アバンギャルドお見舞いトドメ防止法
今朝。なにやらおっさんの声がして目覚めると、Qさんが来ているようだ。
起き上がれないから「どうぞ~!」と大声を返すと「○番のバスで来た」とか、どうでもいいことを言いながら扉を開けてズカズカ入ってくる。
そして僕の足元に立ち、優しい見舞いの言葉にくわえて昨日プリキュアショップに行ったこととか、自分の誕生日のケーキはどうしよう? とか(それ聞く?)、退職したかめちゃんがくれたポスカが出にくいとか(それ言う?)、いろんな話を聞かせてくれる(朝7時半のノーアポ。相手ケガ人)。
いつものごとく荷物が多いので「気をつけてね」と声をかけると「だいじょうぶ」。そこらにガンガン荷物をぶつけながら帰ってゆく。
ありがとう。
突然の見舞いはおかしくてとても嬉しかったけど、僕の頭の中にはQさんがふいに前のめりに転んで倒れこんできて、右足にトドメを刺すイメージばかり浮かんでいたのさ。
だってQさんは2年前、道でどえらく転んで左鎖骨をどえらく骨折。そのちょうど1年後くらいにまたどえらく転んだけど幸いセーフ。ようやく来月、埋め込まれたプレート(?)を取り出す予定なのさ。
だから僕は左足を折り曲げてヒザをなるべく高く上げ、倒れてくる彼のミゾオチあたりをヒザで受け止める準備をしていたのさ。
ううっ……てなって痛いだろうけど、ごめんね。