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服は「着ない」時代到来!?  地球にもお財布にも優しい仮想アパレル人気が加速中

突然ですが、質問です。
みなさんは昨年一年間で、どれくらい新しい服や靴を買いましたか?

新型コロナウィルスの影響で家の外に出る機会が減った昨年。ひょっとしたら、ほとんど買っていないという人もいるのではないかと思います。

人に会う機会が減れば、自然と外出着の出番は減っているはず。
お気に入りの服をヘビロテしていても「また同じ服を着ていると思われるんじゃないか」などと気にする必要もありません。

実際に、昨年12月の日本のアパレル業界の売上をみてみると、売上高を発表している上場アパレル企業のうち8割で前年同月の売上を下回ったそうです(帝国データバンクの発表より)。

欧米を中心にファッションも「デジタル化」の波!?

そんな中、欧米を中心にファッションの全く新しい波が起きています。それが仮想アパレル。「仮想」という文字からわかるように、物理的な衣服は存在しません。体に纏うのではなく、写真などと組み合わせることによってデジタルの世界だけで楽しむ衣服です。

もともとファストファッションや毛皮製品などと、環境・生態系破壊の関係が盛んに議論されていた欧米では、ミレニアルやZ世代を中心に服を所有せずデジタル上で楽しむというスタイルが注目されつつありました

アムステルダムに拠点を置くファッションハウスThe FabtricantやコペンハーゲンのアパレルブランドCarlingsが展開するデジタルコレクションなどは、ステイホームの習慣が根付く前からアバターやSNSにアップする写真と組み合わせるためのデジタル衣服を提供してきました。その動きが、昨年から加速したと言えそうです。

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なかでも今、存在感を増しつつあるのがDress-X。デジタル衣服専門の小売プラットフォームを展開するスタートアップです。使い方は簡単。気に入った衣服を購入する際に自分の写真をアップロード。すると画像処理をして写真の中の自分にその服を「着せて」くれます

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特筆すべきなのはその再現性。ウェブサイト上には、本物の服とデジタル衣服を着た写真がならべて表示されているのですが、全く見分けがつかないほどです。


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その技術が注目され、VOGUEやVICEなどのファッション、カルチャーメディアだけでなく、Forbesなどのビジネスメディアでも取り上げられています。


インスピレーションはインスタグラマー

DressXのウェブサイトによれば、デジタル衣服は本物の衣服と比べてワンアイテムあたりのCO2の排出量が97%少ないそう。また、水は全く使わないため、アイテムあたりの使用量が平均3300リットル少ないそうです。


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Forbesの記事によれば、DressXの着想は一部人のSNSとの付き合い方にあったそう。新しい服を買い、インスタにアップしては捨てたり返品したりという行為に、衣服と人の新しい付き合い方を見出したそうです。

実際に服を着る楽しみは、代えがたいものにも思えますが、確かにSNS上の発信のためだけに服を購入するという行為はサステナブルとは言えません。新型コロナの流行は、人と服の付き合い方の変化を加速させるのでしょうか。もしかしたら、実際の服を買うように、デジタルの服を買うということがより一般的になるかもしれませんね。



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