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バードウォッチングを始めたきっかけ
昨年コロナ禍のなか、井の頭公園界隈での仕事が数日続いた。
それまで井の頭池をゆっくり見ることはなかったが、毎日通りがかると小さな人だかりに気づいた。
人だかりの目線はスワンボートよりはるか手前の、水草が水面に固まっているポイントに集中していた。それがカイツブリという水鳥の営巣したものだということを、漏れ聞こえてくるシニア夫妻の会話から知った。
3羽いたカイツブリのヒナは、イノシシの赤ちゃんウリ坊のようなふわふわした模様と毛並みで大変愛らしい。親鳥の背中に乗って水面を行く姿も愛らしい。しかし、愛着をもって眺め始めて3日目、3羽いたはずのヒナが2羽に減っていた。昨日までいたもう1羽は、どこにもいなかった。残ったカイツブリたちは、いなくなったヒナのことなどお構いなしに、一生懸命エサをとり、子に与え、泳ぎと潜水の練習に努めていた。
いくら人のそばにいても、野鳥は野鳥なのだった。こちらからの一方的な愛着などお構いなし。それからバードウォッチングの趣味が始まって、双眼鏡を買った。
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