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【ヤクルト】2024戸田軍 前半戦の雑感


はじめに

前半戦が終わり、フレッシュオールスターにオールスターゲームが開催されました。
今回はイースタンリーグ前半戦で、戸田軍のチーム成績と主に戸田軍で出場していた選手の成績見て雑感を述べていきたいと思います。

1 戸田軍チーム成績

総合成績

81試合37勝40敗4分勝率.481(7位)
内訳
3月
11試合8勝2敗1分勝率.800
4月
19試合7勝12敗勝率.368
3/4月計
30試合15勝14敗1分勝率.517
5月
20試合6勝13敗1分勝率.316
6月
21試合12勝7敗2分勝率.632
7月
10試合4勝6敗勝率.400

チーム投手成績

参考文献3をもとに筆者作成

被打率はリーグ最少で平均球速も2位タイとなっています。
一方でK%や被本塁打はリーグでも下の方であり、まだまだ改善の余地があります。

チーム打撃成績

参考文献3をもとに筆者作成

打率は5位と高くなく、澤井廉や北村恵吾の離脱があり去年リーグトップクラスだった本塁打率やISO(長打率-打率)もリーグで下の方です。

チーム守備成績

参考文献3をもとに筆者作成

守備率はイースタン5位ですがDELTAのUZRでは3位と圧倒的最下位だった去年から大きく改善しています。
ファーストはほぼ全ての選手が優秀ですし、サードの西村とショートの伊藤が素晴らしい守備を見せています。

2 戸田軍投手個人成績

14 西舘 昂汰

2023年ドラフト1位のルーキーです。
肘のコンディション不良があり、復帰は6月9日でした。
球種構成は、最速155km/h、平均148km/hのストレート、130km/h前後で斜めに落ちるスライダー、130km/h後半のフォークです。
全ての球種で空振りが取れるためK%は31.3%と非常に高水準(イースタン全体で約17%)です。
BB%は12.5%と少し高め(同約8%)ですが、大きく外れるボールは少なくゾーン周辺に投げ込めているので慣れの問題もあると思います。
ただ、いいボールは持っていますが粘られることも多いので、うまく打ち取れないと球数が嵩んだり四球が増える可能性が高いです。

・今後の課題と展望
今後の課題は「低めのストレートの質」と「クイック時の球速低下」です。
高めのストレートは腕を振って投げていて空振りを取れるボールですが、低めを狙うと回転数が落ちるのは当たり前とはいえ捉えられることが多くなっています。神宮本拠地ということもあり低めを要求されることもあると思うので、置きにいかずに腕を振れるようになってほしいです。
平常時の球速はコンスタントに150km/hを記録しますがクイック時は140km/h前半から後半まで落ちます。
大きな二段モーションということもあるでしょうが、落ち幅が大きいので少しずつ修正してほしいです。

8/3にプロ入り最長の3イニング投げたように順調にイニングを増やせています。
大学時代から出力が向上したこともあるため、ケアを重視しながら今年中にファームで5イニング投げて、フェニックスリーグでは先発として回れるようになるのが理想です。

15 山下 輝

度重なる肘の故障もあり、キャンプの時からテイクバックをトップ時に確実にスタンダードWを作る形のものに大きく変えていました。
そこから以前のテイクバックを改良したものへと変わってきています。
テイクバックを変えたこともあり、最速が130km/h台中盤まで落ち込むこともありましたが、現在は140km/h前半まで取り戻しています。
また、スライダーが決め球として機能するようになったため、K%が15%台まで向上しています。

・今後の課題と展望
今後の課題は球速の向上とシンカー系の習得です。
最速が140km/h前半だと結果を見ても被打率が高く厳しいため、少しずつテイクバックに慣れて腕を振れるようになるでしょうし、今シーズン中に145km/hまで戻してほしいです。
また、球種構成的に利き手側に沈むボールがなく、対右で苦しむと思うので、一軍で先発するためにも球速を上げるかチェンジアップかシンカーを習得してほしいです。
今後は球速を戻すとともに怪我無くファームで先発を重ねていってほしいです。

16 原 樹理

キャンプからテイクバックを変えるなど、コンディション不良に苦しんだ去年から大きく変わろうとしていました。
シーズン序盤はフォーム改造もあってか最速140km/h前半に留まっていましたが、4月中旬から腕が振れるようになり最速146km/hを記録し、6月には全力で腕が振れるようになり、球速だけじゃなく質も向上してきました。

その後8月にはシュートが最速146km/h、ストレートが150km/hを記録して球威が戻っています。
球種構成はストレートシュートが軸で、今はカットボールもカウント球から決め球まで使えるボールになっています。
他にはスライダー、カーブ、チェンジアップを主に投げています。

・今後の課題と展望
球速が戻りましたし、ストレートメインでカットシュートで押し切れるようになっています。
内野ゴロを打たせるらしいピッチングができて四球を出さない一方で奪三振も少なくなっているので、取れるようになれば一軍でも活躍できると思います。
現状、カットボールとスライダーとシュートが決め球になる変化をしているボールなので、対右は上手く組み合わせて三振を取れるようになってほしいです。
対左は球種構成もあって今年通算で3割打たれているので、チェンジアップとカーブを磨く必要があります。
ここ3年で一番良い状態ですし、一軍で投げる姿を見せてほしいです。

17 清水 昇

ここ4年、セットアッパーとしてチームを支えてきましたが、今年は打ち込まれる試合が多く、4/25に抹消され、6/12に再登録されましたが結果を残せず7/7に抹消されました。
再抹消後は先発への挑戦が発表されました。

中継ぎ調整時はストレートとフォーク主体の投球で、抹消直後はフォークを見切られストレートを捉えられていました。
6月に入りストレートの球速が上がっていたのもあり結果は残せていましたが、フォークを見切られる場面が多かったです。
先発転向後は1イニング目は大体完璧に抑えることが多いですが、回を追うごとに捉えられることが多いです。
球種構成は、中継ぎ時代は最速152km/hのストレートとフォークが主体で、時折カットボールやカーブお投げていました。
先発転向後はカットボール、シュート、カーブが主体のヤフーレに近いスタイルで、ストレートは高めで空振りか外角低めで見逃しを狙い、フォークも少なくなりました。

・今後の課題と展望
中継ぎとしては疲労や相手の慣れや高速化など様々な要因からか打ち込まれるようになりました。
先発転向後は1-2イニング目は全ての球種を上手く使い内野ゴロか三振に打ち取ることが多いですが、回を追うごとに捉えられることが多く、8月は防御率11.42、被打率.400と打ち込まれています。
外野フライが少なく、ストレートで見逃しやファールを取れていることを考えると、球威の維持や周回効果に打ち勝つ投球を身に着ければ先発としてやれる可能性はあると思います。
今年の経験を糧に新しい投球スタイルに慣れていってほしいです。

18 奥川 恭伸

腰痛による離脱があり、初登板が遅れましたが、4/20にファームで登板をすると、その後順調に登板を重ね、6/14に一軍で登板、勝利を記録しました。
その後は中10日以上空けながら登板し、8/11には中8日で登板しました。
その後腰痛の再発があり、抹消されています。
ファームではテイクバックや投げ方の改良もあり、かなり抜け球や引っ掛けたボールが多くなっていました。
また、変化球で空振りを取れないため、奪三振が少なく、粘られてヒットを打たれることがありました。
球種構成は、最速152km/hのストレートとスライダー、フォークが軸で、カーブも投げます。

・今後の課題と展望
制球が完全には戻っていないことと変化球で空振りが取れていないところです。
腰痛もありフォームを改良しているため、慣れるまでコントロールが低下するものだと思うので仕方ない面もありますが、一番の武器はコントロールだと思うので何とか取り戻してほしいです。
また、変化球について、フォークの空振り率が約10%落ちています。
コントロールの問題もありますが、ファームでもスライダーが良い日はありましたが、フォークが良い日はあまりなく、抜けることもありました。
ただ、コントロールや変化球の課題があるとはいえ、球速は出ていて被打率は2割前半と優秀な結果を残しているので、トレーニングを積んで現在のフォームに慣れたらまた素晴らしいピッチングを見せてくれると思います。

19 石川 雅規

一軍は短くても中10日で登板するようになっており、間隔が空く場合はファームでの調整登板をしています。
今年はしっかり抑えていて、K%が高くなっています。
一方でBB%も高く、被本塁打もあるなど強く振ってきて捉えられています。
去年までなら単打を連打されて失点を重ねるケースが多かったですが、今年は被弾による失点や四球からの失点があり、例年とは違う崩れ方をしています。
一軍でQSを達成するなど好投がある一方で序盤から長打を打ち込まれるケースがあります。
もう少しで通算200勝なので、なんとか達成して欲しいです。
そのためにも一軍でも奪三振を増やして欲しいです。

26 山野 太一

一軍では6/12に初先発をして7回1失点と好投し、次も立ち上がりに失点したものの7回3失点と結果を残しました。
しかし、その後は早い回で捕まることが多く、8/8以降は主に中継ぎとして登板しています。
ファームではオーソドックスなフォームで投げていて、段々と今の形に変更していました。
失点は多くても2失点にまとめていて、指標も全体的に改善されています。
球種構成は、最速151km/h(一軍では149km/h後半)のストレートとスライダー、ワンシームが軸で、カットボール、フォーク、カーブも投げます。

・今後の課題と展望
去年の特徴あるフォームから大きく変更していて、現在はピーターズのような並進運動を力強くするフォームに大きく変わりました。
球速が出るようになり、スライダー、フォークの変化が良くなったように見えますし、ファームの成績を見ると去年からK%とBB%が改善しています。
一方で、去年までは特に左打者のインコースをストレートカットワンシームで攻めていたこともありスイングをさせないで打ち取ることが多かったですが、今年は左右問わずしっかりスイングされています。

去年と今年のベストピッチである2023/8/1巨人戦と2024/6/12ソフトバンク戦です。
もちろんハイライトなので全てではないですが、巨人戦はタイミングを外したようなスイングが多いのに対し、ソフトバンク戦はフォームに合わせてスイングされているように見えます。
甘いボールがいったり抜けたりすることがあることから制球の改善は必須ですし、フォームを変更してしっかりスイングされていることから、見せ方や質の向上も必要です。
ただ、去年から一軍二軍両方とも奪三振と与四球、Hard%は改善していますし、フォームを大きく変えて1年目なので、フォームに慣れて少し見せ方や質が変われば飛躍もあると思います。

28 松本 健吾

2024年ドラフト2位の大社卒ルーキーです。
オープン戦は結果を残せずファームスタートでしたが、高めのストレートと低めのスプリットのコンビネーションで圧倒的な成績を残し、一軍昇格を果たしました。
一軍初登板では完封、しかも二桁奪三振と無四球と完ぺきな内容でした。

ただ、その後2試合連続で序盤から打ち込まれ、抹消されました。
その後、ショートイニングで登板しており、恐らくフォーシームの改善に取り組んでいるものと思われます。
K%は大きく向上していますがBB%も悪化しており、被打率も大幅に悪化しているのは気になるところです。
球種構成は、最速151km/h、平均約145km/hのストレートと130km/h台のスプリット、スライダーが軸で、カットボールカーブも織り交ぜます。
8/25の登板ではシュートを投げていました。
フォームはオーソドックスなオーバースローで、積極的にゾーンに投げ込むスタイルです。

・今後の課題と展望
やはりストレートです。
春先から一軍抹消までは高めのストレートと低めのスプリットのコンビネーションで打ち取っていましたが、だんだんとスプリットを見切られるようになりました。
ファーム合流後は高め低め問わずストレートを試していますが、高めストレートだと低めのスプリットを見切られるようになり、低めストレートは捉えられるなど、難しい状況にあります。
1-2イニング目であれば球速が出ていて球威もあるため、打ち取れるようになっています。
球威を維持して長いイニングを投げられるようになるか、カットボールやツーシームの質を向上させていきたいところです。
また、8/25はシュートを曲げる意識が強いからか左肩の開きが早く、そのまま身体を回転させていました。

5/15の完封の時と比べると、元々ある程度開きが早いですが、開きが大きくなり身体の回転も遅くなっているように見えます。
それでも151km/h出していたということは身体の開きや運動連鎖の改善ができれば球速の向上ができると思うので、今からシーズンオフにかけて動作解析やフォームの修正を行えば、来年飛躍する可能性があると思います。

29 小川 泰弘

3月上旬に上半身でのコンディション不良の離脱があり、その後も2度体調不良で一軍登板予定が流れるなど、万全じゃないシーズンになっています。
ファームでは調整登板ということもあるのか球速が140km/h前後ということが多く、そのストレートやカットボールが捉えられることが多いです。
7/28から代名詞だったライアンフォームを封印してオーソドックスな足上げフォームとなりました。
更に8/4からは足を上げる前に左足を一塁側に引くようになりました。
7/28の投球は最速148km/h出て最後まで出力が落ちることなく投げきれましたが、8/4は最速144km/hで捉えられた打球が多く、調子の波も大きくなっています。
現状の投球スタイルだとストレートの質が生命線なので、質の高いストレートを安定して投げられるようになってほしいです。

34 田口 麗斗

キャンプ中盤に下半身のコンディション不良により離脱し、開幕を一軍で迎えましたが調整のため抹消されました。
復帰直後は140km/h前後と球速が出ず、被打率も.308と打たれていました。
登板を重ねるごとに少しずつ球速は出るようになり、145km/h前後まで戻して5月は上図のように圧倒的な成績を残して一軍に復帰しました。
復帰後は球速が145km/h前後と去年の球速まで戻っていませんが、防御率を1点台に戻す良い結果を残しています。

35 石原 勇輝

2024年ドラフト3位の大卒ルーキーです。
春季教育リーグではいい成績を残しましたが、シーズン始まってから打ち込まれる苦しいピッチングが続きました。
その後間隔を空けて6月に復帰してからは高めのストレートで空振りを取るなどいいピッチングをしました。
ただ7月に入ってからは変化球が制球できないなど不安定なピッチングが続いています。
球種構成は、プロ入り後最速147km/h、常時140km/h前半のストレート、130km/h前後のスライダーが中心で、チェンジアップ、フォーク、カーブも投げることがあります。
クロスファイヤーが武器で、左右問わずストレートで見逃しを取ることが多く、三振もストレートによる見逃し三振が多いです。

・今後の課題と展望
ボールの質、制球ともに改善が必要です。
フォームもプロに入って安定しある程度身体ができている中で力強く腕を振って投げられていますが、制球が安定しない日が多く変化球が見切られたり捉えられています。
ストレートとスライダー系でテイクバックの深さや力みに差があることが一因だと思います。
SSTCなどを利用して動作解析を行い身体の使い方やトレーニング方法を学ぶなど、オフを利用してピッチングを改善していけたらと思います。

37 エルビン・ロドリゲス

開幕は二軍で迎え、先発で起用されていました。
ボールに力があるため、ある程度アバウトながらも球威のあるボールをゾーンに投げ込むことで、少し被打率は高くなっていますが抑えていました。
ランナーを出してからもある程度まとまった投球ができていました。
4/30にファーム登板から中1日で一軍で初先発しましたが、制球の乱れもあり結果を残せず抹消されました。
抹消直後は2試合先発として起用され、その後は中継ぎ起用となりました。
抹消後からツーシームをかなり使うようになり、併せてカットボールとチェンジアップも多くなりました。
ある程度バラついた制球やフォームが続いていましたが、5/30から少しずつ良いフォームで投げるようになるとともに、フォーシームが抜ける/引っ掛ける時にカット/ツーシームで修正してゾーンにボールを集められるようになりました。
6月から成績と球速が向上し続けて、6/26からフォームもほぼ完成しました。
7/4に一軍登録されてからの活躍は皆様ご存知のとおりです。
球種構成は、最速156km/hのフォーシーム、スライダー、ナックルカーブが一軍での軸で、140km/h台のカットボールツーシームと、チェンジアップも投げます。
特に高めのフォーシームの威力が凄く、高い空振り率を誇っています。

・今後の課題と展望

2022〜2024までフォームの比較動画です。
最新のフォームの打たれていないものは各自で探していただけると助かります。
これまではあまり力強くない並進運動をしていて、上体を折ることで腕を強く振るか軽く振りながらターンをするフォームでした。
それが力強い並進運動と、軸足から回転運動を連鎖させて強く腕を振ることを実現して常時150km/h超の球速を出せるようになりました。
また、制球も大きく安定し乱れていても投球の中で修正できるようになっています。
更に課題だったランナーがいる場面での投球も克服してほぼ関係無く凄いボールを投げ込んでいます。
変化球もその日の調子によって左右されますが、スライダーカットボールナックルカーブは指標も良く、カウント球や決め球としても使えています。
ツーシームは少し抜けることがありますが、フォーシームの修正やインハイ意識のボールとして使えています。
チェンジアップはまだ操れていませんが、少しずつ低めに決まるようになっています。
あとは先発として長いイニングを投げる時に今のクオリティーを維持できるか、対右に比べて苦手にしている対左のためにもチェンジアップの質を向上できるかが課題です。
ただ、今年一年でここまで実力を伸ばした投手なので、来年に向けて課題を克服できると信じていますし、先発する姿を見せてほしいです。
𝑩𝑰𝑮 𝑬 𝑩𝑰𝑮𝑳𝑶𝑽𝑬─────────

39 ホセ・エスパーダ

2024年新外国人投手です。
開幕一軍で中継ぎとして登板し、一時期まで0点台と抑えていましたが、5月から打ち込まれる試合が増え、6/16に抹消されました。
ファームでは6月7月と最速155km/hのストレート中心に圧倒的な成績を残しています。
球種構成は、最速156km/hでホップ成分50㎝超のストレートと140km/h台のスプリット、130km/h前後のナックルカーブを投げていて、まれにチェンジアップも投げます。

・今後の課題と展望
与四球率が低くなく、その日の調子によって変化球の精度が大きく変わるように制球の問題と、球速が安定しないところです。
ただ、8/24の登板では並進運動から左足の着地まで動作のブレがなく、しっかりと地面を蹴って並進運動できるようになっていました。
リリース~フィニッシュにかけても、これまでのように一塁側に身体が流れたり左足を突っ張りすぎてボールが行かなかったりバラつくこともありましたが、しっかり動作がハマって投げられているボールもありました。
最速156km/hを投げるように150km/hを超えるストレートを投げられるようになっていますし、いいフォームで投げている時は変化球の質、制球ともに良いので、フォームが固まれば覚醒すると思います。

40 高梨 裕稔

本人が先発挑戦を掲げたこともあり、ファームで先発登板を重ねてきました。
これまで代名詞だったフォークに加えてスライダーが決め球として機能しており、イースタンの先発投手の中でも高いK%を誇っています。
被弾するなど打ち込まれる試合や一気に捕まり失点を重ねる試合もありましたが、どの月も全体的に安定したピッチングを見せています。
7/27に一軍登録され、7/30に初登板(1 2/3回奪三振2失点2自責0)、8/9に初先発(6回奪三振3失点3)しました。
被弾2して被安打も多かったですが、要所を締めてQSを達成しました。
球種構成は最速151km/hのストレートとフォーク、スライダーに加えてカットボール、カーブ、シンカー、シュートを投げます。

・今後の課題と展望
最初のイニングは140km/h後半を安定して出せていますが、3-4回あたりから球速が落ち始めて捉えられることが多く、被打率も高くなっています。
スライダーは全体的に制球が安定していますが、スライダーだけだと見極められることが多く、フォークやシンカーを織り交ぜる必要がありますが、フォークやシンカーは浮くことや抜けることが多いです。
そのため、球速が出ている立ち上がりは抑えられますが、その日の調子によって3-4回を乗り越えられるか乗り越えられないか変わってきます。
ストレートの威力や変化球のキレは相変わらずで空振りを取れるので、先発であればイニングを追っても球速を低下させず投げてほしいです。

41 柴田 大地

5/5に一軍登録されましたが、登板後5/6に抹消されました。
変化球の改善がずっと課題だったため、3-4月はカットボールとスプリットを多く投げていました。
序盤は不思議な軌道をしていたこともあり、浮いていたものの捉えられず抑えていました。
ただ、浮くボールが多かったため、BB%が高くなっています。
5月中旬から徐々に両球種がゾーンに決まるようになり、特に6月下旬から7月上旬にかけてはストレートカットスプリットがコースに決まり空振りがとれていて、完璧な内容が続いていました。
その後8月は制球が乱れる登板が続いていますが、球威は抜群で空振りは変わらず取れています。
球種構成は、最速152km/hで空振りの取れるストレート、130km/h台後半のカットボール、140km/h台のスプリットで、制球がままならないときはシュートも投げます。

・今後の課題と展望
最近の投球で言えば、立ち上がりにストレートが抜けて右打者の顔付近に行くことです。
また、カットスプリット両方が制御不能という登板は減りましたが、時々両球種ダメになることも課題です。
立ち上がりのストレートについては、8月は続いているので、ターゲットを変えるかプレートの位置を変更するなどして修正していきたいです。
ただ、抜けていてもカットかスプリットを投げることで修正できるようになっていますし、ボールの質は確実に向上しているのでもう一段階進化して、また一軍のマウンドを勝ち取ってほしいです。

48 金久保 優斗

6/22に初めて一軍登録され、6/25に初登板しました。
その後抹消をはさみながら主にビハインドで登板し、8/1の抹消後はファームで登板しています。
ファームでは去年に続いてフォームを色々試しながら登板しています。
主に軸足を強く回すフォームとリリース時に左足を強く引くフォームが多く、時々オーソドックスなクセのないフォームで投げています。
制球もその日のフォームやマウンドとの相性で変わるため、叩きつける試合と浮く試合がはっきりしていて、良い時は与四球がなく、悪い時は与四球が多くなるため、月間成績で見てもBB%が大きく変動しています。
球種構成は、最速153km/hのストレートとスライダーが軸で、シンカーとフォーク、カーブを投げます。

・今後の課題と展望
平均球速が過去最高になり、空振りを取れるようになるなど身体ができて威力のあるボールを投げられるようになっています。
一方でフォームが安定せず、リリース時に左足を引くフォームでは、つんのめる形になって低めのボールゾーンに投げることが多く、軸足を強く回すフォームでは高めに浮くことがあります。
また、オーソドックスなフォームでも抜けたり叩きつけることがあるため、フォームと制球の安定が大きな課題です。
8/21の登板ではこれまでとは異なり、ゆったりと少し外側を通しながら足を上げるフォームになり、時々フィニッシュでバランスを崩す場面もありましたが、全体的にフィニッシュまで決まって凄いボールを投げていたので、あのピッチングを継続できれば先発として一軍でも結果を残せると思います。

49 嘉弥真 新也

2023年にソフトバンクを戦力外になり、ヤクルトに入団しました。
オープン戦では7試合に登板して防御率0.00被打率.053と結果を残し開幕一軍を勝ち取りましたが、シーズンでは6試合に登板して防御率13.50被打率.563と打ち込まれ4/19に抹消されました。
その後ファームで結果を残し7/6に再登録されましたが、結果を残せず7/14に抹消されました。
ファームでも4月の抹消直後は打ち込まれましたが、その後はシュートとチェンジアップも織り交ぜるようになり、5月以降は高騰していましたが、8月に入り制球の甘さやストレートとスライダーのスタイルに戻ったことで打たれています。
球種構成は140km/h前半のストレートとスライダーで、シュートを左打者の内角や右打者の外角、チェンジアップを左右問わず低めに投げています。

・今後の課題と展望
ストレートとスライダーを左打者の外角に投げるスタイルでは、相手に対応され抑えることが厳しくなっています。
また、制球が甘くなり真ん中にいったボールを痛打される場面が一軍や8月のファームで見られるようになっています。
ストレートとスライダーのツーピッチでこの先も投げるのであれば制球とボールの質の向上が不可欠ですし、シュートとチェンジアップを混ぜるのであれば、シュートとチェンジアップの質を向上させてほしいです。

52 尾仲 祐哉

3-4月は抑えていたものの球速があまり出ておらず、抜け球や真ん中に集まるボールが多く、球威で抑えている印象でした。
半月空いて5/19に登板してからはシュートが増え、フォームもせわしなく動いていたものから動きが小さく安定するようになりました。
5-6月も変わらず甘く入ったり抜けるボールが多かったですが、6/11以降は内角外角の投げミスが無くなり、球速もストレートやシュートが140km/h後半から150km/h前半出るようになりました。
球種構成は、最速152km/hのストレートと最速151km/hのシュート、130km/h前後のスライダーを軸に、カーブ、フォーク、チェンジアップを投げます。

・今後の課題と展望
6/11以降は自責0、7/2以降は失点0と安定感抜群の登板が続いています。
対右であればシュートを内角に投げ切り、スライダーも内角外角しっかり投げ分けていて、良い内容で抑えることができています。
チェンジアップは抜けることが多く、フォークも空振りが少ないように落ち球の質は課題です。
ただストレート、シュート、スライダーの質と精度はとても高いので、落ち球を制御できるようになれば一軍でもかなり活躍ができると思います。

53 長谷川 宙輝

4/21に一軍登録されると対左のワンポイントやロングリリーフとして起用され、6/2に一度抹消されました。
その後8/10に再度一軍登録され、対左を中心に起用されています。
ファームでは継続して力のあるストレートを中心に球威で抑えており、特に6月は圧倒的な成績を残しました。
球種構成は、最速152km/hで空振りの取れるストレートとスライダー、チェンジアップを中心に投げていて、時々カットボールも投げます。

・今後の課題と展望
スライダーとチェンジアップの精度が日によって大きく異なり、調子が良い日はコースに決まりますが、基本的にどっちかの変化球は精度が悪く、調子が悪い日はどちらも抜けてしまうことが多いです。
ただストレートに球威があるため、ファームではストレートだけでも抑えることができていました。
ただ、一軍となるとストレートだけで抑えられるわけじゃないので、スライダーかチェンジアップ、もしくは新しい球種を左右問わずいつでも使えるボールにしたいです。
突発的な抜け球は去年より少なくなっていて修正力のある投手ですし、ストレートは球速が出ていて高めに決まれば一軍でも空振りを取れるボールなので、あと1球種磨いてほしいです。

56 坂本 拓己

4/29にプロ入り後最速151km/hを記録する一方で、BB%が18.5%と制球に難があり、不安定なピッチングが多かったです。
その後間隔を空け、7/13に登板し、7/28には最速タイ151km/hをを投げて良い結果を残していました。
ただ、8月に入ると制球が乱れる場面が多くなり、最速も148km/hと落ちています。
球種構成は最速151km/hのストレートとこれまでより速くなった130km/h前後のスライダー、120km/h前後のチェンジアップを投げています。

・今後の課題と展望
去年からテイクバックが少し変わり、並進運動時に少し後ろに伸ばして止めるようになっています。
その動作によってトップまではブレが少なくいい形になっているように見えます。
課題となるのはリリース時の着地の動作で、7月の2登板は再現性がありましたが、4月と8月は突っ張りすぎて乗れないことが多くなり、制球も乱れていました。
また、球数が増えるとストレートの球速が130km/h後半しか出なくなるように暑さや体力、筋出力などの課題があります。
しっかり投げられた時は凄いボールを投げますし、スライダーも改良されて空振りが取れるボールになっています。
まだ高卒2年目ですし、身体づくりを進めながら課題を一つ一つ解決していってほしいです。

58 阪口 皓亮

昨秋からツーシーム、スイーパーに取り組み、カットボールも去年の大きく曲がるものではなくツーシームの対になるような変化の小さいものに変え、先発としてシーズンに突入しました。

4月は防御率1点台と結果を残して4/20に一軍で今季初先発しましたが、4 2/3回7失点と結果を残せませんでした。
その後一時ファーム規定防御率0点台を記録するなど結果を残して7/28に2度目の一軍先発をしましたが、3 2/3回3失点と結果を残せず、再度抹消されました。
球種構成は7/28までツーシームと曲がらない方のカットボールが主体で、スイーパー、カーブ、シンカー系のスプリットを織り交ぜていました。
5/10ごろまではある程度出力を出したスタイルで、ツーシームカットは140km/h後半を記録していて、BB%は高いものの被打率が低く球威で押し切るスタイルでした。
それ以降7/28までは145km/h前後でコースに投げ込むスタイルとなり、BB%は改善しましたが、被打率は高くなりました。
7/28以降はフォーシームと大きく曲がるカットボールを復活させ、150km/h前後のストレートとツーシーム、カーブを織り交ぜたスタイルになっています。
ただ、相変わらずストレートは捉えられていて、イニングを追うごとに制球が乱れる場面が多くなっています。

・今後の課題と展望
制球を重視すると出力と球威が不足し、出力と球威を重視すると制球が不足しています。
また、フォーシームの質が改善したわけではないので、150km/hは出ていますがファームでも捉えられています。
制球については、コースを狙いすぎていてボールが先行しているように見えます。
基本的にツーシームカットのスタイルで、4/20の登板で途中から西田が見せたようにターゲットにグラブを構えてもらい投げるところを意識するようにして制球を改善するか、SSTCなどで動作解析を行い、制球重視でも球速を上げられるようにしていく必要があると思います。
ファームで圧倒的な成績を残せていたように一定以上のレベルにあると思うので、一軍で結果を残すために必要なものを手に入れられれば一気に結果を残せるのではないでしょうか。

61 宮川 哲

2023/12/21、元山飛優とのトレードで加入しました。
今季は開幕を二軍で迎え、4/5に一軍登録されましたが4/16に抹消されました。
ファームでは不安定な投球が続いており、抑える時は三者凡退が多いですが、ダメな時は四球を出して打ち込まれるため、全体の成績としてFIP、BB%、被打率が高くなっています。
球種構成は、最速152km/hのストレートとパワーカーブが軸でカットボール、フォークも時折投げています。
今季は一時期チェンジアップも試していました。

・今後の課題と展望
好不調の投球内容が大きく異なります。
不調時はストライクボールがはっきりしていて、球速が出ていても球威がないのか捉えられます。
また、捉えられないとしても粘れるので、打たれないにしても与四球が嵩んでいます。
被安打があった試合で失点しなかったのは2試合のみと本当に悪いなりの投球ができていません。
今後活躍するためには、調子が悪くてもカーブの制球はできるようにして何とか凌げるようになるかカット・フォーク・チェンジアップなどの球種で買わせるようになりたいです。
個人的にアウトステップ気味なのも気になります。

62 竹山 日向

キャンプ途中でリハビリ組に合流しました。
その後4/29に今季初登板をし、中10日以上間隔を空けながら球数を増やしていきました。
1、2試合目は復帰直後ということもあって腕を振れていなかったり以前のフォームに近い形で投げることもあり、球速も140km/h前半に留まっていました。
一変したのが5/19で、腕をしっかり振って並進運動から回転運動への変換、リリースという運動連鎖もできていて、最速150km/hとポテンシャルの一端を見せた登板でした。
その後は力みも出てきたのか、フォーシームと変化球の腕の振りがバラついて制球もままならず置きに行ったボールを打ち込まれる試合が増えていました。
8/23に変わり身を見せ、力みのないフォームで140km/h後半〜150km/hを投げて、フォーシームと変化球も制球に困らないピッチングを見せました。
球速構成は最速152km/hのフォーシームと140km/h台のツーシーム、130km/h前後のスライダーを軸にしていて、シーズン序盤はチェンジアップも投げていました。

・今後の課題と展望
身体操作性の向上が第一です。
ただ、8/23の登板で見せたピッチングは力感無く余裕がありながらしっかり身体を使って、最速150km/hで5回まで安定して140km/h後半を制球に困ることなく投げていました。

また、これまでストライクゾーンに投げることに苦労していたスライダーでもゾーンに投げ込むことができていました。

投げ方を見ていてもこれまでのように思いっ切り腕を振って球速を出したわけではなく、しっかり身体を使えたから余裕のある感じでも球速と制球を安定させて投げられたのだと思います。
オフから様々なトレーニングを積んできていましたが、それがやっと花開いてきたんだと思います。

このまま自分の身体操作を掴み、併せてトレーニングを積んでいけば平均155km/hは投げられるポテンシャルがあると思います。
空振りや奪三振が少ないことも現状の課題ですが、このまま伸びていけたら自然と結果はついてくると思うので、今掴んだものを離さずに良いピッチングを見せてほしいです。

68 丸山 翔大

開幕はファームで迎えましたが好投を続け、4/19に一軍登録されました。
その後6/2に抹消され、8/11に再度登録されました。
ファームでは3-4月はストレートとカーブ主体で抑えていて、スライダーとフォークは完璧に決まるか荒れるかでした。
抹消後の6月以降ははフォークを課題としたのか主に投げるようになりました。
ただ、制球できていない日も多く、与四球が多かったです。
他にもクイックや遅いフォークを試すなど、色々と試行錯誤が続いていました。
球種構成は、最速155km/hのストレートと、140km/h台のフォーク、100〜110km/h台のカーブが軸で、一軍ではスライダーも投げています。

・今後の課題と展望
立ち上がり制球が不安定なことと、球速が上がったこともあるのかフォークが制球できず、叩きつけるかすっぽ抜けることが多いことです。
ただ、8月の一軍登板では、カーブやスライダーを投げることで段々とストレートを制球できるようになっています。
フォークも登板を重ねるごとにある程度低めに制球できるようになっているので、このまま登板を重ねながら制御の感覚を掴んでほしいです。
ストレートは球速、質ともに良く見えますし、あとは一軍登板を重ねて来年はセットアッパーを担ってほしいです。

69 今野 龍太

4/26に一軍登録され、5/7に抹消されました。
ファームでは、シーズン序盤はストレートを軸にした投球でしたが、ここ2年は空振りを取れておらず、日によって制球が不安定になることもあり、結果を残せていませんでした。
6月からカットボールの精度が向上し、6月下旬から8月まで連続自責0が続いています。
特に8月はカット軸で相手も頭にあるからか、ストレートで空振りを取れる場面が増えてきました。
球種構成は、最速153km/hのストレートと140km/h前後のカットボールが軸で、6-7月はチェンジアップ、7-8月はカーブとフォークも投げています。

・今後の課題と展望
8月はK%は36.4%、BB%は0%と圧倒的な成績を残しています。
制球も変化球の質も安定していて、序盤不安定だった連投でも結果を残せたので、あとは昇格を待って結果を残し続けるだけだと思います。
ストレートの被打率が高いところは課題ですが、カーブもフォークも変わらず操れるのであれば問題ないと思います。

013 嘉手苅 浩太

キャンプで別メニュー調整になるなど一時離脱がありましたが、間隔を空けながら登板を重ねています。
投球構成は130km/h後半のツーシームと130km/h前後のスライダーが軸で、7-8月には140km/h前後のフォーシームも投げています。
8月に入りかなり腕や身体の使い方を横にしています。

そのため元々かなり曲がっていたスライダーとツーシームが更に大きく曲がるようになっています。

・今後の課題と展望
現状、ツーシームとスライダーの曲がりがフォーム変更もあって大きくなっていますが球速は120~130km/hとかなり遅いです。
また、フォーム変更もあって制球が以前より荒れているところも課題です。
今後支配下を目指す上で先発で目指す場合は、ヤフーレのように平均球速145km/h超でカットかカーブとシンカーが欲しくなります。
中継ぎであれば、木澤か山本が目指すべき選手像で、今の球種構成にカットが加わって平均球速が+10km/h欲しいと思います。
体格は立派ですし、ウエイトトレーニングなどを積んで身体を作っていけば150km/hも夢ではないと思いますし、球質や変化量を保ったまま球速が上がれば2軍で成績を残して支配下契約を勝ち取れるんじゃないでしょうか。

015 沼田 翔平

ウインターリーグでも圧倒的な成績を残し、先発として支配下登録を目指す一年でした。
ただ序盤に先発した時は先頭打者に四球を出すことが多く、ランナーを出したところで置きに行ったボールを被弾することが多かったです。
その後ショートイニングに戻ってからはスライダーカットを多く投げるようになり、被打率やK%を改善させています。
8月に入ってからはグローブを高く上げるフォームに緩いカーブとストレートと緩急を使った投球を試して結果を残しています。
球種構成は最速153km/hのストレートと140km/h前後と130km/h中盤の二種類のフォーク、130km/h後半のカットボール、130km/h前半のスライダー、110km/h台のカーブ、140km/h中盤のシュートを投げています。
序盤は高めにストレート低めにフォークの組み立てが主流で、それ以降はバランス良く球種を使っています。

・今後の課題と展望
課題はやはり決め球です。序盤はウインターリーグから引き続いてフォークを決め球にしていましたが、見切られることが多く、成績を残せませんでした。
ショートイニングに戻ってからはカットシュートフォークをバランス良く使うようになり、改善の兆しが見えました。
8月に入り高低や奥行きを使うようになり、低めのストレートやカーブを多く織り交ぜたピッチングをしています。
多くの球種を操れる器用さがありますし、小澤のように空振りを取れるストレートになれば球速も出ているので一気に成績を残せるようになると思います。

019 下 慎之介

サイドスローに転向しました。
シーズン序盤は完全なサイドスローでしたが、途中から少し上げてスリークォーターと完全なサイドスローの中間になっています。
140km/h前後のスライドしながら沈むようなストレートと130km/h前後のスライダーを中心にしたピッチングです。
奪三振能力は相変わらず高く、特に7月は素晴らしい数字を残しています。

・今後の課題と展望
K%より高いBB%が示しているように制球力の向上が最も大きな課題です。
リリース時に右足を思いっきり突っ張ってターンするようなリリースが安定しないものでした。
また、ストレートもスライダーも抜けることが多く、死球も多くなっています。
また、球速が140km/h前後から伸びていないことも課題です。
球速が伸びないのであればボールの質を向上させて種類も欲しいです。
現状のままでは厳しいので、色々と試しながら何か掴んでほしいです。

3 戸田軍野手個人成績

0 並木 秀尊

一軍では主に代走の切り札として活躍していました。
ファームでは選球眼や脚を生かして高い打率と出塁率を誇っています。
7/3に左肩脱臼で離脱しましたが、8/12にファームで復帰しました。
復帰後長打が出て盗塁を決めています。

守備は脚力を生かした素晴らしい守備をしていて、送球もかなり良くなっています。

・今後の課題と展望
スイングが鋭くコンタクトもできていますが、ゴロが多くハードヒットが少ないです。
6月はファームでフライとハードヒットの割合が向上していましたが、復帰してからは5月までの水準に戻っています。
センターのレギュラーを掴むためにも試合勘を取り戻しながら強い打球を打てるようになってほしいです。
選球眼もありますし、長打力が身につけば一気にセンターのレギュラーもあると思います。

00 赤羽 由紘

オープン戦.375 2ホーマーと大暴れすると内外野守れるUTとして開幕一軍を勝ち取り、4/29に一時抹消されましたが、5/17に再度登録されました。
その後7/21に今季初ホームランを打つと、ボール球の見極めに粘り、流し方向へのヒットと後半戦.636と覚醒の気配を見せましたが、7/31に左手に死球を受け骨折、離脱となりました。
ファームでは追い込まれてから軸足を引いてカットをするなど追い込まれてからの対応に取り組んでいた印象です。
全体的に低調でしたが、6月は2ホーマーと復調の気配を見せ、7/27には1ホーマーを含む完璧な内容と結果を残し、親子ゲームとなった試合でも代打でダメ押しのタイムリーツーベースを放ちました。

ショートとセンターはマイナスですが、高い身体能力を生かした守備で内外野問わず高いレベルで守れます。

・今後の課題と展望
まずは怪我を癒し、リハビリをして復帰するところからです。
抜けてきたストレートだったので、復帰後に恐怖に打ち勝ってほしいです。
後半戦見せた打撃は本当に素晴らしいものでしたし、時間は掛かると思いますが、掴んだものを取り戻してまた素晴らしいプレーを見せてほしいです。

5 川端 慎吾

代打の神様です。
今季は6/27に抹消され、7/19に再登録されています。
バットコントロールは健在で、ファームでも上手くコンタクトして内野と外野の間に落とすヒットが多く見られました。
ただ、全体的に打球が弱く、ライナー性の強い当たりがファームでも少ないため、一軍での厳しい結果に繋がっていると思います。
ボールの影響があるかもしれませんが、変化球が全般的に捉えられていないので、何とかここから上手く捉えられるようになってほしいです。

守備範囲は広くないですが、範囲内の打球を堅実に捌いています。

10 宮本 丈

低い弾道で鋭い打球をライト前に飛ばし、ヒットを重ねていました。
5月はK%がほぼ倍になるなど調子を崩しましたが、6月に入り復調し、今季初ホームランが出た直後に一軍昇格し、打率.302をマークしています。

ファーストでは流石の守備を見せていますが、両翼は守備範囲が狭いです。
ただエラーは無く堅実な守備をしています。

・今後の課題と展望
インコースの捌きが窮屈になっていることと打球が引っ張り方向のゴロが多いことです。
昇格直前のホームランなどはインコースを上手く捌いていましたが、全体的に打ち損じるか空振りすることが多くなっています。
また、打球傾向がほぼ引っ張りのゴロのため、状態が落ちて打球が弱くなったり一二塁間を詰められるとアウトになる確率が高いです。
佐野シフトのようなものを敷かれ、内角中心に攻められることも多くなると思うので、状態を維持しながらライナー性の打球を多く打ってほしいです。

31 山崎 晃大朗

オープン戦の時期に一時別メニュー調整になるなど、コンディション不良があったものの、ファーム開幕2カード目から出場しました。
その後5/24に一軍登録されましたが結果を残せず7/5に登録を抹消されました。
ファームでは三振が多いものの、BB%を見るとK%を上回っているように持ち味の粘りと選球眼は健在です。

守備はファームレベルであればUZR1000を見てわかるように良く守れています。

・今後の課題と展望
良く粘れている一方で仕留められない、打球が弱いため、長打やヒットが少なく、一軍で結果が残せなかった大きな要因だと思います。
今季初本塁打が出るなど7月8月と強い打球が増えてきて打率やその他指標も良くなっています。
コンディションを維持して更に結果を残していってほしいです。

33 内山 壮真

オープン戦中に上半身のコンディション不良で離脱し、6/25に復帰しました。
強いスイングを見せるものの捉えきれていない打席が続きましたが、打席を重ねるごとに合わせていき、8月は.333と状態を上げてフル出場する前で緊急的な側面があったとはいえ8/7に一軍登録されました。
ファームでは腕をかなりリラックスさせる構えでした。

守備はファームでのリードは堂々としたものでしたが、間隔も空きすぎたこともあるのか動きはまだまだな感じが見受けられました。

・今後の課題と展望
離脱がかなり長かったのもあって、試合勘を取り戻すところが一番だと思います。
また、一軍の試合を見ると低めの変化球に手が出る場面が多いため、打席を重ねる中で取り戻していってほしいです。

36 西村 瑠伊斗

今年は全体的にコンタクト重視で、ちょこんと合わせて内野の間を抜いたり内野と外野の間に落とすヒットが多いです。
7月8月とノーステップ打法の打席が増え、強く振るようになっています。

今年はかなりサード守備が上達しており、春先は相変わらず送球エラーが多かったですが、7月8月といい送球をコンスタントにしています。

・今後の課題と展望
相変わらずK%は高い水準なので、早いカウントから仕掛ける場合は捉えるようになっていきたいです。
また、ノーステップで強いスイングをするようになり、逆方向にも伸びるらしい打球が増えてきていますが、スイングで少しかがんでスイングの時に伸び上がるように振っているところが気になります。
ただ少しずつ身体の回転で振れるようになっていますし、打球も飛ぶことが多くなっているので、来季に繋がる経験を積んでほしいです。

42 澤井 廉

フェニックスリーグで故障し、5/24に復帰しました。
復帰直後はスイングは鋭いものの捉えることができない打席が続いていました。
しかし徐々にいい当たりが出始めて7月には待望のホームランが3本も出るなど大暴れでした。

守備もかなり上達していて、ボールの追い方や守備範囲も向上してUZRでも少しではありますが+となっています。

・今後の課題と展望
打撃は対左と不調期の対応です。
対左はK%は前半戦終了時点では対右より低くなり、前年度に比べて約10%改善させていますが、打率は対右より5分低く苦しんでいます。
ただ、後半戦に入ってから打率を約1割落とし、K%が約5%悪化して、対右より悪くなりました。
後半戦に入って急激に成績が悪化していることから、対応が必須です。
基本的に外角を攻められていて、流し方向への打球が減っていることも影響していそうです。
不調期について、強く振って引っ張りのスタイルであることから、打球が上がらずセカンドゴロが多くなっています。
ただ打球速度は凄いものがありますし、打球角度がつかない時期を短くできれば一気に一軍でも結果を残せるようになると思います。
故障を考えれば守備も格段に向上しているので、課題を少しずつ克服して来年は開幕一軍を勝ち取ってほしいです。

46 太田 賢吾

開幕直後は打球に角度をつけることを意識していたのか、高い弾道の打球が多く、ホームランも出ていました。
一方で打率は安定せず、2割前後でした。
6月以降は元の鋭いゴロやライナーを打つスタイルに戻し、高い打率を誇っています。

本格的に外野に転向しました。
両翼であればファームである程度守れています。

・今後の課題と展望
上手くかぶせて打つスタイルのため、外角高めに強い一方で内角に弱いです。
調子が良い時は引っ張って一二塁間を破れますが、基本的にゴロになり、調子が悪い時は片手打ちになります。
一軍でもヒットが出ていますが、内角を攻められると一気に抑えられると思うので、何とか捌くか粘れるようになってほしいです。
守備は時々ファンブルするなどちょっとしたミスが出るので、なんとか丁寧に守ってほしいです。

50 北村 恵吾

開幕直後は状態が悪い内容が続いたものの、徐々に状態を上げ5月は打ちまくっていました。
ただ5/18の試合で一塁を駆け抜けたところ腰か足を痛め、離脱しました。
その後7/13に復帰し、まだスイングや走る姿は万全ではないものの、結果を残しています。

今年は失策が多いです。
怪我もあり万全ではないですが、堅実な守備を見せることもできているので、状態を上げていってほしいです。

・今後の課題と展望
一番は身体の状態です。
万全であれば広角に強い打球を打てますし、小技も粘ることもできます。
あとは一軍のレベルに慣れていく段階だと思うので、状態を上げて終盤に一軍昇格を果たしてほしいです。
守備も野手事情や身体の状態が大きいと思うので、本当に身体の状態さえ上げられればと思います。

51 濱田 太貴

春先は調子が悪く、K%が20%を超えるなど絶不調でした。
6月に入りコンタクト重視で少し外を回りながらスイングするスタイルで逆方向を中心に安打を放っていました。
ただ一軍では結果を残せず抹消され、その後も同じスタイルです。
ただ死球が多く、8月に入りK%が30%とかなり三振が多いです。

両翼を堅実に守れています。
ライトの守備率は気になりますが、全体的に無難な守備です。

・今後の課題と展望
器用なところがあるからか、色々とフォームを変えながら試行錯誤をしていますが、打球の強さや結果が伴っていません。
また、積極的に仕掛けても捉えきれず三振が増えており厳しい状況にあります。
高い弾道の打球もほぼ高めとコースが限られているところも厳しいです。
結果を残せずスタイルを模索している最中だと思うので、なんとか見つけてほしいです。

59 小森 航大郎

自主トレから強くスイングすることを意識した取り組みをしており、5月まではそのスタイルで試合に臨んでいました。
打率は芳しくなかったものの、長打は出るスタイルだったため、ISOは.1前後でした。
6月以降はスタイルを変え、コンタクト重視で追い込まれてからは逆方向への軽打を意識したスタイルとなりました。
盗塁数や盗塁成功率から見てもわかるようにかなりの俊足で、内野安打もかなり多く打率を大きく向上させました。

去年より足を動かせるようになっているように動きは少しずつ良くなっています。

・今後の課題と展望
フルスイングスタイルだと確実性が低く、コンタクトスタイルだと7/8から8/10まで長打が出ず、ISOがほぼ0と長打がほとんど打てなくなります。
また、逆方向を意識したスタイルだからかバットが少し外を回るようになっています。

第2号は肘をうまく抜きながら回転で打てましたが、基本的には捌けず、引っ掛けたサードゴロショートゴロになっています。
8月に入り逆方向にいい打球が飛ぶようになっていますが、インコースに弱くなっているので、何とか両立できるようになってほしいです。
守備は足が動くようになっていますが、反応がまだ遅いのか、守備範囲がまだ狭いように見えます。
また、捕ってからや送球もまだまだ課題なので、ここから伸びてほしいです。

63 増田 珠

シーズン序盤は引っ張って内野の間を抜くヒットが多かったです。
6月ごろからかなり逆方向を意識したバッティングになっていて、打球に角度がついて伸びるため逆方向への長打も多くなっています。

外野守備は範囲が広く送球も良いため、指標がとても良いです。
外野であれば一軍でもいい守備をしています。

・今後の課題と展望
一軍で流し方向は.333打てている反面、引っ張り方向は.143と極端に打ててらず、打球も引っ張りはゴロが約70%です。
段々と一軍でも結果を残している一方でここまで極端だと流し打ちをさせない攻め方をされると思うので、引っ張りでも角度をつけられるようになるかどんなコースでも流し打ちできるようになってほしいです。
ライデルからレフトスタンドへホームランを打つなど引っ張り方向にいい当たりが出ました。
ただ、高めに強いものの低めの見極めやコンタクトが弱く、カウントによって見極めに差が出ています。
ポテンシャルは感じるので、経験を積んで自分の形を作っていってほしいです。

024→64 岩田 幸宏

3/31に支配下登録されました。
4月は強く引っ張るスタイルで、K%が高い一方で初ホームランを放つなど長打の多いスタイルでした。
6月以降はセンター返しを意識したスタイルに変わり、長打は減ったもののK%を改善し高い打率を誇るようになりました。

ファームレベルであれば広い守備範囲を生かした文句なしの守備をしています。

・今後の課題と展望
一軍では引っ張って強い打球を打てておらず、引っ張り方向にはゴロしか打てていません。
センター方向にはライナーを飛ばせていますし、少しずつセンター方向にも強い打球を飛ばせるようになっていければ打率も上がってくると思います。
しかし、初ホームランを打った後は引っ張りでも強い当たりを出るようになり、ライナーやフライ性の打球も出るようになりました。

8/20、8/21とノーヒットでしたが、ライナー性の打球が正面を突くなど不運なところがありましたので、今の取り組みを継続してしっかりスイングして強い当たりを打ってほしいです。
変化球を空振りしないですが、追い込まれてからは流し打ちを強く意識しているので、今後内角の速球への対応が鍵となると思います。
引っ張り方向にホームランが出たようにインコースを捌く力はあるので、少しずつ対応できるようになってほしいです。

65 鈴木 叶

2024年ドラフト4位の高卒ルーキーです。
4月はいきなりホームランを打つなどいいバッティングをしていました。
その後は打率1割台と苦しんでいますが、K%を改善するなど成長を見せています。

盗塁阻止率が41%あり、素晴らしいスローイングをしています。

・今後の課題と展望
打撃は高卒1年目で体力的に厳しいこともあるのかHard%が月を追うごとに低下し、7月は約7%と低調でした。
守備はパスボール8が示すようにプロのボールにまだ慣れていません。
特に釣り球の高さに浮いたストレートの捕球が苦手で、下から捕りに行ってかなり弾いています。
その不安もあるのか、ベンチの指示もあると思いますがかなり低めを要求しているように見えます。
8月に入りクラウチング気味でバットを上下に揺らす構えに変えてHard%が改善しています。
体力をつけながら強く弾き返す感覚を掴んでいってほしいです。
守備はオフシーズンも含めて改善していければと思います。

66 三ツ俣 大樹

4月は右打ち中心でヒットを量産し、引っ張ってホームランもありました。
その後は打球が弱くなり打率が落ちていますが、四球は変わらず選べています。
8月はBB%が約30%と圧倒的です。

ファーストサードでいい守備をしています。
去年はサードからの送球が浮いて悪送球を多くしていましたが、今年はある程度改善されています。

・今後の課題と展望
春先は右打ちでヒットを量産していましたが、打球の強さはそこまでではなく、一二塁間を抜けない打球が増えたため打率が低下しています。
選球眼は文句なしなので、強い打球を飛ばせるようになり一軍昇格を勝ち取ってほしいです。

67 伊藤 琉偉

2024ドラフト5位のルーキーです。
シーズン序盤は単打が多いとはいえ打率を残していました。
その後は酷い死球もあり5,6月はHard%が極端に落ち込み打率1割台と苦しみましたが、試合の間隔が空いたのも幸いしたのか7,8月とHard%が急上昇し結果を残しています。
元々逆方向にも長打を打てると評価されていて、ファームでも逆方向へのヒットが多いバッターでした。
打席を重ねるごとに引っ張り方向にも強い当たりが増えており、長打も増えています。

シーズン序盤は送球までのステップが多かったりプロの打球に慣れていないこともあったのかUZRはマイナスでした。
出場を重ねるごとに守備が向上し、優秀な指標を残しています。
送球も大きく改善されており、捕球してからすぐに鋭い送球をしています。

・今後の課題と展望
打撃は成績が向上しているように伸びていて、引っ張って強い打球が打てるようになっています。
一方で高いK%と低いBB%が示すように、打てないときは簡単に打ち取られてしまいます。
守備ではほぼ文句ありませんが簡単なミスもあるため、無くしていけたらと思います。

90 中川 拓真

7/3に獲得が発表されました。

チームとして苦しい捕手事情があるため獲得したものです。
強くスイングする力があり、四球を高確率で選んでいる通り選球眼は悪くないです。

守備イニングが少ないためまだ分かりませんが、配球が高めの変化球を要求するなど他のキャッチャーとは違うものがあります。

・今後の課題と展望
7/28に三遊間を破る強いゴロを打って待望の初安打を放ちました。
しかし、強く振れているとはいえコンタクトできず、してもファールが多く仕留められていないので、打席を重ねる中でボールに慣れていってほしいです。
守備は8/12にブロッキングの甘さやその後の処理の拙さがあったため、3ワイルドピッチで3点を失いました。
攻守ともにレベルアップする必要があるように見えるので、少しずついいプレーを見せてほしいです。

023→93 橋本 星哉

5/24に支配下契約を結びました。

広角に長打を打てていて早いカウントから積極的に仕掛けていきます。
ISOを見ると好調な月は.1を超えるなど長打が出ています。
丸山和郁ほど極端ではありませんが、インコースを打つときは衝突するようにスイングを仕掛けていきます。

地元開催のフレッシュオールスターではMVPを獲得しており、非凡な打撃をしています。

捕手の守備はパスボールが少なくブロッキングなどは悪くないですが、盗塁阻止率が10%台と厳しい数字となっているように送球に難があります。
フレッシュオールスター以降センターも守るなど、出場機会を求めて外野起用が多くなっています。
慣れてきて守備範囲も広くなってほしいです。

・今後の課題と展望
打撃の課題は調子の波が激しいことで、8月はホームランを3本打つなど大暴れしていますが、成績を見るとわかるように隔月での活躍になっています。
ただ、8月に入って何か掴んだようないいスイングをしていますし継続してほしいです。
守備はやはり送球です。
盗塁もそうですし、バント処理などでも少し送球が弱いところがあります。
打撃は素晴らしいので捕手外野ともに守備を伸ばしていけたら一軍昇格が近づくと思います。

025 フェリペ

強いスイングと逆方向にも長打を打てるリストの強さが魅力的な育成野手です。
シーズン序盤は好調を維持していたため、OPS.8台と素晴らしい打撃をしていました。
ただ死球が多く試合に出場できない期間もありましたし、調子の波が激しいため、6月は大きく成績を落とし、7月も出場が少なく長打が0です。

守備は捕手登録ですが主にファーストで出場しています。
守備は無難にこなしていて安定感があります。

・今後の課題と展望
長打力があり強いスイングができる一方で低めのボールの見極めに難があり、それが高いK%に繋がっています。
また、死球と離脱が多いため、なんとか怪我をせず頑張ってほしいです。
低めのボールを見極めるかその前の甘いボールをもっと仕留められるようになっていけたら打撃は支配下を目指せるレベルになると思います。

026 髙野 颯太

2024年育成2位の高卒ルーキーです。
春季教育リーグでいきなりホームランを打つなど、大砲としての片鱗を見せました。
その後は6月から本格的に主にサードで出場しています。
6月には公式戦第1号を放ち、その後も広角に安打を放ち、逆方向に長打を打っています。

守備は捕球も送球もまだまだで守備率.871と厳しい成績です。

・今後の課題と展望
打撃の課題は捉えられるコースの狭さです。
真ん中高め付近のボールであれば球種問わず広角にはじき返せますが、低めのボールは捉える確率がとても低く、見逃しや空振りが多いため、高いK%に繋がっていると思います。
現在フォームが、ボールを見やすくするためか極端なオープンスタンスになっています。
強い打球を飛ばせていますし、プロのボールに慣れていって少しずつ確実性を上げていってほしいです。
守備の課題は捕球送球両方です。
特に捕球は8月に入って2試合連続でゴロを弾いています。
現状サードとして厳しいですが、まだ1年目なので少しずつ向上していってほしいです。

おわりに

今年の投手育成は面白く、多くの投手が球速を上げ、変化球もとりあえずチェンジアップを投げる投手が多く、カットボールやシュートが改良されて武器にする投手が増えてきています。
野手も橋本星哉が一気に打撃を伸ばし、西村瑠伊斗や小森航大郎といった期待の高卒野手も少しずつ伸びています。
守備も各選手の成長が見え、特に西村瑠伊斗、伊藤琉偉、澤井廉の成長が顕著です。
継続してファームの試合を見てきたことで、各選手の取り組みや課題としていること、変えようと努力していること、成長していることが見えてきてとても戸田軍の試合を見ることが楽しいです。
また、ファームで結果が出るようになり、一軍に昇格してその成果を上げて活躍できる選手を見ると、見てきたこともあって格別の喜びがあります。
いつも上手くいくわけじゃない、正しいと思われる道ではない方向に進んでいるように見えることもありますが、選手は壁にぶつかりながらも努力をしているので、これからも観戦していきたいと思います。
また、様々なところで多様な角度から野球の研究が進み、動作やトレーニングに関しても理論や器具の発展が凄いスピードで進んでいます。
運動学習の理論についても、エコロジカル・アプローチと実践メソッドである制約主導アプローチの研究と実践が進展しています。
自分も可能な限りDriveline Baseballを始め多くの野球に関係する団体・個人が発信している情報や書籍を勉強をして、「呉下の阿蒙に非ず」と胸を張って言えるように努力を重ねて参りますので、今後ともよろしくお願いします。
最後になりますが、東京ヤクルトスワローズのご発展とご清栄、選手の皆様のご活躍とご健勝を心からお祈り申し上げまして結びの言葉といたします。
ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。

参考文献

日本野球機構, 2024, 「2024年度 ファーム成績」, 日本野球機構ホームページ,(2024/7/20取得, 2024/8/26取得 https://npb.jp/bis/2024/stats/index_farm.html).

東京ヤクルトスワローズ, 2024, 東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ,(2023/7/20取得, 2024/8/26取得 https://www.yakult-swallows.co.jp/).

DELTA社, 2024, 1.02 Essence of Baseball, (2024/7/23取得, 2024/8/26取得 https://1point02.jp/op/index.aspx).


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