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穏やかな紅茶も、やってらんねえよのビールも

私は憧れている人が複数人いる。例えば、モデルの小谷実由さん。(愛称、おみゆさん。)よく本を読まれていて、おみゆさんが愛してやまない好きなものたちが敷き詰められている可愛くてきらきらしたインスタを覗きに行くのが好きである。月初めにいつもストーリーでファンと交流されていて、過去にわたしも5回ほど返信を貰えてとても嬉しかった。穏やかで丁寧な方で、雰囲気も中身もすべて憧れている。その一方、最近の専ら大好きで追いかけている人はPKshampooのボーカルのヤマトパンクス。名前にパンクが入っているだけに、ライブ本番に遅刻するわ、毎日ありえんくらいの飲酒量。2日間連続で飲酒も平気でする。彼がサラリーマンをしたら初日でクビだろう。破天荒な人である。でも憧れてしまうのだ。(ヤマトパンクスの書く歌詞が人柄と真反対に繊細すぎる点がさらに好き。)おみゆさんとヤマトパンクスは、おそらく対極にいる(チャート的なものを想像して頂きたい)のだけど、御二方とも大好きで心の底から「私もなりたい!」と思う。日ごろから私は「とても丁寧に過ごしたい」ときと、「なにもかもどうでもいい。窓ガラスとか、割っちゃいたい」ときがある。何言っちゃってるんだか!と思われるかもしれないけれど、そういう性分なのだ。だから(ここでやっと本題だよ!とても長かったよね)高瀬隼子さんの『いいこのあくび』を読んだ時、とても他人事には思えなかった。あらすじは割愛するが、主人公が抱える、どれが自分なのか分からなくなってしまうモヤモヤ感。友人Aと先輩Bに対して自分の態度、言動、性格、趣味嗜好を自由自在に、臨機応変に、相手に合わせて変化させてしまうこと。その結果、結局自分は何が好きなのか分からなくなってしまう気持ち。わかる。私も思い当たる節しかないから。でも、自分自身にでさえも、騙し騙しでも、それでいいのだと思う。どれも紛れもなく自分で、そのままで、きっと大丈夫、大丈夫であってほしい。なーんて自分と主人公に言い聞かせたのであった。だから私は、おみゆさんも愛すしヤマトパンクスも愛す。穏やかに紅茶も飲むし、やってらんねえよとビールも飲むのだ。

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