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ケンチキ11種の秘伝スパイスに挑む⑤**ググると出てくるさまざまなヒント**

オリジナルチキンに舌鼓を打ち、ケンチキ再現のモチベーションを回復したものの手がかりになるレシピもない。ひとまずはGoogleを頼りに。

すると呆気ないもので、11種のスパイスのうち6種類は公にされているという。

・ショウガ
・ニンニク
・セージ
・ナツメグ
・フェンネル
・オニオンフレーク

これがそのスパイスとハーブだ(分量はわからない)。

塩は当然使っているだろうから7種がわかったことになる(胡椒も入るのだろうが、白か黒か、あるいはその両方なのかわからないのでひとまず保留とする)。

前回試作の際に参考にしたレシピはコレだ。

01) 塩
02) タイム
03) バジル
04) オレガノ
05) セロリー・ソルト
06) 黒コショウ
07) ドライ・マスタード
08) パプリカ
09) ガーリック・ソルト
10) ジンジャー・パウダー
11) 白コショウ

公表されている情報と重なるのは11種のうち、ショウガ、ニンニク、塩の3種だけ。このレシピで味が再現できないのも、むべなるかなである。

7種のスパイス・ハーブ確定で、わからないのはあと4種。もし白黒のコショウが使われているのであればあと2種。絞られてきた。


調べるうちにこんなのも見つけた。

以前ケンタッキーフライドチキンでアルバイトをしていた方が、かなり詳細に調整手順を綴っている。

ワイドショーでケンチキの厨房を取材している番組を観た彼が、そのテレビの画像に自身の経験を捕捉したブログだ。

これは今後の調理手順の参考になる。(画像と文章を転載させていただきます。文章まるまるはさすがに気が引けるので少しは編集して)。

「お店で手作り」にこだわっているケンタッキーフライドチキン。朝早くから店長がコールスローのキャベツ刻んだりしている。

オリジナルチキンを作るため、まず冷蔵庫から「フレッシュ」と呼ばれる冷蔵の鶏肉のパックを2袋出す。この1袋には鶏2羽分の肉が入っているので4羽分。肉をひとつずつチェックし選り分けるのが「サバキ」という作業。

鶏1羽から作られるオリジナルチキンは9ピース。2羽分の肉が入ったフレッシュ×2袋だから、1回に調理するオリジナルチキンの量は36ピース。

オリジナルチキンには部位ごとに下記のとおり5種類の呼び方がある。

ウイング (手羽先) 2つ
リブ (アバラ) 2つ
キール (ムネ) 1つ
サイ (モモ) 2つ
ドラム (脚) 2つ

この5つの部位の、ウイング、リブ、キールが上半身で「ホワイト」、サイとドラムが下半身で「ダーク」と大別されている。

例えばオリジナルチキンを2ピースで購入すると、「ホワイト」のウイングと、「ダーク」のサイのような組み合わせになることが多い。

上の写真のようにドラムは皮がめくれあがっていたら被せてやる。キールに1枚だけマントのようについた皮もクチャクチャになっていたら延ばしてやる。皮は揚げた際に縮んでしまうのでサバキの工程で整えると出来上がりの見栄えがキレイになるからだ。

他にも、サイの腿の関節をグイっと曲げて脱臼させたりする作業がある。これも揚げるときの圧力による変形や骨折を防ぎ、キレイに揚げるために重要な一仕事である。

チェックや下ごしらえを行ったフレッシュは、「ホワイト」と「ダーク」に分けてバスケットに入れる。

それから「脱脂粉乳的な」液体に浸ける。バスケットに入れたフレッシュを、調理台に設置されているバケツに満たされた白い液体にバスケットごとくぐらせる。ゆすって液体をまんべんなく行きわたらせたら持ち上げて液体を切る。

ちなみにこの作業はホワイトから行う。理由は後ほど。

次いで「ブレディング」という工程。ツナギをくぐったフレッシュは、セメントを混ぜるトロ箱のように大きな樹脂製のバットに入った「フラワー」にダイブさせる。

ケンタッキーフライドチキンで言う「フラワー」は単に「小麦粉」ということではなく、小麦粉とスパイスやシーズニングをブレンドしたものを指す。

この「フラワー」まで各店舗でブレンドしている。

「ブレディング」とは、つまりフレッシュに「フラワー」をまぶす工程のこと。

「フラワー」にはスパイスやシーズニングも入っているから、オリジナルチキンの味がほぼ決まってしまうという重要な工程。なので「ブレディング」の手順には明確なルールがある。

両腕のヒジを曲げ、ヒジから先をフォークリフトのように「フラワー」の中に突っ込み、肉の下に潜り込ませて肉をリフトアップし、バットに落下させる。

今度は散らばった肉を、UFOキャッチャーのアームのように腕を両側から手首の上辺りまで突っ込んで、「フラワー」を持ち上げるような感じで軽くリフトアップし、バットの中央辺りに 転がす。

マニュアルには この作業を 〇回繰り返す と明記してあったような気がするが、詳細な回数は忘れてしまった。なにしろ数回繰り返し肉に「フラワー」をまぶす。

「ワンシェイク・ワンタップ」。これは「フラワー」をはたく動作のこと。

上の画像は「フラワー」がまぶされたウイングを両手にひとつずつ持っているところ。

まず「ワンシェイク」。ウイングを掴んだまま手を上から振り下ろし、ピタッと止める。これで慣性の法則に従って余分な「フラワー」が振り落とされる。

次に「ワンタップ」。「ワンシェイク」したウイングを持った両手を気持ち左右に開いて、今度は軽く左右の手首の内側同士をトンッとぶつけ合う。香水を手首につけてクルクル擦り合う部分。するとタップの衝撃でより強力な慣性の法則が作用し、更に余分な「フラワー」が振り落とされる。

これで肉はちょうど塩梅良く「フラワー」がまぶされた「揚げる前のオリジナルチキン」状態になるというワケ。

「ワンシェイク・ワンタップ」の工程を経たチキンを、フライヤーで揚げるためカゴに並べる。カゴは跳ね上げ式の3段重ねになっているから一番下の段からチキンを並べなくてはならない。

この揚げる際のカゴにチキンを並べる位置にもルールがある。大まかには「ホワイト」が下の段、「ダーク」が上の段、というイメージ。

だから「ブレディング」は、下の段に並べる「ホワイト」から先に行う必要がある。間違えてダークを先に「ブレディング」してしまうと、カゴに並べる作業が数倍面倒なコトになりタイムロスになる。

カゴにチキンを3段並べ終わったら、専用の取っ手を使ってカゴを持ち上げ、フライヤーまで運ぶ。

カゴをフライヤーに入れる作業を「ドロップ」と言う。

そして揚げる。

15分程度圧力をかけて揚げたら、フライヤーの圧力を抜き、カゴを持ち上げてフライヤーのフチに引っ掛ける。

こんな風に揚がったオリジナルチキンを、保温器に入れるためのトレイに並べる。

全ての工程を丁寧にこなすと、やはりキレイなチキンが揚がる。焦って作業したことが最も顕著に見た目に表れるのが ドラム 。サバキからブレディング、ワンシェイク・ワンタップをおろそかにすると、足首の部分と ふくらはぎ の部分をつなぐ皮が千切れて骨が露出した状態になりがちだ。

ジャーン!オリジナルチキンのできあがり!

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