花のお江戸ライフ
神戸の六甲アイランドにある神戸ファッション美術館で「花のお江戸ライフ」を見てきました。ファッションをテーマにした美術館らしい展覧会で、浮世絵を通して江戸の人たちのライフスタイルを見ていこう、という内容でした。
江戸の人たちの旅行、メイクアップ、ペットブーム、グルメ、ガーデニングなどテーマごとに見ていきます。遊女の髪結いの様子や、鏡を見ながら紅を引く様子などが見られました。
浮世絵って、今だったらファッション雑誌とか、芸能雑誌とか、情報誌みたいな感じだったりするものだと思いますので、絵師をピックアップするのではなくて描かれた江戸の風俗に着目して見せていくのは、浮世絵の正しい使われ方だなあと感じました。
江戸のペットといえば、広重や国芳の絵にもよく出てくる猫は思いつきますが、犬や金魚もよく登場します。上の国芳「文月」は、よく見ると絵の上の方に金魚が泳ぐ丸い鉢?のようなものが吊り下がっているように見えます。鉢ではなくてもしかして描かれた何かなのでしょうか(どういう仕掛けなのか分かりません)。
あと、金魚でびっくりしたのはこれ。金魚に顔がついていて怖いんですけど!
その他の動物として、鷹や牛、ラクダなんかもありました。
江戸のグルメと言えば蕎麦や寿司などが思い浮かびます。北斎の五十三次(北斎も五十三次を何作か描いてるんですよ)に描かれた宿駅の店先とか、江戸の魚市場の図などもありました。
こちらの「当世ごまのお萩」は、大きなすり鉢で胡麻を摺り、おはぎを作っている絵です。面白いのでご紹介しました。
芳年も結構風俗を描いています。女性が食べているのは魚の天ぷらでしょうか。「むまさう」は「うまそう」つまり美味しそう、という意味です。
浮世絵の展覧会は、点数が多いですし、絵の中に文字が書かれているものも多く、キャプションと合わせて読みながら見ていきますから、目も頭も疲れました。
今回の「花のお江戸ライフ」と同時開催でドレスコレクション展もありましたが、こちらは撮影不可になっています。1950~60年代くらいのアメリカやパリのデイ・ドレスがテーマでした。可愛くてお洒落でした。
また、ファッション美術館の名誉館長であるコシノヒロコさんのアート作品の展示室もあり、ヒロコさんの絵の才能にも驚かされました。
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