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言語学者だからって外国語が得意なわけじゃない。

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Thun 湖と牛が大好きな、スイスラボ所属の言語学者による、言語学小咄。 日々の雑感を、言語学に(むりやり)絡めながら綴る予定です。
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2022年1月の記事一覧

お茶のはなしの続き~リトアニア語ではお茶はなぜか arbata

みなさん、こんにちは。 Yamayoyamです。 前回のブログで、私のお茶の思い出をしました。私の思い出話にお付き合いくださった方々、ありがとうございました。未だという方、こちらにて↓お付き合いいただけると Yamayoyam 的に嬉しゅうございます。 その思い出話の最後のほうで、「リトアニア語では『お茶』は何故か arbataっていうんだよね」とちょっとボヤきました。 今回は、このボヤキを拾って膨らませていきたいと思います。 前回の記事でも見た通り、お茶はもともと中

お茶のはなし

こんにちは。 Yamayoyamです。 今回は、大好きなお茶のはなしをしたいと思います。 Yamayoyam は小さい頃からお茶が好きで、たいていの日本人が親しむお茶を普通に飲んできました。緑茶、焙じ茶、麦茶などなど。でも今日するのは、もうちょっと特別なお茶との出会いのはなしです。 大学進学を機に京都に引越し、実家のフトコロ事情により、安かろう・ボロかろうな寮に入寮しました。どのくらいボロいかというと、約20年前当時で木造築35年、随時アップデートされる建築基準法や水道法

リトアニアの歴史から~「本の密輸請負人」

みなさん、こんにちは。 Yamayoyamです。 先日リトアニアについての勇敢な記事を見つけました。 リトアニアが強権をかざす中国から離れ、台湾と連帯することを選んだという内容です(※1)。 巨大な中国マーケット・資本・軍事力を考えると、勇気ある決断です。 この勇気はどこから?という疑問の答えとして、記事の中で ことが挙げられています。 これを読みながら、ロシア帝国時代の「knygnešys(本の密輸請負人)」のことを私は思い出しました。リトアニアの向こう見ずに見え

空と太陽と文法性と語幹子音とあれこれあれこれ

みなさん、明けましておめでとうございます。 Yamayoyamです。 新年早々タイトルもヘッダーもごちゃごちゃですが、お許しを。 日本では寒波がきていると聞きます。日本にお住まい・滞在のみなさん、どうぞ暖かく過ごしてくださいね。 意外や意外、ベルンは年末年始、ちょっと不気味なくらいぬるかったんです。そんなベルンにもちょっと遅れて今週あたりから冬将軍がやってくるみたいです。 日照時間もだいぶ短いこのタイミングで敢えて、太陽に思いを馳せたいと思います。そんなことを思ったきっかけ