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三つ葉の日の約束

その日、ウサギとカメは、河川敷の彩り豊かな花々を眺めながらのんびりと歩いていた。やがて二人は、辺り一面がクローバーで覆われた場所に辿り着いた。「四つ葉のクローバーが見つかりそうね」ウサギはそう言うと、緑の中にかがみ込んだ。

カメもその傍らにかがみ込むと、「クローバーは葉の数によって異なる花言葉があるんだ。一つ葉は "初恋" 、二つ葉は "素敵な出会い" のようにね」と、静かにウサギに教えた。「素敵な花言葉ね。私も一つ葉や二つ葉を見つけてみたいわ」とウサギは心躍らせた。

辺りを見渡すと、目につくのは大半が三つ葉のクローバーだった。「三つ葉のクローバーには "愛"  "希望"  "信頼 " という花言葉がある。三つ葉の言葉もいいよね」とカメは呟いた。

「四つ葉の花言葉は "幸運" だよね?」ウサギが尋ねると、「四つ葉には "幸運" や "私のものになって" という花言葉があるんだ。そして、葉の一枚一枚に "希望"   "信仰"   "愛情 "  "幸福 " の四つの意味が込められている」と、カメは言葉を繋いだ。

少し間を置くとカメは慎重に言葉を選んだ。「四つ葉には "復讐 " という花言葉もある。 "私のものになって" という願いが叶わない時、復讐につながると考えられているんだ」

ウサギは少し表情を曇らせると考え込んだ。「たとえ思いが叶わなくても、私は憎しみに変えることはないわ。でも、その時が来ないとどうなるかわからないわよね…。それなら、探すのは三つ葉までにしようかな」

「ウサギさん、四つ葉にはもう一つ" 約束 " という花言葉があるんだ。僕はいつまでもそばにいる。そう約束するよ」カメはそう言い切ると、彼女から目をそらせた。

辺り一面に白く咲き誇るクローバーの真ん中で、二人の頬だけが赤く染っていた。

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