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哲学論集

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私の書いた短い哲学論文をまとめてみました。
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2023年5月の記事一覧

人称の死について

最近、ジャンケレヴィッチという人の「死の人称性」を知った。と言っても彼の論文を読んだわけ…

8

存在と実在について。死者は実在するか

存在するとはどういうことか? 存在に対して実在とはなにか?   まずは存在について考えたい…

9

思想哲学の文脈

最近、『生と死の弁証法』という記事を書いて、ネットにある「生と死の弁証法」に関する他の記…

6

「生と死」≠「存在と無」

最近、『生と死の弁証法』という記事を書いたが、グーグルで検索すると結構上の方に出てきたの…

5

生と死の弁証法

大学の哲学科に所属していたとき、ヘーゲルの『精神現象学』を読んだ。二十年以上前のことだ。…

8

レヴィナスと西田哲学。存在するとは別の仕方で。無いとは別の仕方で。

私は哲学科を出ているものの、哲学者ではないし、最近は哲学書などまったく読まない。でも時々…

12

哲学の誤読について

私はかつて哲学科の学生で哲学書をそれなりに読んできたつもりだが、誤読をしている可能性が高いことを恐れている。いや、その恐れから開き直りつつある。と言うのは、哲学とは必ず誤読されるものなのではないかと思うようになったからだ。 例えば、カント研究の専門家に、カントはなんと言っているか、という質問をぶつけた場合、「カントは○○と言っているよ」と答えが返ってくるかも知れない。たしかにカントがなんと言っているかを一字一句正確に再生するならばそれはたしかにカントの言ったことになる(もちろ