#2 水泳で水をかくより大切なこと

水泳って水をかいて進むものと思っていませんか?
僕も現役の頃までは、そう思ってました。

でも、インストラクターになって
水泳の勉強をしていくと
トップ選手ほど大切にしているあること
に気がつきました。

ノートの画像
(画像をクリックして見てください)


ここからは余談です。
理系の人だけ見てください。

ノートに書いている通り、水泳で大切なのは抵抗を減らすことです。では、実際の泳ぎの中で、私たちが受ける抵抗はどれくらいでしょうか?

人が泳いでいる時の動的な抵抗Dは、次式を用いて計算されます。詳しくは論文のリンクを添付しているので、そちらをご参照ください。

(1)

ここで、D, ρ, S, CD, Uはそれぞれ、抵抗、流体の密度、断面積、抵抗係数および流速です。

(ⅰ)流体の密度について
式(1)より、泳者の受ける抵抗は流体密度ρに比例することが分かります。ここで30℃における水および空気の密度はそれぞれ、995.7 および1.129 kg/m3なので

(2)

ゆえに、30℃の条件では水の抵抗は空気の抵抗の881.9倍となることが分かります。

例えば、陸上で1人に押されているとすると、水中では882人に押されてるようなものということですね。

(ⅱ)断面積について
式(1)より、泳者の受ける抵抗は断面積Sに比例することが分かります。したがって下半身が下がって、見かけの断面積が増えると、抵抗が大きく増加します。

例えば断面積が2倍になったとすれば、元々882人に押されていた力が、1764人分になるってことですね…。

陸上よりずっと抵抗の大きい水中だからこそ、それを減らす努力は大切なんですね。

○参考文献
水泳で進む原理を理解しよう!その1
水泳で進む原理を理解しよう!その2
抵抗を制する者、勝負を制す

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