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京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@何かがちがった祇園編(第81回)

なぜか京都市営バスの路線系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

去る4月30日(月)、すんげ―不安定な天気だったので、我々一行は晴れても雨が降っても屋根があるからだいじょうぶ! な「祇園」に向かった(結果的に終盤はドシャ降りになったからナイスチョイスだった)。

この日我々一行に新たに加わったのは、最近のスウィング公共図書館ヘビーユーザーであるMIYABI。これまで見たこともないくらいどこででも、普通は入りにくいだろうなあという教室でも平気そうに座って、様々な本をスゴい集中力で読んでいる人物だ。

そんな彼女は中国人だというから皆驚いた。いや日本語がうますぎて、誰ひとりそうとは思えなかったのだ。少しずつ会話を交わすようになり、やがて彼女が「行ってみたい」と言ったのが、この交通案内。

京都には中国人観光客もそりゃたくさんいるのでこれは面白いことになるかもしれない。だって日本語ペラペラ以上に中国語はペラペラなんだから。
しかし今年1月以来、3ヶ月ぶりとなった交通案内はなんかこう……しっくりとこなかった。

交通案内は真剣勝負である。

久しぶりに中国語を喋りまくり、それも「どのバスに乗り、どこで降りるか?」という専門的なやり取りに特化したせいか、途中彼女が僕たちにまでガンガン中国語で話してきたのはおかしかった。全然わからん。 同じ人間が同じ内容を話していても、言語が違えばわかったりわからなかったりする。言葉って面白い。

それに終了後もしっくりこなさを抱えてウンウン唸っていた僕とは対照的に、彼女が「面白かった」って満足してたのは嬉しかったな。

しっくりこなさの要因は、ザックリ言ってしまえば僕とQ、XLのチームワークの悪さだったのだと思う、やはり。

Qちゃんは終始バスに夢中! って感じで通りの方ばかりを見つめ、困っていそうな人を見つけたり、<案内は三位一体>という基本原則をしょっちゅう忘れていた。そのたび注意をするんだけど、にこやかに「あ、ごめんごめん」ってその繰り返し。

XLはかなりの迷い人を自ら見つけ出していたが、やはり<案内は三位一体>という基本原則をすっ飛ばして、ひとりで案内を完了させてしまうことが多かった。

ひとりでやっちゃうと結構間違えてしまうからこそ三位一体原則があるのだし、情報がアヤフヤにならないよう案内用紙に書いて手渡すこともできなくなる。

僕も3ヶ月ぶりっちゅーことで勘を取り戻すのに時間がかかった……というより<バス停に同化している>という、あの感覚(誰がわかんねん)を持つに全く至らなかったので、最後まで勘は戻らなかったというのが正しいのだと思う。

やっぱり10年以上続けていても、3ヶ月も空けてしまうと調子が狂いまくってしまうのだろう。いい加減気づけ。

しかし今回感じたしっくりこなさは、個人個人の意識やチームワークの問題だけではないような気もする。

外国人観光客、日本人観光客の別を問わずバス停でスマートフォンを見る人は順調に増え続け、これから乗るバスについて調べている人と、それとは全く関係のない情報を見ている人とが混在している。だから誰が迷い人なのかがとてもわかりにくい。

またかつてはスマートフォンから得る情報が間違っていることも多く、だからこそ案内のし甲斐もあったのだが、当然ながらその精度は上がり続けているのだろう。すると必然的に我々の必要度は下がり、「スミマセ~ン」と自ら尋ねてくる迷い人も減ってしまう。

諸行無常。交通案内だって変わり続ける。

今回の経験、感覚だけで決めつけはできないが、三位一体話し合って何かを修正する必要がある……という気持ちを次回まで忘れないようにしないと。
行き先を出発直前とか、とりあえず移動しながら決めるクセも治らないんだから、未来の自分たちに大きな期待はできないが。

次回、我々一行は来る5月28日(火)、京のどこかに出没する。


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