星降る

雨の星空

雨の日 妖精はぬれるのが嫌で なかなかお外に出てきません

「妖精ちゃん、遊ぼうよぅ。 傘させば大丈夫だって!」

「やだ ぬれるのきらいだもん。 さくらちゃん一人で遊べば」


「つまんないの」

「はぁーあ」

あれ あれ? さくらがふくれ顔で水たまりをのぞくと 女の子がこちらを見てニコニコ笑っています。

「だれだろう」


なぜか すごく懐かしいような 楽しいような 温かい春の日のような気持ちになって
あたりには桜の花びらが舞い始めました。

「妖精ちゃん!妖精ちゃん!大変。水たまりに誰かいるよ。来て!」
さくらに無理やり連れてこられた妖精も、水たまりをのぞきました

「あ!白鳥さんだ!」

白鳥は、ぬれるのが嫌いな妖精を 夏の間、湖でいつも背中にのせてくれていたのです

水たまりは天の川に通じていて、この日は星のめぐりあわせで 会いたいひとに会わせてくれるのでした


「わーい」 

妖精はこの日も大好きな白鳥の背中に乗って天の川を飛んで遊びました。

妖精は水たまりが少し好きになりました。


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