声が出ない女の子。
彼女は僕のことをずっと待っていたらしい。
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いつもよくいる広場で意味もなく呆けていた。
そんな時に妙な動きをしている少女がいた。
なんとなく、ふと気になって僕は声をかけた。
「何をしているの?」
そうしたら
「ここで待ってろって言われたんだけど全然来なくて」
「一人で勝手に遊んでていいのかな?」
というので
「じゃあ少しの間一緒に遊ぼうか」
といい、しばし同じ時間を過ごした後、
「待ってた人が来たみたい、よかったらまた遊んでね」
と去っていった。
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そんなよくある話で。
また翌日彼女を見かけた。
「あなたはよくここにいるの?」
というので
「だいたいいつもここにいるよ」
と話した。
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「お帰りなさい」
「大学って大変そうだね」
そんな風に話してくれるようになった。
ちなみに彼女は学校の後お弁当を作ったりしているらしい。
お兄ちゃんは医者のタマゴらしい。
頑張ってて偉いねって言ったりして、でも
「私でもお友達いなくて。」
そう言っていた。
「こんなに優しく話をしてくれる人いなかった」
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「どうしてしばらく来てくれなかったの?」
「寂しかったよ」
「人を好きになるってこんな気持ちになるんだね」
「あなたは本当に人のこと愛した事があるの?」
「あなたが本当に人を愛したら、きっともっと違うはずだよ。」
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僕は彼女のことが好きだった。
でも、普段と少し違うのは、この世界はゲームの中だったということだった。
彼女がくれた可愛い自撮り写真を待ち受けにしていたくらいだったけれど
なんだかうまく伝わらない時があった。
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彼女は声が出ないらしい。
両親に捨てられて、施設に入ったらしい。
お兄ちゃんとふたりで施設にいて、お兄ちゃんは新聞のアルバイトとかたくさんやってて、何年か前に事故で亡くなったらしい。
その時のお兄ちゃんの友人でもあって、何かあった時に頼むって言われてたお兄ちゃんの友達のところに住んでいるらしい。
施設に入る前に怖いお兄さんがよく家に来ていたせいで、人が怖いらしい。
学校は病院内のところに通っていたらしい。
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「あなたの好きは愛じゃなくて、同情からだよ」
「だって優しいもん」
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色々な事情があって、もうゲームには来なくなるらしい。
最後に電話かけてもいい?ほとんど喋れないけど
「あいがとう」
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*創作ではないです
*細かい内容はシークレットです
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