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【長編小説】地下世界シャンバラ

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記事一覧

【長編小説】『地下世界シャンバラ』1

【長編小説】『地下世界シャンバラ』2|SW大橋勇 (note.com) 【長編小説】『地下世界シャ…

SW大橋勇
5か月前
10

【長編小説】『地下世界シャンバラ』2

第一章 闘林寺 一、ライとその父  物語は大国マール国の西の山奥に住む、父と子の暮らしの…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』3

二、山賊グルド  日暮れ前、洞窟の前でライとカイが親子で夕食を摂っていると、突然カイが立…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』4

三、波動拳   木漏れ日さえ僅かな森深い道に瓦屋根を戴いた木造の山門がある。軒下には額が…

SW大橋勇
5か月前
6

【長編小説】『地下世界シャンバラ』5

四、奥技『震空波』  ライが闘林寺に入門して六年経った。  大僧正は闘林寺全体を挙げて波…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』6

第二章 洞窟への旅路 一、マール国にて ここは闘林寺の東の平野にある大国マール国の首都、…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』7

 二、ラパタ国にて  ラパタ国は辺境の城塞都市で、石を積んでできた壁に囲まれている。壁の外には田畑があり普段農民は外で田畑を耕している。非常時は全員壁の中に逃げ込む。人口は一万人ほどだ。壁は正方形の囲いで、四隅に櫓が立っている。東西南北に向いている四辺の中央にはそれぞれ門がある。東門が正門だ。東側は開かれた田園地帯で、南側を川が西から東に流れている。南門から出ると、田畑がありその川がある。川の南側は山が迫っている。城の北側は森の深い山が迫っていて東西に稜線が延びている。城の

【長編小説】『地下世界シャンバラ』8

三、七つの峠    出発の朝が訪れた。  まだ日の出前のラパタ国、城の西門には王と王妃、コ…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』9

四、アガド軍入城  ルミカ王女が出発して三日が経った。  ラパタ国では、国王がルミカを心…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』10

五、キト    ライたちは四つ目の峠を越えていた。  森の中で野宿することに決めた。  ライ…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』11

六、ツォツェ村    ルミカたち一行は、シャンバラへの入り口である洞窟の前に着いた。ラパタ…

SW大橋勇
5か月前
3

【長編小説】『地下世界シャンバラ』12

七、迷宮洞窟    翌朝、村人に別れを告げ、ルミカたちは洞窟に足を踏み入れた。断崖絶壁にめ…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』13

 第三章 シャンバラ   一、歓迎会    洞窟を出ると、霧深い、山里の風景が広がっていた。…

SW大橋勇
5か月前
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【長編小説】『地下世界シャンバラ』14

 二、サファリ学長  しばらく歩くと田畑の中に大きな寺のようなものが現れた。それは寺ではなく学校であるとのことだった。  田畑の中に、大きな黒い茅葺屋根の木造建築がたくさん散在していた。  給仕はその中のひとつ、二階建ての黒い茅葺屋根の建物にルミカたちを案内した。建物の前には立派な松が立っていた。一階には広い教室があった。階段を上がり、通された部屋の中は書棚がたくさんあって、その奥で椅子に腰かけ、机に向かって本を読んでいる老人がいた。老人はこちらに背を向けているが、頭は禿げ