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俵万智さんの「愛の不時着」ノート

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2021年3月の記事一覧

はにかみと思いやりのずらし話法〜リ・ジョンヒョクの言葉 「愛の不時着」ノート⑥

はにかみと思いやりのずらし話法〜リ・ジョンヒョクの言葉 「愛の不時着」ノート⑥

 「愛の不時着」全編を通して、ある意味もっとも共感したというか感情移入できたセリフは、第四話の村のお姉さま(と言っておこう。私より年下だと思うけど)の言葉だ。ユン・セリと市場ではぐれてしまったことを、リ・ジョンヒョクに告げるシーン。顔色を変えて走り出す彼の背中を見ながら、彼女たちは話す。
 「今彼は、サムスクを探すために走り出したのよね」
「他の女を心配する人を見て、どうして私がこんなにドキドキす

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ジキルとハイドとリ・ジョンヒョク 「愛の不時着」ノート⑦

ジキルとハイドとリ・ジョンヒョク 「愛の不時着」ノート⑦

 主演がヒョンビンということで興味を持ち、ドラマ「ジキルとハイドに恋した私」を見た。製作は2015年なので、「愛の不時着」の約五年前である(以下、ネタバレあります)。

 大企業ワンダーランド社の跡取り息子であるソジンは、幼いころの誘拐事件にまつわるトラウマから、解離性同一性障害(いわゆる多重人格)を発症する。もう一つの人格であるロビンは、ソジンとは正反対の性格という設定だ。

 親友を助けられな

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続・二人はいつ結ばれたのか問題 「愛の不時着」ノート⑤

続・二人はいつ結ばれたのか問題 「愛の不時着」ノート⑤

 前回の「二人はいつ結ばれたのか問題」について、さらにリサーチしてみた。私の周囲の反応がさまざまに興味深かったので、具体的に記しておこうと思う。

 一人目は、元新聞記者の韓流ラブの友人だ。彼女はヒョンビンが兵役に行く直前のファンイベントにも参加した。席が遠めだったので、「高校野球の取材かっていうくらいの仕事用のカメラと望遠レンズを持っていったんだけど、他の人のほうがよっぽどプロ仕様なカメラを構え

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