マガジンのカバー画像

言語学者だからって外国語が得意なわけじゃない。

34
Thun 湖と牛が大好きな、スイスラボ所属の言語学者による、言語学小咄。 日々の雑感を、言語学に(むりやり)絡めながら綴る予定です。
運営しているクリエイター

#語源

水の咄

みなさん、こんにちは。 Yamayoyamです。 久しぶりにストックホルムに帰ってきて、外食事情がスイスとちょいちょい違うことを思い出しつつあります。 何よりお値段がスイスに比べたら、まとも。 そして、スウェーデンでは基本的にキャッシュレス。現金払いしたいというと、むしろ店員さんがビックリするかも。 そして、お冷事情が違います。 今回は、スウェーデンで思い出した、スイスのレストランでの水事情のうち、ちょっとみみっちいお咄をしたいと思います。 まず衝撃の事実から。 スイス

スウェーデンにて、「Saft」を普通のジュースの事だと思って、少し辛いめに遭った話

みなさんこんにちは。 Yamayoyamです。 今回はスウェーデンの思い出話をしようと思います。 2012年の8月に一念発起してスウェーデンに渡り、ストックホルム大学バルト語学科で博士課程を始めました。 学校ではみなさんあたたかく迎えてくれたし、諸々準備万端にしてくれていたのであまり困ったことはありませんでした。今でも感謝。学校で困ったことと言えば、病的な方向音痴なので、広い学校の中で迷子になりがちで恥ずかしかったこと、くらいです。 すごく困ったのは移民局と税務局で

「毒の贈り物」? ~ ドイツ語とスウェーデン語のGiftの話

こんにちは。スイスラボの言語学者 Yamayoyam です。 今日はスウェーデンで出会った言葉 gift にまつわる小咄をしようと思います。 ドイツ語・スウェーデン語の Gift の意味深な意味「Gift」(ギフト)はとても面白い言葉です。スウェーデン語、ドイツ語、英語で綴りが同じ。スウェーデン語(イフト)を除いて、発音も似たようなもの。でも意味にだいぶ意味深な違いがあるのです。英語ではもちろん「贈り物」という意味ですね。でも、ドイツ語では「毒」。スウェーデン語ではなんと「

大好きな湖の語源を調べてみたら・・・

こんにちは。 スイスラボの言語学者 Yamayoyam です。 運営メンバー紹介の記事にざっくりとした自己紹介はありますが、 話し足りないなと思い、この記事では続きを書きたいと思います。 わたしがスイスでThun湖に出逢うまで日本にいたときから言語学が好きで、 歴史言語学というのを勉強していました。 特にリトアニア語に興味を惹かれ、 リトアニア語をはじめとするバルト諸語や、 さらにバルト諸語が属する印欧語の歴史言語学を専攻しました。 偶然学会で知り合ったストックホルム大