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『「能力」の生きづらさをほぐす』(勅使川原真衣 著)がとても良かった

「前の部署ではトップを走る優秀な社員」と言われていたのに、今の部署では「ぜんぜん使えないヤツ」と評価されたり、
逆に「使えないヤツ」が異動した途端に「あいつ凄いね」となったり、、、
そんなことは会社勤めしているとよく見聞きすることですが、

『それは本人の能力が突然上がったり下がったりした、ってことなの?』

という疑問を考えさせてくれる本です。

亡くなった母が仕事で悩む息子の窮状を見かねてあの世からやってきて、息子(+まだ高校生の娘)と対話するという構成。
著者は現在幼いお子さん2人を育てながらガン闘病中で、「こんな息苦しい社会に子供たちが生きていくとしたら、死んでも死にきれない」との思いから本書を執筆されたとのこと。

3人の対話形式で進むので、正味の文章量はそれほど多くないですが、しかし中身は実に濃いです。
学校教育から人材開発業界まで、話題は幅広く広がりますが、とても読みやすく、絶えず「あれが足りない」「次はこれが足りない」と追い立てるように「能力」アップを煽られてるなぁと感じている方は、読んでみる価値ありです。

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