すずめの戸締まり 感想

新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」を観てきました。
呪術廻戦0ぶりの映画館。
日曜日だからか激混みでした。

新海監督の作品は「君の名は。」のTV放送を2回見たことがあるくらい。
君の名は。を見て「こんな展開思いつく人この世界におるんや…」と驚いた記憶がある。
天気の子はなんか肌に合わず未視聴(食わず嫌いとも言う)
名を体現したかのようなにわかとは正に私のことである。

先日の金曜ロードショーで君の名は。が放送された際にこのすずめの戸締まりの冒頭12分を見て衝撃が走った。


めちゃくちゃ顔の良いイケメンがいるやんけ



9割5分くらいで黒髪ロン毛泣きボクロイケメンが見たいという理由で見に行くことを決めた。
にわかとは正に私のことである。


いざ実際に鑑賞した感想だけれど、もうすべてが良かった。
語彙力のないオタクに成長してしまった自分が恨みたくなるほど言葉に表せないぐらいよかった。
Twitterでこの作品を観た人は総じて「良かった」としか言わないというツイートを見かけたけれども、まったく以てそう。
以下、私が特によかったと思ったところを挙げていきたいと思う。


※以下、本編と入場特典「新海誠本」、パンフレットのネタバレを含みます








①主人公すずめと草太の関係

開くと地震や疫病を巻き起こす「扉」を閉じるために旅をする青年・草太と、草太が訪れた九州のある土地に住む女子高生・すずめ。
すずめが「扉」を閉じる手伝いをしたことから始まる2人(物語の大半は1脚と1人だけど)のロードムービーな訳だが、
2人のバディ感がとんでもなく良かった。
表すなら美少女戦士セーラームーンの月野うさぎとルナか、
ふたりはプリキュアのなぎさとそのパートナーのメップルだろうか。

うさぎちゃんより思ったよりすずめちゃんはしっかりしているし、
椅子になった草太はメップルのように死にそうな関智一の声ではなかったけど。(椅子がスーパー良い声で笑っているので是非聞いてほしい)

男女のバディ大好き人間の私としては終盤の2人の間に恋愛感情があるのかないのか答えを出さない終わり方でマジでありがて~としか言いようがなかった。
「すずめと草太は互いに両想いですよ」と完全に答えを出されてしまうと、もう終着点がそこしか無くなってしまう気がするんですよね。
すずめは草太のことが好きだ、と本編で明らかになっているけれど、
それは年上の男性に対する憧れだったりが含まれていると私は思っているので、物語の先で2人がどうなったのか、決めるのはあなた次第ですよ。という新海監督のやさしさ?に嬉しくなった。
多分、監督にそういう意図は全くないと思うけど。

2人が戸締まりをする場面が何度も登場するけど、
神戸の閉園した遊園地で扉を閉めるシーンが地味に心に残っている。

すずめは開いた扉(観覧車の扉)を閉じに、椅子になった草太は自分を椅子に変えた犯人である謎の猫、ダイジンを追うために二手に分かれることになる。
私はこの場面を「すずめが初めて1人で扉を閉じるシーン」、「すずめが独り立ちするシーン」になるんだと思っていた。
それまではすずめと草太が2人で扉を閉じていたから。

でも実際は違った。
すずめは開いた扉の向こうに見えた景色に心を奪われ観覧車から落ちそうになったところを草太にやっとのところで助けられる。
草太は追い詰めたダイジンを逃がしてでも。

すずめはあくまで普通の人間で、「戸締まりする」力はもってない。
草太と2人じゃないと絶対にダメなんですよ…。(多分)
草太が東の要になってすずめが扉を閉じた後、今まで聞こえていたダイジンの声が聞こえなくなったり(なんでしゃべらないの?とダイジンに聞くシーンがあった気がする)したのは、今まですずめが草太の近くにいることで触発されて色んなものが見えていただけなんじゃないかな~と思いました。
みんなが気づくようなことにこんな分量割いてしまった。

②新海誠監督の描く20代男性が性癖すぎた

君の名は。しかちゃんと観たことがないので、新海誠監督の描く20代男性を見るのは今作が初めてだった。
君の名は。の滝君は男子高校生だったし。

私が言う20代男性とは宗像草太とその友人、芹澤朋也である。
みんなはどっち派?私は草太派です。
2人とも顔が良すぎる。
男の色気をまさか新海誠作品で垣間見ることになろうとは。

驚いたのは2人ともめちゃ筋肉質なのよ。まさに細マッチョ。
草太に関して言えば、あんた顔面ハウルなのにどうしたどこで鍛えたのその筋肉は??と心の中でツッコミを入れてしまった。
生来夢女体質を持つ私が心の中で、シンバルを叩くあのサル並みに
両手を叩いて喜んでいた。
あとこれは完全に私の想像なので、軽くスルーしていただきたいのですが、
芹澤は絶対大学の女子から軽く扱われるタイプの男子でしょ。
隣に居る草太の圧倒的美の草場の陰に隠れてるタイプや…。



③RADWINPSの楽曲が流れなかった

監督のファンの方は色々共通点を見つけていらっしゃるのかなとも思います。
自然災害とファンタジーの融合という点では一緒なんですけど。
まず、本編にRADWINPSの歌楽曲が1曲も流れなかった。
個人的にはより物語に没入できてよかった点ではあったと思っている。
すずめと草太の物語に違う次元の生身の人間の声が入るのはなんか違うんじゃないかな、と。
逆に君の名は。は完全にRADの楽曲とみつはと滝君の物語で完全体になっていて、随所にある楽曲がBGMを超えてミュージカル楽曲のような役割をしているんじゃないかとも思った。


パンフレットは買うのにインタビューは全然読まないような人間がインタビューの内容をちゃんと読むぐらい深くて、面白い作品でした。
すずめの戸締まりという題名だけれど、色んな人の戸締まりなんだろうな。
扉を閉めて、過去の辛い記憶だとか、もうそこにはないものに別れを告げて進んでいくっていうか。
でもドアノブ捻ったらすぐ近くにあるよ、みたいな。

気がついたら明日のレイトショーのチケットまで取っていた。
独り身の行動力、恐ろしい。
明日は映画のために労働に勤しみたいと思います。

2022.11.13








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