ヘンタイ記憶のヘンタイ底力
なぜか京都市営バスの路線系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。
去る1月22日(月)に実施した第80回(北野天満宮+二条城編)において、私は2人のヘンタイ記憶の凄まじさをあらためて目の当たりにしたのだった。
その方はテクテクとガラガラの「二条城前」バス停に向かって歩いてきて、困っているのか困っていないのか、ちょっと読めない表情を浮かべながら我々のそばに立った。
別に困っていなければ「だいじょうぶです」と言われるだけ。「どこに行かれますか? お困りですか?」と軽く話しかけてみると、「乗るバスは分かるんですけど、他の質問してもいいですか?」とこれまで聞いたことのないクエスチョンが飛び出した。
もちろんですとも。
答えられない質問以外は全てお答えしますとも。
「ここのひとつ手前に『堀川御池』バス停ってあるんですか? いつも見つけられなくってあるのか、ないのか。今日も見つけられなかったから、このバス停まで歩いて来たんです」
なるほど、そういうお悩みなのですね。
そしてあるはずのバス停が見つからないことに若干キレてますね。
その方が話しながら広げてくれた路線図をのぞき込むと、確かに「二条城前」の手前に「堀川御池」と書いてある。ハッキリと書いてある。でも僕は「ありますね~……」としか言えず、そこから先へは進めない。
さあ、出番だ! ヘンタイQ&XL!
「ある!」
「ある!」
さすが力強い! やっぱりあるんだね!
でもあるかないかは路線図を見たら一目瞭然で、この問いの本質は既に「『堀川御池』バス停はどこにあるのか?」に変わっているのだよ。
こうなると少々困ってしまった様子のふたり。ここから数百メートルは離れた場所にあるバス停の位置を伝えるのに指差しでは無理だから、ピンポイントの指定が必要だ。どこ? どこ? 分かる?
集中し、脳内に蓄積された膨大なヘンタイ記憶の宇宙を駆け巡る2人。
遂に「あ」と思いついた様子のQが、その未知なるポテンシャルを発揮する。
「建物の前!」
分かっとるわ!!
その建物が何かを知りたいの!!
「そうや! 建物の前!」
XL、お前もか!!
なんでそこで通じ合えんねん!!
衰え知らずの京都人力交通案内は、もうすぐ12周年を迎える。
※ この後、具体的な建物名(京都市中京区総合庁舎=中京区役所)まで分かり、お伝えできました。確かに路線図分かりにくい……。
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