民藝 Parallel Lives 平行人生 — 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展(大阪中之島美術館)
大阪中之島美術館へ行き、4階展示室で「民藝」を、5階展示室で「新宮晋+レンゾ・ピアノ展」を見ました。
まずは「民藝」です。
民藝とは、約100年前に思想家・柳宗悦が説いた民衆的工藝のことです。柳宗悦は、陶磁、染織、木工などあらゆる工芸品のほか、絵画や家具調度など多岐にわたる品々を、日本のみならず朝鮮半島の各所、中国や欧米などへ旅し、収集を重ねたそうです。古いものでは長野県出土の縄文時代中期の土器の展示もありました。
今回の展示は、衣食住の3つに分類をしてそれぞれのテーマごとの展示でした。そして最後の部屋では、各地の伝統技術を受け継いだ新しい作品、新しいセンスの工芸品などが見られました。
写真撮影のできないものが多かったので写真がありませんが、アイヌの木綿切伏衣、丹波布を用いて表装をした大津絵などが面白いと思いました。
私自身は民藝運動について詳しくなく、東北地方の田舎育ちですから、民藝運動というのは地方にいる伝統工芸や手仕事で作られた生活のための道具を、東京からやってきた「専門家」が「見い出して」教養のある都会の人たちに紹介した…みたいに捉えていました。何年か前に「おかんアート」というものがSNSで話題になって炎上したことがあり、その「おかんアート」と何が違うんだろう?ということも考えながら展示を見ました。民藝運動によって技術が現代まで継承されたり、そこから発展した新しい手仕事が生まれたり…ということがあったのだと理解しました。
民藝を見終えてランチのために隣の大阪大学中之島センター2階「カフェテリア・アゴラ」へ。今日はチキンカレーをいただきました。
そして5階へ行き「Parallel Lives 平行人生 — 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展」です。
日本とイタリアの芸術家、新宮晋とレンゾ・ピアノ、同い年の2人の平行する人生と作品を紹介する展覧会です。新宮晋の、空間を利用した立体的な彫刻作品を見ながら、壁にレンゾ・ピアノの建築作品が映し出されるというような方法で2人の世界を概観できるようになっていて、とても楽しい展示でした。
現在80代のお二人ですが、まだまだ現役でお元気で仕事をされており、現在進行形のお仕事の紹介もありました。レンゾ・ピアノは東京海上ビルディングを、新宮晋は兵庫県三田市に「風のミュージアム」を展開したり、東日本大震災をうけて、アート活動「元気のぼり」を立ち上げて多くの子供たちに参加を募り作品を作り続けているそうです。
会場出口付近に飾られていた「元気のぼり」の中には「東北」の文字が見えるものもあり、(私自身が宮城県出身で家族が被災したので)ちょっと嬉しくなりました。
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