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2023年の10枚

 なんとなく恒例にしている個人的その年の10枚を今年もやっておこう。ちなみに過去のものはこちら。

 2023年も沢山聴きましたねぇ。個人的にはR&B系レトロソウル系が豊作だった印象です。そして和物も独自の切り口なものも増えてきたので楽しかったし、10作には入れませんでしたが、K-Popも音楽性も面白いものが多かったですね。他アフリカやブラジルものなどのワールド系は聞いてましたが、10作に入れたい推したいものはなかったかな。あくまで個人的な感想ですけど。


1) あのDeath Rowからレトロソウル作品が!

"The Rebirth Of MARVIN" by #OctoberLondon

 あのウェッサイ全盛期をリードしたレーベル #DeathRow#SnoopDogg が買い取ったニュースを聞いて間も無くリリースされたこの作品がなんとレトロソウルだった。いやぁ、、、これはやられた。だってタイトル通りまんま #MarvinGaye なんだもの。そんな作品のガイドを務めるのがその #SnoopDogg という、、、2月にリリースされたのにまだレコードになる様子がないのが残念ですが、これこそレコードで聴きたいものですね。

 レトロソウル系はほんと充実していた2023年ですが、 #DaptoneRecords からリリースされた #JalenNgonda もこれと同系統の素晴らしい作品で、それはレコードにもなってたので買ってしまいましたが、次点としておきます。

2) あのCharles&Eddieの片割れがソロアルバムを!

"Sundown" by Eddie Chacon

 あの、 "Would I Lie To You" の大ヒット(1992年)で知られる(これもレトロソウルでしたが) #CharlesAndEddie 、その片割れのEddie Chaconがソロ活動を20年のブランクの後に2020年からスタートさせていたことは不勉強ながら2023年に知りました。そして復活第二弾アルバムがこちらです。

 これがまた想像を心地よく裏切ってくるアルバムでやられました。シンセ使いやフレージングが70年代を感じるものの、何っぽいと表現して良いやら、、、昨年死後50年近く経ってリリースされた #CharlesStepney 的な密室感もありつつある時期の #ToddRundgren 的でもありつつ、 #Jazzanova "In Between(2002年)"的でもあるような、、、あ、Beyonceの妹の #Solange の "When I Get Home"(2019)に近い!と思ったら、その妄想は当たっていて、プロデューサーが同じ #JohnCarrollKirby でした。その #JohnCarrollKirby もソロ作を出していたんですが、いや断然俺的にはこちらでした。ダークで浮遊感のあるメロウポップ。

3) モロ90s~00sなR&Bポップスがなんとナッシュビルから!

"Shindo" by Shindellas

 見るからにあの頃の #DestinysChild を意匠したようなジャケットだなと思ったら中身もその通りでした。で、そういうのはちょいちょいあるものですが、これは曲もポップでよろしいものが多かったのでよく聴いちゃいました。しかしナッシュビル出身ですかぁ、、、ナッシュビルと言えばカントリーなんですが、黒人コミュニティーもあるんですね。個人的にはタイトルもニヤリな"Ooh La La"が大好きなので、これはMVを貼っておきますね。パーティーが始まる時にちらっと写るレコードが #TinaTurner#BonniePointer ってのもニヤリです。

4) グラミーにもノミネートされている2023年を代表するR&B作

"JAGUARⅡ" by Victoria Monet

 既に2024年GrammyAwardsに多数ノミネートされているし、年末の特集記事でも2023年を代表するR&B作品としてよく紹介されてますね。この彼女のアルバム2作目はレトロ感も少しありつつも今のR&Bって感じで、そのバランスが素晴らしいですね。で、クレジットを見ると #SilkSonic#LuckyDaye で名を馳せたプロデューサー #DMile の名が。そりゃあバランス感が素晴らしい訳だ。

 でもここら辺の作品はR&Bチャートこそ上位でもポップチャートではさほどでもなく、結果日本ではR&Bファン以外では知られてないのかもしれない。個人的に大好きな、あの頃の #JanetJackson を感じるTr6"How Does It Make You Feel"をオススメしておきます。

 R&Bは豊作と冒頭でも書きましたが、個人的には #KaliUchis "Red Moon In Venus"も大好きだったので合わせてオススメしておきます。

5) エネルギーに満ち溢れている謎のI Just Wanna Rock

"Pink Tape" by Lil Uzi Vert

 Hip Hopシーンももちろん活況を呈し続けているんだけど、個人的には「ふむふむ」ぐらいでリサーチ聴きで終わるものが多い中、 #LilUziVert はなんだかよく分からないが勢いがすごくてつい聴いてしまった。中でも先行曲の "I Just Wanna Rock"は、これはHip Hopと呼んで良いのかよく分からないが格好良くて何度も聞いちゃったね。着てるパーカーがSADEだったりするしね。日本にも春頃サプライズでクラブや原宿に出没していたようで。トラップ的なものが中心ではあるものの、ハードロックな曲もあり、"Nakamura"という日本人プロレスラー #中邑真輔 を称える曲もあったりするし #BabyMetal とのコラボ曲もある。なんだかよく分からないが、勢いはすごい(笑)

6) トラックの進化も面白いピアニストKiefer新譜

"It's OK,BU" by Kiefer

 ここ最近のピアニストの中で断然好きなKieferが久々の新譜を出した。メロウなピアノは相変わらずだが、今作はより、トラックを重視した作品という印象。リリース元が #StonesThrow なのがよーく分かる空気感。つまりピアニストとしてのエゴよりも、トラックを含めた作品としての仕上がりを重視している感じ。つるっと流し聴きがオススメです。個人的にはTr4"Dreamer"とTr-15,16の一人セッションメドレーな感じが好きですね。

7) 「夜がまた」なんて邦題も素敵なメロウソウルジャズ

 "Late Again" by Sven Wunder

 キャリアをよく知らないが、スウェーデンのピアニストの数年ぶりの新譜。「流れ星や夕暮れをテーマにした作品」というコピーもあるが、スピリチュアルジャズ〜70sSoulな雰囲気が強くて心地よいインスト作。これまたソロがどうというよりも楽曲で攻めてくるから俺好みなんだろうな。 #LeroyHutson あたりをインストで表現したような感じでもあるしね。

8) なんだこの人たち!の個人的1位はChai

"Chai" by Chai

 どこで知ったか紹介されたか覚えてないが、今はインスタもフォローしている愛知出身の女の子バンド #CHAI 。マナカナというまんまな双子がフロントのバンドだけど、自らの容姿を肯定する"Neo Kawaii"を海外のライブで披露して大盛況な様子に感動しちゃった。またリズム隊のグルーヴも素晴らしいのだ。結果現在日本でどうというより、世界各地に音楽旅行をして盛り上げてきている。なんなら今日本人で最も多くの国に行っているアーティストかもしれない。先日はラオスでライブをやっている様子がアップされていたしね。で、このアルバムのオープニングはR&B調だったりして作品集としてもちゃんと「今」のポップス集になっているのが素敵だ。

 でもひとまず素敵なライブの模様を。このライブ動画でまず俺はやられました。

9) ネオソウルをここまで格好良く出来る日本人がいる、札幌に

"Walking Man" by 笠原瑠斗

 2023年後半に一気に個人的距離を縮めることが出来たネオソウルなシンガー #笠原瑠斗 。オシャレなネオソウルトラックなアーティストは数多いれど、ここまでソウルフルに歌えるのは #HanahSpring か彼がダントツだろう。そこに #GroovemanSpot が制作で絡もうものなら最高でない訳が無い。これは4曲入りのEPだがどれも心地よさが半端ない。が、まず一曲ならばタイトル曲"Walking Man"からどうぞ。

10) 現代の #DorothyAshby 素敵な黒人ハーピスト

"Brand New Life" by Brandee Younger

 既にこのnoteでも紹介済みだが、黒人女性ハーピスト #BrandeeYounger も紹介しておこう。残念ながら8月の来日公演はスケジュールが合わず見に行けなかったが、最も見にいきたいアーティストの一人かもしれない。

 アルバムも素敵だが、まずはこの #TinyDeskConcert から見てもらった方がいいかもしれない。より生々しくも美しいハープの音色とアフリカンな彼女の佇まいに酔い、このアルバムタイトル曲でもある"Brand New Life"の、#CurtisMayfield "Makings Of You"感に酔ってください。


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 いやあ、、、10作紹介するのは大変ですね?ここまで読んでくれた方はありがとう。手間暇はかかりますが、この一年を振り返るのには良い作業だと思って頑張って記しています。また2024年も素敵な音楽に出会えますように。

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