7thコードについて その1
昨日の理論の授業で「7thコード」について話しました。
このクラスは今コードスケールの話をしていて、その中で7thというものに対するとらえ方から話しました。
7thは他のコードとはやや違います。
多くの人にとって一番厄介なコードの一つではないでしょうか?
メージャーやマイナーというコードを原色とします。
するとM7やm7はやや薄い色になる感覚はわかりますか?
メージャーを赤とするならM7は少し薄い赤になります。
これはメージャートライアドにM7が加わると3度、5度、7度でマイナートライアドができるためで赤が薄まります。
ところが同じメージャートライアドからできるコードでも7thは3度、5度、7度でディミニッシュトライアドができます。
すると赤が少しぼやけます。
赤なのか青なのか白なのか?がわかりづらくなる。
これは7thの3度と5度でできる(G7ならシとファ、BとF)減5度の音程が不安定な響きになるためです。
この減5度の音程は「他の音との関わりで聴こえ方が変わる」という性質を持っています。
試しにシとファにラ(A)をたして鳴らしてみてください。
それほど変な響きには聴こえないと思います。
ところがそこにシb(Bb)を足してみてください。
先ほどよりも音がグニャっとした感じになって聴こえると思います。
このように減5度を含む7thは他の音との関わりで色が変わるカメレオンのようなコードなんです。
ある時は赤っぼかったり、ある時は青だったり、さらにはいろんな色がグチャグチャ混ざって聴こえたり。
そのため、7thに対応するスケールは他のコードに比べて多くのスケールが使われます。
通常、7thはこうした不安定な響きのために落ち着かずに「どこかへ行こうする」コードとして扱われます。
スケールの違いで、ちょっと落ち着かなかったり、何かを壊したくなるほどイライラしたりという違いが出ます。
これ以外にも7thは使われます。
減5度を不安定とはとらずに赤と他の色(例えば黒)が混ざったもの、ととらえて使ういわゆる「ブルージーな感じ」として、です。
ブルージーな感じ、はクラシックにはないとらえ方ですが、ブルース、ジャズ、ロック等には欠かせないものです。
例えばジェームス・ブラウンの曲の多くは2つか3つくらいのコードでできているものが多い。
これは単純ということではありません。
一つのコードの中で音が動くのです。
そのためコードが一つであるようには感じない。
和音も通常とは違い全部を一度に鳴らすということはあまりしません。
ベース、ギター、メロディが組み合わされることで初めて一つのコードであるかのように弾かれます。
しかもそのそれぞれはどんどん動く。
上で説明したように通常の7thはそのスケールによって不安定さ加減をコントロールします。
スケールが変わることでテンション・ノートがの組合せが変わります。
が、このブルージーな7thではブルージーに響かせるための音が使われます。
これがブルーノートです。
ブルーノートは#9、b5、m7の音です。
メージャートライアドにこれらの中のm7が足されると7thになる。
また#9の音はマイナートライアドの3度でもあるのでするとメージャーの響きとマイナーの響きが混ざることになります。
この明るいようで暗い響きがブルージーという感じを出します。
b5、減5度の音はジャズではコードに混ぜてテンションとして使われますが普通は経過的に使われる音です。
半音上がると完全5度、下がると完全4度。
ルート、#9、完全4度(P4)、完全5度(P5)、m7でペンタトニック・スケールができます。
これがブルーノート・ペンタトニックです。
これはマイナー・ペンタトニックと同じになりますが、対応するコードが違います。
メージャーコードに対して使われるとブルーノート・ペンタトニック、マイナーならマイナー・ペンタトニックと呼ばれる。
#9をm3ととるか ?ということです。
ちょっと長くなるので今日はここまで。
ここまで読んで頂いた方でも、ここに書いてあることがすぐわかる人と頭に?マークが沢山浮かんでいる人とがいると思います。
このように7thは音楽的にも理論的にも一番理解しづらいコードです。
逆にいうと7thがわかればもっと音楽も理論もわかるようになる、ということです。
このように続きはまた次回。
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