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Statement of enikki1003


ある米寿を迎えた農村嫗(おうな)Fの暮らしに視点を合わせ、そこから見える風景を写生しています。

日常に垣間見る小さな花鳥風月、時節ごとに訪れるハレなどを絵日記ふうに油彩スケッチ。

乾燥がてらキャンバスは、花や掛け軸を掛け替えるような感覚で、Fの生活周辺に設置しています。

住まいは昭和43年築の日本家屋、当時の周辺農村で標準的な庭に、ちょっぴり珍しい池があったり。京都の北西、丹波地方の最奥部の農村です。

認知症のFのケアのため、住まい周辺を昔の元気なころに近づけたい思いもあって、自然とFと近隣同世代の農村文化、里山の姿などにも意識が向かいます。


F周辺の農村文化では、畑や庭が共通の話題になります。その親しみは古くからの美的観点である花鳥風月に重なります。

本作は油彩キャンバスを使って、トラディショナルな枠から離れようとしていますが、根本は掛け軸などと同様に、古くからの日本人の画の親しみ方、時節の彩りにしばし奥の棚から引き出されるような暮らしに近しい存在であろうとしています。


本作は油彩キャンバスを使ってトラディショナルから離れようとしていますが、根本は掛け軸などと同様で、時節の彩りにしばし奥の棚から引き出されるような、暮らしに近しい存在であろうとしています。

各画にはテキストがあり詩画集、歳時記、観察日記のような肌ざわりを目指し、過去に埋もれつつある里山農村風景を蒐集するように、一年の巡りを蒐めた連作にも見立てています。

シリーズタイトル[enikki1003]の1003とは、F住まいの所番地で、住まいの周囲を定点観測するイメージでつけています。



何か発表したいときは、なんらかの説明をして、関わってくださる方を探したり、自分にとっての整理をしたりします。

普通は見せない発表準備のための作業、今回はこんな感じです。

準備作業が実るかどうかはわかりません。

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