけて「トランスヘイト絶対〇〇マン」と〇〇=殺すの趣旨と明白にわかる投稿を行ったことが弁護士の品位を下げていないなら、弁護士は自分と意見が違う女性を差別者と決めたらば「絶対〇〇マン」と名乗り、殺すの趣旨を公言することを弁護士会から公認されたことになってしまうのではありませんか?
そして二つ目のように「差別扇動団体」などと多々書いても、その品位を下げたことにならないとの日弁連の判断は、市井の女性の意見を聞く耳さえ失ってしまったのではないかと、失望しております。
市井の女性の多くは、弁護士は一般人以上に厳しく品位の高さを求められるものであり、弁護士会や日弁連もそれを守ろうとしているものだと信じてきました。その信頼を壊された結果が残念でなりません。
⭕️追記 2024.6.16
1つ目の懲戒請求ー弁護士の当会に向けた殺す趣旨での「トランスヘイト絶対●●マン」などのツイートーにつき、異議を申し立てた先の日本弁護士連合会の懲戒委員会は、2024.6.10、当方の異議申し立てを認めず懲戒なしと議決しました。
確定です。6月15日に届きました。以上を取り急ぎ報告します。主文と判断理由は下記であり実に簡潔です。委員や代理人名を匿名化したPDFも添付します。
当方では下記の通り記したのですが、日弁連に通じなかったようです。
今、日本弁護士連合会が、対象弁護士の本件行為につき「弁護士の品位を失うべき非行」と判断しないならば、対象弁護士は本件各ツイートを削除しないどころか、これからも「ヘイト団体」「在特会と同じ」「絶対●●マン」などといったツイートを量産していくだろう。これまでの姿勢からして明白である。そして、その影響力の大きさから他の類似のする考えの方においても、同様にツイートや発言をしていくだろう。
上記の通りの経緯と活動実績をもつ女性スペースを守る会につき、そのような事態としてしまって良い筈もない。日本弁護士連合会が、性自認の法令化につき疑義を言う女性らに対して、憎悪の階梯をまた一段あげる行為をして良い筈がない。
ジェンダーアイデンティティの捉え方については、あるいは対象弁護士の考え方こそが、日本弁護士連合会の考え方に近いやもしれない。
しかし、いずれにせよ本件の論点は考え方の是非ではなく、対象弁護士の本件各行為が、弁護士たるものとして品位を失うべき非行にあたるかどうかである。もとより対象弁護士が在日外国人等の「ヘイトスピーチ」問題について権威と実績がある弁護士であることも関係がない。
弁護士会や日本弁護士連合会は強制加入団体であり、懲戒の自主権を持つ自治団体として、誠実にこれを果たさなければならない。
この間、多くの方のご支援、ご協力をいただきありがとうございました。深く感謝申し上げます。
⭕️追記 2024.4.25
下記2024.3.31に報告した2つ目の懲戒請求についての異議申立(日弁連2023年綱第1025号事件)が棄却されたことに対し、こちらは以下PDFのとおり「日弁連の綱紀委員会審査会による綱紀審査」の申し出をしました。
殺す趣旨での「トランスヘイト絶対●●マン」についての1つ目の懲戒請求が日弁連懲戒委員会で今も審議中なのですから、それに続く10数個もの「在特会と同じ」「ヘイト団体と日々つぶやこう」ということでの懲戒問題を、綱紀委員会の段階で先に懲戒相当としないとしてしまって良いはずはないと考えます。
こんなことをしていたら弁護士会、日弁連の自主自立権―懲戒権を自ら持つ―が、やがて奪われてしまいましょう。
⭕️追記 2024.3.31
下記でご報告した2023.12.11の異議申立(日弁連2023年綱第1025号事件)につき、日弁連綱紀委員会の2024.3.21付け議決書と通知が送られてきました。「原議決書の認定に誤りはない」として棄却を相当としました。当会を「在特会と同じ、ヘイト団体、ファシスト団体」などと言い連ねてきたことが、先行した別事案の懲戒請求が懲戒委員会で棄却されているから同じで良いとしたこととなります。
弱ったものです。年度末だから動きがあるかと思ってはいましたが、こんなことだから、昨日明らかになったように、図に乗った人が出て来て出版妨害のために、出版社のみならず書店あてに取り扱えば放火するなどという脅迫が起きてしまうのでしょう。日弁連への信頼はなくなっていくばかりです。
この後は、30日以内に申し立ての「綱紀委審査会による綱紀審査」という手続きもあるので出してみます。
なお、⭕️追記 2023年10月7日 その1 に記載の地元弁護士会の綱紀委員会を通過していた「トランスヘイト絶対●●マン」での、日弁連懲戒委員会への同年9月21日開始の異議申立(日弁連2023年懲(異)第38号事件)については、まだ連絡がありません。
⭕️追記 2023年12月14日
神原弁護士が、2022年に至っても当会を「在特会と同じ、ヘイト団体、ファシスト団体」などと言い連ねていたためにしていた懲戒請求(神奈川県弁護士会2022年綱第56号)につき、2023年9月15日、同年8月9日綱紀委員会の段階で棄却された通知が届いていたところ、12月12日、日弁連の綱紀委員会あてに異議を申立てました。2023年綱第1025号になります。下記の記載などがあります。全体は貼付のPDFのとおりです。
⭕️追記 2023年10月7日 その2
滝本は、神原弁護士につき「トランスヘイト絶対●●マン」などに止まらず、2022年に至っても女性スペースを守る会について、在特会と同じ、ヘイト団体、ファシスト団体などと言い連ねていたために、2022年10月、また別の懲戒請求をしていました(2022年綱第56号)。
しかし、これにつき、2023年9月15日、同年8月9日綱紀委員会の段階で棄却された通知が届きました。
その理由は、「対象弁護士が行った、「ヘイト団体」「差別扇動団体」という上記表現によって、社会通念上、「守る会」の社会的評価を下げる恐れがあることは否定できない。また「ヘイト団体」という単語を使わないと、基本的人権の擁護や社会正義の実現という弁護士の使命が全うできなくなると言うことも考えにくい。もっとも対象弁護士が守る会のことを「ヘイト団体」とTwitter上に投稿したことをも対象事由として前件において、懲戒委員会は、近時、「直ちに守る会の反論を一方的に封じ、その人権自体を否定するものと認めることが出来ない」「国民からの信用を失わせる程度に至っていない」として「懲戒相当ではない」旨判断した。対象弁護士が本件において行った表現内容・背景と前件での表現内容・背景を比較する、本件の表現内容に前件の懲戒委員会の判断を覆すに足るほどの差異は認められず、また表現に至った背景にも特段の事情変更は見受けられない。」などとしたものでした。
これについては、日弁連の綱紀委員会に異議申立てをする予定です。
⭕️追記 2023年10月7日 その1
2023年9月20日、日弁連の懲戒委員会あてに、地元弁護士会の綱紀委員会を通過していた「絶対●●マン」の件につき、異議を申し立てました(日弁連2023年懲(異)第38号事件)。そのPDFを添付します。
異議申立書 2023年9月20日
懲戒請求者 滝本太郎として、
上記PDFデータの中の、異議申出の趣旨以降のテキスト全てを、以下に転載します。
異議申出の趣旨
「対象弁護士を懲戒しない」との決定を取り消し、神奈川県弁護士会所属の神原元弁護士を懲戒することを求める。
異議申出の理由
第1 対象弁護士は、
懲戒請求事由1 2021年9月27日午後9時11分、インターネット上の記載であるツイッター上(現在の「X」以下同じ)に、
と記載し、弁護士の品位を著しく害する行為をした。なお、対象弁護士は、懲戒請求者からの指摘があった後も、これを削除せず今に至るも不特定多数に供覧させ続けている。
懲戒請求事由2 2021年10月17日頃、インターネット上の記載であるツイッター上に、「女性スペースを守る会」の下記右に示されるロゴを、下記左図の通り改変して掲載して広く公開し、かつ「女性スペースを守る会はヘイト団体です」など付言して、その名誉を毀損し、弁護士の品位を著しく害する行為をした。
第2 神奈川県弁護士会綱紀委員会の判断
1 このことにつき、神奈川県弁護士会綱紀委員会は、2022年8月3日、2に記載の通り正しく「懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認める」と議決し、この通知は懲戒請求者あて同年9月14日、到達した。
懲戒請求者は同年10月14日、神奈川県弁護士会懲戒委員会あてに、対象弁護士が「殺す」意味である●●を利用した「トランスヘイト絶対●●マン」の削除さえしていない対象弁護士の姿勢が、反省のかけらもないことなどを示し、早期の厳正なる処分を求めた。
なお、神奈川県弁護士会では、綱紀委員会においても懲戒委員会においても、対象弁護士がいかなる主張・立証をしているのか、懲戒請求者には分からず、懲戒請求者が主張・立証の補充が必要なのかどうか、綱紀委員会においてもこれにつづく懲戒委員会においても知ることのできないシステムだと聞知している。
2 すなわち、神奈川県弁護士会綱紀委員会は、次の通り認定している。
対象弁護士は、――かつて同弁護士が「ネトウヨ絶対殺すマン」と言われたことを利用して、トランスジェンダー「性自認」の論点につき、女性トイレ等の利用「公認」や性自認と言う概念に疑義を持ってツイッターに記載する者、とりわけ「女性スペースを守る会」の共同代表4名に対し、殺人等生命身体その他に害を与える姿勢を示して脅迫し、上記記載を削除することなく掲載し続けている。
仮に上記ツイートが特定人に対する脅迫行為にあたらないと評価するとしても、●●が「殺す」趣旨であることを分かりつつ伏字行為にした行為は広く弁護士の品位を害する」
「女性スぺースを守る会」が著作権を持つロゴを改変した上、「女性スペースを守る会はヘイト団体です」等と付記したツイッター掲載をして広く公開し、同団体名誉を毀損した。
よって、これらは、弁護士法1条に違反し、同法第56条第1項に定める「品位を失うべき非行」に該当する。」
(以上は、綱紀委員会議決書1~2ページ)
つまり、対象弁護士自身、「読み手が『●●』=『殺す』と捉えること」につき規定していたかまたは少なくとも承知していたと評価することができる。(以上は、綱紀委員会議決書3ページ)
伏字を使用しながらも「トランスヘイト絶対殺す」と宣言されれば「トランスヘイター諸君」と称された人々が恐怖を感じる可能性は否定できず、現に、暗に「殺す」という言葉(もとは脅迫文言)を想起して恐怖を感じた、また弁護士職に対する信頼をなくした、と感じた市民が多数いた事実も認められる(甲第6号証)。
「ヘイト団体」とは、特定の属性を持つマイノリティ集団に対する偏見や差別を扇動する団体の呼称であり、「女性スぺースを守る会はヘイト団体である」という表現は、当該団体がトランスジェンダー当事者に対する偏見や差別を扇動する団体と言う意味になる。「ヘイト」行為は、いわゆるヘイトスピーチ解消法等によって法規制の対象にもなっていることを踏まえれば、本件投稿内容は、社会通念上「女性スペースを守る会」の社会的評価を下げる表現である言わざるを得ず、同団体に対する名誉毀損に該当する行為であると評価することができる。
(以上は、綱紀委員会議決書4ページ)
そもそも、公共の利害に関する事実に係るか否か、目的が専ら公益を図るものであったか否かを投稿者の主観のみで判断して良い筈もない。また、当該団体のホームページ上の主張は、当該主張についての対象弁護士の見解とは異なるというだけのことであり、客観的に判断すれば、当該団体のホームページの記載から当該団体がトランス女性に対する偏見や差別を煽る主張をしているという前提事実を直ちに真実であるとすることは困難である。
したがって、仮に対象弁護士による本件投稿が名誉毀損の違法性を欠くとしても、そのことから直ちに対象弁護士による本件投稿が弁護士法第56条1項の「品位を」失うべき非行に該当しないということにはならない。 (以上は、綱紀委員会議決書5ページ)
第3 神奈川県弁護士会懲戒委員会の判断
1 しかるに、神奈川県弁護士会懲戒委員会は、「対象弁護士を懲戒しないことを相当と認める」とした。それも代理人弁護士を36名も付けておりこれに添う様々かつ大量の主張立証を行ったことが推察されるところ、先に述べた通り、懲戒請求者にあっては、対象弁護士がいかなる主張・立証をしているのか分からず、その主張・立証の補充をする機会もないままに、である。
2 すなわち、神奈川県弁護士会懲戒委員会の議決書の内容には、次のように判断している。
しかし、「絶対殺すマン」と言う表現自体は漫画で使用されたもので、「特定の物事を必ずやり遂げる人物」という意味で用いられたものである(乙30)から、この「殺す」と言う表現が、直ちに人の生命を失わせる身体への加害行為である殺害の意味であると認めることができない。
(以上は、懲戒委員会委員会議決書5ページ)
「●●マン」の部分だけで、対象弁護士の過去の投稿である「ネトウヨ絶対殺すマン」とともにツイッター上で強調され煽られた、独り歩きした面もあること(甲2.6)などから、本件投稿1が一般的に人の恐怖心を生じさせるものであること認めることができない。
本件投稿1により弁護士への不信を感じたとする趣旨の書き込みが多数寄せられたとしても、それが社会全体の多数であるかどうかは判然としないし、仮にそれが社会全体の多数であったとしても、弁護士の社会的使命である基本的人権の擁護に照らし、弁護士が少数者の基本的人権を擁護するためにしたとされる行為を直ちに弁護士の品位を欠くべき非行であると認めることができない。
しかるに、本件投稿1は、トランスジェンダー女性の性自認と言う繊細な問題を取り扱ったものであり、本件投稿1がされた時期は、この問題につき、対象弁護士らと懲戒請求者及び「女性スペースを守る会」との間で議論が戦わされている最中であったから、表現の自由の保障に照らしても、これを直ちに弁護士の品位を失うべき非行であると認めることができない。 (以上は、懲戒委員会委員会議決書6ページ)
「女性スペースを守る会はヘイト団体です」との投稿は、トランスジェンダー擁護の立場から、対象弁護士が「女性スペースを守る会」によるトランスジェンダー差別が許されないものであるという批判的な意見ないし論評を表明したものと解することができる。
「「ヘイト団体」との表現が、直ちに「女性スペースを守る会」の反論を一方的に封じ、その人格自体を否定するものと見ることができない」(以上は、懲戒委員会委員会議決書7ページ)
また、対象弁護士は、本件投稿2をした翌日ないし翌々日には自ら上記改変ロゴを削除したから、仮に著作権法違反の点があったとしても、その期間が短時間に留まったことを考慮することが相当である。
(以上は、懲戒委員会委員会議決書8ページ)
第4 本件懲戒請求後の経過
1 本件の争点は、対象弁護士がした行為が「弁護士の品位を失うべき非行にあたるかどうか」であり、対象弁護士の主張が正しいか、女性スペースを守る会の主張が正しいか、ではない。
対象弁護士の主張である言わば性自認主義は、あるいは神奈川県弁護士会や日本弁護士連合会の主張と近く、女性スペースを守る会の主張はこれに反するかもしれないが、論点はあくまで「弁護士の品位を失うべき非行にあたるか」の1点である。
2 さて、本件弁護士の言論について「品位を失うべき非行にあたるか」の判断にあたっては、それぞれの行為内容や態様以外に下記が重要な参考となろう。
その1には、2021年9月の対象弁護士の行為の後の対象弁護士の言動、その2には、女性スペースを守る会にその後どのような攻撃がされているか、その3には、そもそも「ヘイト団体」などと言われても致し方ない言動をしているかである。いずもが有効な判断材料ともなるだろう。
上記のその1の趣旨は、対象弁護士が本件行為を反省しているのか否かを示すものであって、その姿勢が変わらず類似のことを繰り返しているのであれば反省がないことを示す。対象弁護士がそのような発言をやめない場合は、それを他の者も見倣って発言、攻撃してくるものであろうからである。
その2の趣旨は、女性スぺースを守る会への批判につき、対象弁護士の本件各行為の影響力と、それを懲戒問題として放置して良いかどうかを問うものであって、本件各行為が弁護士の品位を害している程度を評価するための参考資料とできるからである。
その3の趣旨は、女性スぺースを守る会が、甲43の1、2の判決文で示される在特会などと同様に、そもそも「ヘイト団体」などと言われても致し方ない言動をしているのかである。対象弁護士の本件行為である「ヘイト団体だ」とのツイート、「トランスヘイト絶対●●マン」と宣言して良いという外ない団体なのかどうか、である。
ヘイトスピーチにかかる判決例では、いわゆる在特会についての事実認定、対象者の行状などがまず確認されている(甲43の1、2)。それらが認められないならば、単にレッテル付けをして、女性スペースを守る会の言動の影響力を阻害しようとするものに外ならず、すなわち悪質な人身攻撃であるということとなるからである。それは弁護士の品位を害しているかどうか、その程度を示す前提事実として確認すべき事柄であろう。
そこでこの点につき、経過を追って述べる。
3 本件懲戒請求後の、対象弁護士、女性スぺースを守る会、周辺の動きについて。年月日を追って説明する。
まず、女性スペースを守る会は、この後も性自認の法制化の問題点について、さまざまな研究や情報提供、意見発表を重ねており、それは2023年9月の今日まで123個までの分量に上っている(甲35)。
2021年10月、女性スぺースを守る会は、10月31日実施の衆議院議員選挙に際して、性自認の法令化について各政党や候補者に対してアンケートをとりこれを公表した(甲35の18頁)。
2021年10月、対象弁護士は、女性スペースを守る会事務局である本件懲戒請求者に対して、そのツイート記載が自らの名誉を毀損するとして訴訟を提起した(甲48の1)。
2021年10月18日、一市民が懲戒請求者弁護士のツイートが「差別扇動」にあたるなどとした懲戒請求をしてきた。これは2022年1月12日、綱紀委員会で棄却され2月1日付で通知された(甲47の8頁、6頁、そのまま確定)。
2021年10月26日、本件懲戒対象者が、懲戒請求者弁護士につき、故なき懲戒請求を申し立てた。これにつき綱紀委員会は棄却し、その通知が2022年6月2日付けで届いた(甲47の7頁、6頁、そのまま確定)。
2021年11月、女性スペースを守る会は、賛同者から寄せられたメッセージのうち、性的少数者からのものを集約して冊子とし、これを国会議員ら各所に配布した(甲38)。
2021年11月25日、女性スペースを守る会らは、初めての記者会見を開催し、また声明を出した(甲35の18頁上段)。
2022年初め、女性スぺースを守る会は、大規模小売店舗経営会社、メディア、トイレメーカー、国立大学、鉄道会社及び出版社らに、女子トイレの確保と安心安全についての資料を送付するなどした(甲35の16頁)。
2022年3月、女性スぺースを守る会は、全国の自治体あてに、2021年12月1日施行の労働安全衛生規則等の改正が、公的な建物内、公衆便所や大規模小売店舗等の不特定多数が使うトイレにおいても、独立個室型のトイレで足りるとの設計を助長し、更には男女共用型のトイレで足りるとする傾向を成立・加速させる可能性があるので、事業所トイレにおける大原則である「男性用と女性用に区別して設けること」を今後とも崩さず、女性トイレはすべからく維持し、また女性の安心安全という権利法益を守るべく諸方策をとるよう国に意見書を提出されるべく、陳情した(甲35の15頁上段)。
2022年4月の初出、2023年2月の修正更新による「性自認の法令化に関するQ&A」を女性スぺースを守る会は作成発行し、国会議員ら各所に配布した(甲36)。
2022年4月以降、女性スぺースを守る会は、埼玉県自民党県連の「性の多様性に係る理解増進に関する条例(仮称)骨子案」につきパプリックコメントを提出するなどした(甲35の15頁)。
2022年4月、女性スぺースを守る会は、小冊子「女性スぺースの安心安全を」を作成し、国会議員らを初め、各所に配布した(甲35の15頁、中段)。
2022年4月4日、それまでの国政政党各党への要請活動を踏まえ、自由民主党の「性的マイノリティに関する特命委員会」に女性スぺースを守る会は招かれ、ヒヤリングを受けた。その際は、バイセクシャル、性同一性障害者そして性犯罪被害者を長年支援してきた方々とともに受けることができた。同議員らは、それまで各種専門家のほか、運動団体として半ば専従である人の話ばかり聞いてきたが、ここで初めて生の市井に生きる性的少数者の話を聞いたのである。
2022年4月5日初出にて、女性スペースを守る会は、女性スペースの安心安全を考える前提として、自ら、報道されている女装者の女子トイレ等における事件などを整理して「女装者による事件リスト」を作成、発表した。
2022年4月18日初出にて、40年間近く強姦被害者の支援をしてきた方らで成立した「平等社会実現の会」が、女性スぺースを守る会の趣意書に賛同された(甲37の1)。
2022年4月21日初出にて、身体違和がきついこと等を本質とする性別不合当事者の団体にあって、「性自認は女性だから女性だ」というトランスジェンダリズムに反対し、いち早く懸念を示した「女性スペースを守る会」を尊敬しその趣意書(甲8)に賛同し、協力して共に歩むとした(甲37の2)。
2022年5月17日、国会議員会館内で、自由民主党所属の国会議員及びマスメディアを対象とする院内集会・記者会見を実施した。4月4日の出席者らが説明した。
2022年6月28日、対象弁護士が懲戒請求者を被告として、2021年10月9日のそのツイートにつき名誉毀損だとして提起した訴訟につき、東京地裁は懲戒請求者の請求をすべて棄却した。この裁判は控訴されたが、控訴審は2022年11月1日、原判決を維持した(甲48の1.2)。
2022年7月13日、東京大学教授安冨歩氏が、同月8日安倍前首相が統一教会の問題の関係で銃殺されたことから統一教会につき大きな社会的関心があった中で、女性スペースを守る会やその事務局である本件懲戒請求者弁護士滝本太郎が、統一協会からみだ、闇の勢力だと言うがごとき発言をした。これについては、撤回しないことから止むなく東京地方裁判所に名誉毀損に基づく損害賠償等請求訴訟を提起した。この被告代理人には、本件対象弁護士が就いた(甲41)。
2022年7月19日受付で、一市民が懲戒請求者弁護士に対し、「性自認の法令化」に関連して故なき懲戒請求をしてきた。これについては、2023年1月11日綱紀委員会が棄却し、2月16日通知があった。これにつき同年3月、日弁連あて異議申し立てがあり、日弁連綱紀委員会は5月22日に棄却したと同月29日通知された(甲47の5頁、3頁)。
2022年8月13日、インターネット上の会議システム「ズーム」を使い、多数の人が集う公開討論会を実施した(甲35の12頁)。
2022年9月14日~10月4日 懲戒請求者は対象弁護士からツイッター上、ブロックといってその記載が読めない状態とされてしまっているたが確認したところ、対象弁護士は、女性スペースを守る会について、「ヘイト団体」「在特会と同じ」「ファシスト団体」といった表現を、少なくとも下記のとおり重ねている。
なお、対象弁護士は下記の通り記載するだけで、何をもって差別とするのかを内容を記載することもなく、裏付け、理由なども示していない(甲26の22頁)
2022年11月12日、Transgender Japanと言う団体が、東京都新宿区内で実施の「東京トランスマーチ」において、参加者が「Fuck The TERF」というプラカードを掲示したが、同月13日「全く問題ありません」としバッジ「Fuck TerFs」を示して容認と推奨した。対象弁護士はこの集まりに参加していたと聞知する。
女性スぺースを守る会は2022年11月20日、このことにつき、深刻な恐怖感を表明しつつ、満身からの怒りをこめて抗議した(甲35の10頁中段の記事)。
2023年1月31日、一市民が本件懲戒請求者弁護士を対象として、さらに懲戒を申し立てた。これは2023年7月4日付で綱紀委員会が棄却し、8月4日通知された(甲47の4頁、2頁)
2023年2月2日、Transgender Japanに対し、その2022年11月12日の集まりを後援した新宿区は、「表現に配慮するように」と通知した(甲35の10頁中段の記事)。
2023年3月30日、先に記載の安冨歩氏を被告とする名誉毀損行為につき、本件懲戒請求者弁護士への金30万円の支払いが命じられ、これが確定した(甲41)。
2023年4月5日、女性スペースを守る会は、性同一性障害者ら性的少数者、性犯罪被害の支援者らとともに、いわゆるLGBT理解増進法について、性自認の法令化は危ういとして、厚生労働省記者クラブで記者会見をした(甲39)。
2023年5月1日、女性スペースを守る会は、性同一性障害者ら性的少数者、性犯罪被害の支援者らとともに、いわゆるLGBT理解増進法について、性自認の法令化は危ういとして、日本記者クラブで記者会見をした(甲28)。
2023年5月7日、極めて多数の識者らが、性自認の法令化について、女性スペースを守る会と同様の懸念を示す声明を明らかにした(甲29、30)。
2023年6月4日、女性スぺ―スを守る会は、仲岡しゅん弁護士への脅迫事件につき、「仲岡弁護士への殺人脅迫に抗議し、徹底した捜査を求める声明」を発し、大阪府警察本部に送付した(甲44)。
2023年6月10日、女性スぺースを守る会の事務局弁護士の法律事務所あてに「ゴキ本太郎とかいうゴキブリ弁護士をメッタ刺しにします。失敗したら事務所にガスボンベを使用した簡易爆弾で事務所の人達を殺します。仲岡弁護士よりゴキ本の方が死ぬべきだと理解しました。歩くヘイトに誅伐を。」という悪質な脅迫が届いた(甲46)。
2023年6月15日、参議院の内閣委員会でのLGBT理解増進法の審議にあたり、女性スペースを守る会から、弁護士滝本太郎が参考人として自民党議員からの質問に対して答えた(甲33)。
2023年6月16日、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が成立した。
2023年6月18日、女性スペースを守る会外の団体及び識者が、LGBT理解増進法につき様々な修正が加えられたうえで成立したことにつき、評価する声明を出した(甲30)。
2023年6月21日、「すべての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性を守る議員連盟」が成立し、以後女性スぺースを守る会が継続して出席し、様々な報告をするなどしている(甲34)。
2023年7月10日、既に法的性別を変更した方々を含む性同一性障害者特例法を守る会が成立した。同会は、性自認至上主義「セルフID」に反対し、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の手術要件を外すことに強く反対し、「真の理解増進」を目指すとし女性スペースを守る会と同様に女性と子どもの安心安全を確保することも目的としている(甲37の3)。
2023年8月10日、女性スペースを守る会を含む8団体と有志で成立した「女性スぺースを守る諸団体と有志の連絡会」が、法的性別の変更に関わる手術要件につき、厚生労働省で記者会見をした(甲28)。
2023年9月14日、女性スペースを求める会は、白百合の会と共に、同月9日の滑川友理水戸市議らへの暴力行為について「徹底した捜査を求める―女性であることに起因する暴力の根絶・言論の自由を―」を発し、茨城県警察本部に送付した(甲45)。
4 上記3に記載の経過を、上記2記載のその1の観点から述べる。
その1である対象弁護士の姿勢については、まったく反省しておらず、増長さえもしているばかりであることが明らかである。特に、懲戒請求者に対する故なき訴訟提起(甲48の1.2)は、弁護士であることを利用して何らの連絡も通知もないままにいきなり提訴してきたものであって、それ自体が異常である。懲戒請求者が弁護士であるから対応できたが、一般には容易に対応できないものであった。故なき訴訟までして、自らへの懲戒請求を抑制しようとしたと言う外はない。
また、対象弁護士にあっては、本件懲戒請求の後、懲戒請求者を対象弁護士とする懲戒請求をしてきたものであった(甲47)。それは故なきものとして綱紀委員会で棄却され確定している。
対象弁護士は更に、把握できた限りの2022年9月14日~10月4日まで示されるツイート記載では、女性スペースを守る会につき、「在特会と同じ」「ファシスト団体」「差別扇動団体」「ヘイト団体です。毎日一度はつぶやこうと思う」などとしつこく記載している。
もとより、その内容として、他の人も言っているとか、趣意書自体でトランス女性を排除しているというような趣旨を推察できるだけで敷衍して述べることもせず、また「議論もしない」ともツイートしている。
どこをどう捉えてみても、これは女性スぺースを守る会に対する低劣至極なレッテル付けであって、その社会的信用を害して、その主張を他の者が傾聴することをしにくくさせるための戦術である。弁護士がないものとして、下劣至極であり、本件非違行為とあいまってますます弁護士の品位を害しているという外はない。
この点について、本件懲戒請求者は、やむなく別途の懲戒請求をした。
神奈川県弁護士会綱紀委員会は、2023年8月9日、「対象弁護士が行った、「ヘイト団体」「差別扇動団体」という表現は女性スペースを守る会の社会的評価を下げるものであることは否定できず、「ヘイト団体」という言葉を使わないと、基本的人権の擁護や社会的正義の実現という弁護士の使命が全うできなくなるということも考えにくいとしつつも、
本件での神奈川県弁護士会懲戒委員会の議決が「直ちに守る会の反論を一方的に封じ、その人格自体を否定するものと認めることができない」「国民からの信用を失わせる程度に至っていない」として懲戒相当ではないと判断したことから、これを棄却している(甲26の1.2)。
対象弁護士はなんら反省ないままかかる行為を繰り返しているのであって、本件原議決のままであれば更に増長していくことは明白であろう。
5 上記3に記載の経過を、上記2記載のその2の観点から述べる。
その2は、女性スぺースを守る会への批判につき、対象弁護士の本件各行為の影響力と、それを弁護士会、日本弁護士連合会が放置して良いかどうかを問うものである。本件各行為が弁護士の品位を害している程度を評価するための参考資料とできる。
この点では、対象弁護士の本件各行為である2021年9月27日及び10月17日の直後である10月18日付で、本件懲戒請求者弁護士を対象弁護士とする懲戒が申し立てられたことが注目される(甲47、8頁)。その内容は性自認の法令化についての消極的な見解、女性スぺースについてトランス女性の利用公認をすることに反対するというツイート記載が「偏見助長」「差別扇動」にあたるというものであり、本件対象弁護士と類似する。これは、対象弁護士が女性スペースを守る会や本件懲戒請求者弁護士について「ヘイト団体」「トランスヘイト絶対●●マン」としたツイートをしたことの影響であろう。本件対象弁護士がこれらツイートをし、削除せず、問題がないとうそぶいていることから、このような一市民からの無用な懲戒請求がされたと見る外はない。
この懲戒請求は、綱紀委員会の2022年1月12日議決で「その内容、表現方法のいずれにおいても、問題提起の一つと捉えられ、トランス女性への差別や偏見を助長する差別言説であると認めることはできない」という判断により棄却され、これが確定している。
この当たり前の結論として棄却されるような懲戒請求が、本件対象弁護士の本件各行為の影響により係属してしまったのである。
その他、本件各行為が弁護士の品位を害するものとして、確定していないことから、女性スペースを守る会や請求者弁護士に対する「ヘイト団体だ」「差別扇動だ」といったツイート記載は、未だ時に見られるものである。これに対しては上記の神奈川県弁護士会綱紀委員会の2022年1月12日議決の内容などを説明するが、なにせ対象弁護士が先に掲げた通りの言動を続けてきたこともあり、容易にやまないところである。
かくも対象弁護士の本件各行為の悪影響は大きく、この問題について国の方針を過たないための、民主主義の前提である「思想と情報の自由な広場」の構築が阻害されているのである。
対象弁護士の本件行為がなければ、又は本件行為の非違行為性が明確になってこそ、それが実現に近づくのである。
6 上記3に記載の経過を、上記2記載のその3の観点から述べる。
その3は、女性スぺースを守る会が、甲43の1、2の判決文で示される在特会などと同様に、そもそも「ヘイト団体」などと言われても致し方ない言動をしているのかである。
この点は、上記3に記載したとおり(それは一部に過ぎないが)、同会は実に様々な研究、発表、発行、ロビイングなどの活動を真摯に行ってきており、そこに差別扇動団体、ヘイト団体と言われる筋合いは一切ないという外はない。
同会の活動の中身は実に多岐にわたる。それはインターネット上のサイトであるnoteに報告した案件だけでも2023年9月から今日まで、実に123個までの分量に上っている(甲35)。
特に、2022年4月から正式に始まった政権与党である自由民主党との折衝では、同年6月のいわゆる「骨太の方針」の表現に影響を与えた(甲35号証、14頁、10頁中段)。
また同年11月までには、法務省のサイトで紹介されていた人権教育啓発推進センターのパンフレットにおいて、従来のレズビアンの定義を「女性の同性愛者(心の性が女性で恋愛対象も女性)」とされていたものから、「女性の同性愛者」と変更されるに至った。性自認を同性愛の定義にからめてしまうと、性愛の形が通例の異性愛と同じであって妊娠することもあり得るのに「レズビアン」とするという珍妙なこととなる。この当たり前ではあるが重要な記載に変更できたのである。
2023年2月以降の、いわゆる理解増進法の制定に関しては、女性スペースを守る会は、他の団体の方々と議論を重ね、性自認の法令化に反対してきた。しかし、諸般の事情から成立させるしかないことが避けがたい情勢となったことから、自由民主党、国民民主党、日本維新の会と更に直接面談する、これに公明党を加えた4党の全国会議員にファックスで要請する、あるいは全国会議員にファックスで要請するなどし、修正のための相応の影響を与えてきた(甲35の2頁)。もとよりそれ以前から時にQ&Aを配布する(甲36)など資料を郵送するなどしてきた。
そして、2023年6月15日には参議院内閣委員会に女性スペースを守る会の事務局が招聘されて参考人として述べた(甲33)。この2年間の世界の情勢の変化を見極め、女性らの安心安全、子どもの健全な発達を企図した様々な修正を図った4党合意案が、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」として、6月16日可決・成立し、その23日に施行された。
この間、その他の野党(いわゆる左派野党)にあっては、正式な面談はできないままできた。女性スペースを守る会は要請し続けていたが、それらの党は面談しての話を聞こうとしないままであった。
左派野党にあって、上記法律案の参議院内閣委員会等での審議、参考人質疑において、この2年間余りの世界の情勢の変化については言及しない、できなかったのは、このことも影響していよう。
自民党、維新などが、この2年間余りの性自認の法制化が進行した国々で起こってきた混乱、先行してきたイギリスでは正常化に舵を切ったこと、国際水泳連盟が2022年6月、世界陸連が2023年3月に、男性としての思春期を幾分でも経験したものは女子選手権に参加できないとしたこと等を国会審議その他で述べて来たにかかわらず、である。
左派野党が、女性スペースを守る会などと正式に面談することがないままで来てしまったのは、対象弁護士らにあって「差別扇動団体」「ヘイト団体」なるレッテル付けをしておりそのように見られてしまっていたことが原因と思われる。左派野党らは、幅広く様々な人からの意見を聞き、様々な情報を手に入れることができず、国会審議では失礼ながらこの2年間の先行した国々での状況を踏まえた議論ができない、しないということとなってしまったのである。
対象弁護士がしたような、意見の異なる者に対するレッテル付け、先入観を第三者に持たせて自己の意見のみを伝えようとする行為は、意見の異なる者にとって不利になるだけでなく、思想と情報の自由な市場が阻害され、このように国政にまで悪影響を与えてしまうことがあるのである。
そもそも、女子スペースを守る会が「ヘイト団体」や「差別扇動団体」であったならば、その賛同者の中に多くの性的少数者がいるはずもなく、性同一性障害者らを含む性的少数者らの団体とともに活動できる筈もない。賛同者にあっては、甲第38号証「賛同者のうち性的少数者からの声」にあるように、多くのレズビアンを含め、40%近くが性的少数者である(甲38)。そして、共に活動してきた白百合の会は、バイセクシャルなどの性的少数者の方の集まり、更に性別不合当事者の会や、性同一性障害者特例法を守る会の方々は、トランスジェンダーの内のきつい身体違和を持つ性同一性障害の方々の集まりである。
以上からして、女性スペースを守る会は、それこそ真摯な女性らを中心とする集まりであって、慣れないながら、試行錯誤しながら活動を続け、社会と国政に一定の影響力を与えてきた市民団体であり、その目的も行動も女性スぺースの安心安全を初めとする女性の権利法益を守ろうとするのみであり、どこをどう捉えても、「ヘイト団体」や「差別扇動団体」ではない。女性スペースを守る会は、決して、甲43の1、2の判決文で示される在特会などと同様の、そもそも「ヘイト団体」などと言われても致し方ない言動など一切していない。
7 よって、対象弁護士の本件行為は、その1に示される対象弁護士の反省のなさ、その2に示されるその行為の悪影響、その3に示される女性スペースを守る会の真摯な姿勢に基づくさまざまな活動からして、これに反対する見解を持つ者にあって、同会の言動の影響力を阻害しようとする悪質なレッテル付け、人身攻撃であるというほかはない。
これが弁護士の品位を害していない訳がない。
第5 原議決の過ちは明らかである。
1 しかるに、神奈川県弁護士会懲戒委員会は、「対象弁護士を懲戒しないことを相当と認める」と議決した。いったいどうした事であろうか。
2 上記第3に整理したところの順に指摘していく
原議決は
「しかし、「絶対殺すマン」と言う表現自体は漫画で使用されたもので、「特定の物事を必ずやり遂げる人物」という意味で用いられたものである(乙30)から、この「殺す」と言う表現が、直ちに人の生命を失わせる身体への加害行為である殺害の意味であると認めることができない」とする(原議決書5ページ)。
しかし、漫画云々なぞの真否は懲戒請求者さえも知らないことである。もとより決して公知の事実ではないし、ツイートを読む者が調べに調べるものでない。重要なのは、誰しも「絶対●●マン」の●●とは何なのかと想像し、それが「殺す」と分った時の恐怖である。
「殺す」と言う表現が、直ちに人の生命を失わせる身体への加害行為である殺害の意味であると認めることができないなどと、どうして解することができるのだろうか。何とか主義なり考え方をなくそうという場合には、「殺す」ではなく「その見解は絶対に許せない、認めない、自己矛盾している」といった表現や文脈で述べるものであり、「その見解を殺す」とは決して言わない。しごく当たり前のことを原懲戒委員会は理解しないのであろうか。
3 原議決は、
「「●●マン」の部分だけで、対象弁護士の過去の投稿である「ネトウヨ絶対殺すマン」とともにツイッター上で強調され煽られた、独り歩きした面もあること(甲2.6)などから、本件投稿1が一般的に人の恐怖心を生じさせるものであると認めることができない」とする(原議決書6ページ)。
しかし、「ツイッター上で強調され煽られた、独り歩きした面もある」なぞ、実に誤った判断である。対象弁護士は、あえて●●とし、そこになにか入るかを思わせぶりにしたものであるという外はない。併せて、直接「殺す」と書くと逃げ口上をつくことができないから、●●として責任逃れを後にできるようにしたという外はない。●●が「殺す」だと判明すれば、あまりに衝撃的な言葉であるから、ツイッター上で驚かれ、ひろくリツイートなどされて知られていくことは明白である。独り歩きなどしておらず、あえて独り歩きしたと言うならば、それこそが自分の発言を広く知らしめるために、対象弁護士が望んでいたことであるという外はない。
あげくに、原議決は「本件投稿1が一般的に人の恐怖心を生じさせるものであること認めることができない」なる判断をしたが、いったい神奈川県弁護士会懲戒委員会は何を考えているのだろうか。この議決書とて広く知られていくものであり、同弁護士会の市民からの信頼性が試される試金石ともなる。弁護士である対象弁護士が、殺害行為をするとはたしかに考えまい。しかし、その言説に使嗾されてしまった者が、女性スペースを守る会の関係者に、暴行、傷害あるいは殺人といった行為をする危険性がある。
その恐怖が現実にあるからこそ、甲1のとおり多くの人からの要請を受けて、懲戒請求者は本件懲戒請求をした。実際、ツイート上では危険性の害悪の告知がしばしばされてきたのであり、これを対象弁護士はさらに推奨してしまう行為をしたのである。それも反省せずに削除しないままという姿勢をとることによって、勢いづけているのである。
だからこそ、前記の通り、これに影響されたと思える他の故なき懲戒請求が、懲戒請求弁護士に対してなされたのであろうし(甲47)、この性自認の問題につき疑義を呈するものには何を言ってもよいという雰囲気を醸成させ、安冨歩東大教授が統一教会絡みだ、闇の勢力だなどとインターネット動画放送で安易に話したのであろう(甲41)。前記のとおりの理解増進法につき大激論が続いていた2023年6月10日には、懲戒請求者あてに「メッタ刺しします」「簡易爆弾で事務所の人達を殺します。」なる脅迫が届いたのであろう。
神奈川県弁護士会懲戒委員会にあって、「一般的に人の恐怖心を生じさせるものであること認めることができない」なる判断をするなぞ、いったい何が起こったのであろうか。
4 原議決は、
「本件投稿1により弁護士への不信を感じたとする趣旨の書き込みが多数寄せられたとしても、それが社会全体の多数であるかどうかは判然としないし、仮にそれが社会全体の多数であったとしても、弁護士の社会的使命である基本的人権の擁護に照らし、弁護士が少数者の基本的人権を擁護するためにしたとされる行為を直ちに弁護士の品位を欠くべき非行であると認めることができない。」という(原議決6ページ)。
いったい、本件を「弁護士が少数者の基本的人権を擁護するためにした」と判断する裏付けはどこにあるのか。対象弁護士の主観においてそうであったとしても、それが民事、刑事、そして弁護士倫理上問題があるのかどうかが論点なのであり、「少数者の他にした行為は不問に付す」という倫理基準はない筈である。
そして重要なことには、もっとも大きな論点である「トランス女性の不特定多数のトイレ利用を公認して良いか」については、この2023年7月11日のいわゆる経産省トイレ裁判の最高裁判決内容を一読すれば直ちにわかるように、このことはまだ決して認められていないのである。トイレは労働安全衛生規則等の趣旨からも男女で分けるのが原則であり、その男女とは生得的なもので考えるのが公知の事実であろう。対象弁護士らは、それを変更しようとする見解なのだから、いわばその主張・立証責任があるというべきところである。
忘れてはならないのは、原議決では「少数者」などと記載されているが、社会正義を実現すべき弁護士たる者の使命は、社会的弱者の権利法益の確保であって、人数の多寡ではない。大資本家も大金持ちも人数が少ないが、社会的弱者ではなく、守られるべきは労働力しか売るものがない労働者、貧困者層であって、人数としては多数である。その力関係こそに注目すべき事柄である。
女子トイレで、より劣位な関係にあるのは、明白に生得的女性である。トランス女性は身体としては男性であるから、身長、体格、筋肉ともに一般に女性より優位である。そして性犯罪は陰茎などある身体が男性の、女性に対する犯罪が圧倒的である。陰茎を持つトランス女性に生得的女性は恐怖を持つことがあっても、生得的女性にトランス女性が恐怖を持つことはまずない。
このことは、「トランス男性の男子トイレ利用が公認されるべきか」なぞが論点にならないことと比較しても、よく分かる事柄である。男性は、身体が女性のトランス男性が男子トイレに入ってきても、違和感を持ちこそすれ恐怖感を持つことはない。だからこの場合は、いわばどうでも良い事柄であり、論点にはならないのである。
よって、原議決が「弁護士が少数者の基本的人権を擁護するためにした」というは、客観的には過ちであるという外はない。
対象弁護士は、論点の女子トイレではトランス女性に比較して生得的女性こそが劣位であるのに、スペースを守る会に対して「トランスヘイト絶対●●マン」「ヘイト団体」とツイートし、これを削除しないままなのである。原議決は、対象弁護士や代理人の主張に引きずられ、この女性スぺース内での具体的な状況を看過して「弁護士が少数者の基本的人権を擁護するために」、対象弁護士は「トランスヘイト絶対●●マン」「ヘイト団体」とツイートしたのだから良いではないか、と判断したとも思われ、不当極まりない。
原議決は、この点でも取り消しを免れない。
5 原議決は、
「本件投稿1は、トランスジェンダー女性の性自認と言う繊細な問題を取り扱ったものであり、本件投稿1がされた時期は、この問題につき、対象弁護士らと懲戒請求者及び「女性スペースを守る会」との間で議論が戦わされている最中であったから、表現の自由の保障に照らしても、これを直ちに弁護士の品位を失うべき非行であると認めることができない。」という(原議決6ページ)。
上記は、論理性をまったく欠いている。「繊細な問題」であればあるほどに繊細な書き方をしなければならない筈である。それすなわち、「トランスヘイト絶対●●マン」なぞと脅迫的かつ乱雑な記載をすれば、弁護士としての品位を欠くいうこととなる。
「議論が戦わされている最中であった」からといって、弁護士が「殺す趣旨」での●●を使い「トランスヘイト絶対●●マン」と記載して良いのであろうか。女性スペースを守る会などの女性らも、懲戒請求者弁護士にあっても品位にかけないように、また少しでも相手方又それを読む方に理解してもらえるよう丁寧な議論を投げかけてきたところである。
これに対して、対象弁護士らは「議論しないことを旨とする」としていること前記12ページにある11番のツイートのとおりであって、そもそも中身の議論をしようとしない姿勢なのである。対象弁護士らの「議論」というのは「ヘイト団体だ」「差別主義者だ」「差別扇動だ」などと言うばかりの罵倒ないしレッテル付けを続けているに過ぎないものであった。
それにもかかわらず、原議決は「議論が闘わされている最中であった」などと表現し「表現の自由の保障に照らしても、これを直ちに弁護士の品位を失うべき非行であると認めることができない」とつなげている。失当至極である。いったい議論が闘わされている場面では「表現の自由の保障に照らして」「殺す」という単語が入る「絶対●●マン」なる記載し、根拠と裏付けなく「ヘイト団体だ」とし、更には「在特会と同じだ」「ファシストだ」などと弁護士たるものが記載して良いというのであろう。弁護士とはその程度の品位しかない者で良いのか。
「直ちに弁護士の品位を失うべき非行であると認めることができない」として仮に迷うのであったとしても、「やはり弁護士の品位を失うべき非行である」と帰結する外はない。それが弁護士法の趣旨であろう。
6 原議決は、
「女性スペースを守る会はヘイト団体です」との投稿は、トランスジェンダー擁護の立場から、対象弁護士が「女性スペースを守る会」によるトランスジェンダー差別が許されないものであるという批判的な意見ないし論評を表明したものと解することができる。」という。(原議決書7ページ)
原議決は、論評だったらなんだと言うのであろうか。そもそも「ヘイト団体」なる表現は、在特会に関する判例のように(乙43の1.2)、しっかりとした事実認定の上でこそなしえるものであって、そもそも論評ではないが、論評だとしても前提としての事実認定が何らなされていない。
言うまでもなく、女性スペースを守る会は、在特会などとまったく異なり、女性スペースの安心安全等を図るという生存権に基づいた権利法益を守るためにこそ、問題提起や議論をしている。2023年7月11日の経産省トイレ裁判についての最高裁判決の最後の補足意見には、不特定人の不特定多数のための女子トイレ利用については別の考察が必要であり、決して敷衍してはならないことが示されているところ、その趣旨での問題提起・議論にもなっている。
まして、本件は、「殺す趣旨」での●●を使い「トランスヘイト絶対●●マン」の後、間もなくの「女性スペースを守る会はヘイト団体です」という文章であり、かつそのロゴを冒用した著作権を侵害しつつの記載である。
これが「弁護士の品位を失うべき非行」に該当しないことなぞあり得ようがない。
7 原議決は、
「「ヘイト団体」との表現が、直ちに「女性スペースを守る会」の反論を一方的に封じ、その人格自体を否定するものと見ることができない」という(原議決書7ページ)
原議決は、反論が全面的に封じられていなければ構わないというのであろうか、反論が相応に可能ならば人格自体が否定されたということとならない、というのであろうか。市井の人らにとっては、弁護士それもヘイトスピート問題につき権威あるものとされている弁護士が、こう書いている場合には「そうなのかな」と思ってしまうこと、そして反論ある者も極めて書きにくくなることを考えないのだろうか。
定立した判断基準自体が恣意的に過ぎる。具体的には、本件対象弁護士が、「ヘイト団体」などと何度となく称呼しなければ、女性スペースを守る会の具体的な疑義、発言を聴く人もより増えようことは明らかであるところ、それを対象弁護士が「ヘイト団体だ」と発言し続けることにより妨害しているのである。
もとより「差別主義者」「差別団体」「ヘイト団体」なる言葉を他者に対して安易に使うは違法であり、まして女性スぺ―スをその生存権のために守ろうとすることのどこがどう差別であるのか説明をしようともせず(できもせず)同様またはそれ以上の、在特会と同じだ、ファシスト団体だなどと、対象弁護士はツイートし続けているのである。
「ヘイト団体」との表現は、対象弁護士が「女性スペースを守る会」の人格自体を否定することにより、その発言の影響力を相応に封じるためにこそ使われているのであり、根拠のないレッテル付け、人格攻撃であって悪質である。
8 原議決は
「対象弁護士は、本件投稿2をした翌日ないし翌々日には自ら上記改変ロゴを削除したから、仮に著作権法違反の点があったとしても、その期間が短時間に留まったことを考慮することが相当である。」という(原議決書8ページ)
しかし、著作権法違反は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し又はこれを併科される重罪である。しかも、対象弁護士は、推定的承諾や社会的相当性があるような使い方ではなく、ロゴの著作権をこともあろうにその著作権を持つ女性スペースを守る会の非難、レッテル付けのために使用したのである。自ら作成したものでないのであれば他者作成のものを利用しやはり著作権を侵害したのである。たとえ数日後に削除したからとて、「弁護士の品位を失うべき非行」の問題が無くなる筈がない。
9 以上から、原議決は取り消し、対象弁護士については懲戒処分が科せられるべきものである。
第6 対象弁護士につき、相応に重く懲戒することの意義
1 懲戒請求者は、本件の第1投稿につき、その直後に対象弁護士にあてて下記のとおり、急ぎツイートしている。
滝本太郎 @takitaro2
まさか、●●が、あれだとは知らなかったです。先ほど知った。
ほんとまずい、神原さん。考えられたし。謝罪しつつ削除すべき。
しっかりと女性の権利・法益も考察しつつ議論します、と言うべし。
まずいです、ほんと。
しかるに、なんと、対象弁護士は丸2年になんなんとする今日も、これを削除していない。
いったい、神奈川県弁護士会懲戒委員会は、一般社会において、これが許されると考えているのだろうか。それとも、一般には許されないけれども、「常に、深い教養の保持と高い品性の陶冶に努め、法令及び法律事務に精通しなければならない(弁護士法第2条)」「名誉を重んじ、信用を維持するとともに、廉潔を保持し、常に品位を高めるように努める(弁護士職務基本規程、基本倫理第6条)」という弁護士にあっては、許されるとするのであろうか。
対象弁護士には、相応に重い懲戒があってしかるべきである。
2 対象弁護士は、「ヘイト問題」につき著名人であることの重大性
あるいは、原議決は、対象弁護士が在日韓国・朝鮮人らの人権擁護わけてもヘイトスピーチ問題につき精力的に活動し、その労苦により輝かしい成果を収めてきた著名な弁護士であること公知の事実である(甲43の1.2判例の被告の主任代理人でもある)。そこで、ヘイト問題につき何らのミソもつけてはならないと考慮して判断したのだろうか。懲戒委員会段階は36名もの代理人が就きそれらの主張ばかりを聞き、懲戒請者には情報が入らないから何らの主張立証ができない中で、対象弁護士らの牽強付会に過ぎる論法、先入観をいれるレッテル付けに幻惑されてしまったのだろうか。原議決書のあまりの牽強付会、論理的でないこと、その乱雑さから、結論を先ら決め、それにあわせてたとえ理が合わなかろうと論理が乱雑になろうと記載した議決書だと言う外はなく、失礼ながら心配する。間違っても、そのようなことがあってはならない。
対象弁護士が「ヘイト問題」の面で著名だということは、この問題についての責任も重いことを示す。たとえば本件懲戒請求弁護士はオウム真理教などの「破壊的カルト問題」の対応を長くしてきた立場であるから、特定の団体につき公に表現するとき「破壊的カルト団体」「カルト団体」「カルト的なところのある団体」「議論ある団体」などと気を付けて使い分けている。影響が大きいのだから当然の理である。何かの思想運動をカルト的思想運動と表現したり、カルト団体だと表現するときは、相応の裏付けとまとまった文章を用意して併せて示している。それは弁護士でもあるから、当然の倫理だと心得ているつもりである。
しかるに、対象弁護士は、2021年9月と言う対象弁護士がこの問題について発言し始めた比較的早期から、女性スぺースを守る会につき、本件各行為をしている。
女性スペースを守る会の趣意書その他では、女性トイレには男性器ある人の利用公認はできないとし、排泄は認識ではなく身体からするのだから男性こそがトランス女性を男子トイレから排除するのがおかしい、それこそ排除であり差別だとし、しかし解決のためにトイレ構造のことなどを議論したいとしている。また女性スぺースを守る会は、レズビアンをはじめ多くの性的少数者が入っており、他団体の性同一性障害ある方々との共同行動も早期にとっている。
対象弁護士は、本件非違行為をし、更に「ファシスト」「ヘイト団体だ、毎日つぶやこう」等々と表現し続けている。これが、低劣至極、下品なレッテル付けではないのであろうか。
女性スペースを守る会にあっては、「ヘイト問題」につき著名人であり権威ある対象弁護士から、本件各行為のようなレッテル付けを受けることは、他の者から受けるよりもはるかに影響が甚大である。
対象弁護士には、相応に重い懲戒があってしかるべきである。
3 憎悪、ヘイト・偏見のピラミッド
いわゆる「憎悪のピラミッド」は、今、トランスジェンダーの人に対してではなく、「トランス女性は女性だ」「だから女子トイレの利用を公認せよ」「性別適合手術を経ずして法的な性別変更を認めよ」「性自認で法的性別を変更できる制度に」という考えに対し、疑義を述べる者らを被害者としてこそ、成立しつつある。
すなわち、女性スペースを守りたいとする人、特にその内の生得的女性を被害者として成立しつつある。
女性らは、女子トイレでの不安を述べるが、重きをおかれない。「トランス女性は、身体が男性で排泄は体から出るのに男子トイレで揶揄したりして受け入れられないのがおかしい」と問うが、回答がない。そもそも「トランス女性の定義は」と問うも答えがないか、論者により異なる。例えば「トランス女性には、身体違和がきつい性同一性障害者(≒トランスセクシャル)と、きつくない狭義のトランスシェンダー女性と、性表現つまり衣装や仕草のみがいわゆる女性的な人(トランスヴェスタイト、クロスドレッサー)があるとされるが、その区別がつかないではないか、まして性犯罪を目的として女装する通例の男性との区別もつかないではないか」と問う。しかし、性別移行に応じてそれぞれが利用するのだなどと繰り返すばかりで、この問いにかみ合わせた回答はない。
そして、女子トイレの利用を認めないという言説につき、「差別者だ」「差別扇動だ」「ヘイトだ」と言うばかりである。その生存権に基づき不安がる女性らに対しては差別者との烙印が押され、どこに住み何の仕事をしている誰なのかなど探られツイートされてもきた。それらによる恐怖により発言を控え、アカウントを削除するまでした女性らも多い。疑義を言う女性らへの憎悪の階梯が成立しつつあるのである。
対象弁護士が本件第1投稿をする以前から、これらの事態はあった。
そして、先に述べた通り、2022年11月12日のTransgender Japan主催の東京都宿区内で実施の「東京トランスマーチ」においては、「Fuck The TERF」というプラカードが出た。直訳すれば「トランスジェンダーについて疑義を言う原理的フェミニスト女性は、犯せ」となる。主催者はこれを諫めることはせず、同月13日「全く問題ありません」とし、これを2023年7月20日に至っても反省せず、今後も使用するという姿勢を示している。
対象弁護士の本件各行為の後、疑義を言う女性に対する憎悪の階梯は、組織的にまた1段上がったのである。
女性スぺースを守る会に多く賛同しているレズビアンらにおいて「レズビアンは男性器が嫌い」といった行動などできようもない。性的少数者の一部の言論の自由が、侵害されているのである。対象弁護士が本件各非違行為をしている状況では、女性スペースを守る会は、街頭のチラシ配りも公開での集会も開催することもできない。
先行している諸外国ではレズビアンの中から果敢に街頭宣伝やデモなどする方もいるが、直ちに性自認主義を主張する多くは男性の方々から大声で罵倒され、時に旗を奪われるなどしてきた。「女性にしゃべらせろ」というような女性がメインの集会に対しては妨害工作がある。
理解増進法の修正論議が激しかった2023年6月10日に至っては、本件請求者弁護士の法律事務所に、「メッタ刺しにします。失敗したら事務所にガスボンベを使用した簡易爆弾で事務所の人達を殺します。」なる脅迫メールが届くまでになっている(甲46)。この件は捜査中である。
このようにいわゆる「憎悪のピラミッド」の階梯は、性自認至上主義について疑義を呈する女性らに対してこそ危惧される状態なのである。
本件懲戒請求は、甲1で示されるように、代理人を当職としてのそれぞれの名で直接の懲戒請求としたいが、それができないから当職が懲戒請求者となった。そもそも、疑義を言う女性らにあって「女性スぺースを守る会」などを作り誰かを代表とし事務所所在地などを明らかにすることが極めて危険だから、本件懲戒請求者が防波堤役事務局弁護士となったのであった。
今、日本弁護士連合会が、対象弁護士の本件行為につき「弁護士の品位を失うべき非行」と判断しないならば、対象弁護士は本件各ツイートを削除しないどころか、これからも「ヘイト団体」「在特会と同じ」「絶対●●マン」などといったツイートを量産していくだろう。これまでの姿勢からして明白である。そして、その影響力の大きさから他の類似のする考えの方においても、同様にツイートや発言をしていくだろう。
上記の通りの経緯と活動実績をもつ女性スペースを守る会につき、そのような事態としてしまって良い筈もない。日本弁護士連合会が、性自認の法令化につき疑義を言う女性らに対して、憎悪の階梯をまた一段あげる行為をして良い筈がない。
第7 さいごに
ジェンダーアイデンティティの捉え方については、あるいは対象弁護士の考え方こそが、日本弁護士連合会の考え方に近いやもしれない。
関連して、議論のあり方について2023年に入り記述されている憲法・ジェンダー法研究者の齊藤笑美子氏の論稿「『性自認』問題の論争点と論争のあり方」及び斎藤貴男氏の「リベラルによるリベラル批判」をこそ、読んで欲しい(甲23.24)。
しかし、いずれにせよ本件の論点は考え方の是非ではなく、対象弁護士の本件各行為が、弁護士たるものとして品位を失うべき非行にあたるかどうかである。もとより対象弁護士が在日外国人等の「ヘイトスピーチ」問題について権威と実績がある弁護士であることも関係がない。
弁護士会や日本弁護士連合会は強制加入団体であり、懲戒の自主権を持つ自治団体として、誠実にこれを果たさなければならない。
本件対象弁護士の本件各行為は、明白に弁護士たるものとして品位を失うべき非行にあたると確信し、「対象弁護士を紹介しない」との決定を取り消し、神奈川県弁護士会所属の神原元弁護士を懲戒することを求める。
以 上
⭕️追記 2023年6月23日
6月23日、神奈川県弁護士会から、懲戒委員会の5月17日付議決書に基づき、「神原弁護士を懲戒しない」との通知が届きました。
委員名と、36人の代理人名を削除した通知・議決書のPDFを添付します。
この2021年9月27日午後9時11分の記載は未だあります(https://twitter.com/kambara7/status/1442461784787406856?s=46&t=QvFminq_sr_D7q7m54UeaA)。
懲戒委員会の議決書の内容は、「トランスヘイト絶対●●マン」につき「殺す」趣旨としつつ、「絶対殺すマン」は漫画で使用されたもので、「特定の物事を必ずやり遂げる人物」という意味で用いられたものであるから、「弁護士の決意を示したもの」「一般的に人の恐怖心を生じさせるものであると認めることはできない。」「弁護士が少数者の基本的人権を擁護するためにしたとされる行為を直ちに弁護士の品位を欠くべき非行であると認めることができない」「議論が闘わされている最中であったから、表現の自由の保障に照らしても、これを直ちに弁護士の品位を欠くべき非行であると認めることができない」といったものです。
改変されたロゴととものヘイト団体ですという記載は論評で、間もなくロゴともども削除していることを考慮し、品位を失うべき非行に該当しない、としています。
⭕️2022.9.16
女性を守る言動を差別扇動・ヘイト団体・差別主義者と呼ぶことは名誉毀損になります。ご注意を。
「女性スペースを守る会」などが「性自認」の法令化の問題でしてきた言動について、「差別扇動」「ヘイト団体」「差別主義者」等とすることは名誉毀損に該当することが、明白になりました。これは当然のことですが、このたびの神奈川県弁護士会(綱紀委員会)の判断からもそうなります。民事裁判、刑事裁判でも同様になりましょう。 どなた様もこのような言説は、厳重に慎んでください。以後も記載することは違法性が高いことになります。
どなた様も、トイレをどのようにしていくのが適切なのか、多数が使う更衣室、風呂はどうするのか、女子スポーツをどうするのか、女性枠は、統計は、また女子大学はどうするのかなど、具体的な課題について、建設的な議論を致しましょう。 神奈川県弁護士会(綱紀委員会)の判断とは、これまで下記ノートに記載してきた、2つの懲戒請求に対する判断のことです。
https://note.com/sws_jp/n/na80270f585a3
1つは、上記ノートの②つ目の、一市民からの滝本弁護士の言動についての、2021年綱43号事件の、懲戒請求の棄却した2022.1.12付議決書です。そのデータは以下になります。
2つは、上記ノートの①つ目の判断によります。神原元弁護士を対象としたものです。2021年綱41号懲戒請求事件につき「懲戒相当」とした議決が出たのです。これからの懲戒委員会での懲戒事件としては2022年(懲)第7号となります。9月13日付通知ですが議決書は8月3日付です。
なお、この請求は、当会の防波堤として、多くの方の依頼によって弁護士滝本太郎氏が請求人となりました。
その2021.9.29付け懲戒請求書のデータは以下からご覧になれます。
追加の21.11.7付け請求書のデータは以下からご覧になれます。
★ 一市民からの滝本弁護士の言動についての懲戒請求では、「その内容、表現方法のいずれにおいても、問題提起の一つと捉えられ、トランス女性への差別や偏見を助長する差別言説であると認めることはできない。」と判断されました。そして確定しました。
神原弁護士を対象とした懲戒請求で、綱紀委員会は、殺す趣旨での「トランスヘイト絶対●●マン」につき他に恐怖を与え弁護士職につき信頼を失わせたとする請求が認められたばかりでなく、追加請求事由とした当会のロゴを使って「女性スペースを守る会はヘイト団体です」としたことにつき、名誉毀損を構成するものであり「品位を失うべき非行」に該当する、としています。懲戒理由の要旨からすると「当会のロゴを使って」でなくても名誉毀損になると判断しています。
差別扇動・ヘイト団体・差別主義者と呼ぶことは、名誉毀損に該当します。ご注意を。
ここに至るまでの間、市井の女性を中心に、身バレなどさまざまな嫌がらせがありながらも、この重大な問題につき対応し続けてきた方々に対し、深甚なる感謝を申し上げます。今後「差別主義者だ」などと言えないこととなりました。互いに喜び合いましょう。
神原弁護士への懲戒請求も滝本弁護士に多数に方から依頼書が集まったこと、証拠として賛同者の声などが多く集まり、「議論することで差別だとするなどおかしい」という当たり前のことですが、それを綱紀委員会も理解したからこそ、懲戒相当の議決とされたと感じます。
同弁護士は在日の方へのヘイトスピーチ対応につき努力してきた著名な「正義の人」ですが、人はなぜかはまってしまい過ちを犯すことがある典型だと考えます。神原弁護士や同様の不当な批判してきた論者・弁護士を含め多くの方におかれて、改めてよく考え深く反省し、直ちにこれらの言説を改めて欲しい、建設的な議論をこそしてほしくい存じます。
どうぞ、これからも、しっかりと事実の裏付けと、論理的な思考をもって議論し、国政に反映させましょう。「性自認」の法令化については、キリスト教文化圏の国々であれほど混乱しているのに、周回遅れでについていくなど、愚の骨頂です。
2022.9.16 女性スペースを守る会