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波打ち際ブンガク

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波打ち際ブンガク1年目が500円で読み放題! 360本くらいのオリジナル短編小説(1000字前後)がいっぱい。しかも読みきりばかり。 扉絵はAI出力!これはお得だ!
マガジン購読で去年の作品が読み放題! しかもオリジナル作品!二次創作無し! 読んで飛べる読むクスリ…
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2022年9月の記事一覧

【小説】匣入り娘

 鍵を差し込んでドアを開けるとそこに匣があった。それは何かの抽象画とかだまし絵のようでも…

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にじむラ
2年前
8

【小説】ハイウェイスター(仮)

 アクセルを開き続けていると警告灯が点いた。  信号が黄色く変わる。さらにアクセルを開く…

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にじむラ
2年前
3

【小説】ゲームBOYセンター At 座 三軒茶屋

 電車に乗り合わせた中年の男を見ていると 「何見てんだよ」  と野太い声で言われた。俺は素…

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にじむラ
2年前
3

【小説】リイン花―ネーション

 生きる事は苦しむことだと考えている。だからもう二度と、生まれてくる事のないように。 「…

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にじむラ
2年前
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【小説】オサムが死んだ ノザキさん

 オサムが死んだ。  その男はそれだけ言った。  オサム。  オサムとは誰なのか。この男は…

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にじむラ
2年前
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【小説】オサムが死んだ イケダさん

  オサムと言う人間が誰であったか記憶を遡っていくと同時に、目の前の人間に心当たりがある…

300
にじむラ
2年前
6

【小説】オサムが死んだ(イノウエさん)

 オサムが死んだと聞いて、それが誰だったか思い出すまでに少し時間が必要だった。  聞いたと言うよりは聞かされた、伝えられたと言う方が正しい。それも今、目の前にいる風体の怪しい男からだ。  両手をポケットに入れたまま窓の外を見ている。  俺にそれを聞かせてどうしようと言うのだ。  もう20年も会っていないような人間の死を、見も知らぬ他人から聞かされてなんと返せば良いのか。  オサム。  同い年の男だ。死んだのなら同い年の男だった、と言うべきか。  至って普通の、ノンポリで頭の鈍

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【小説】ねこ

 猫も大きすぎると可愛さを失う。  それは虎だとかライオンだとかのサイズでは無くて宇宙規…

300
にじむラ
2年前
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【小説】パンとワインと俺と明日

 それは一斉にやってきた。  外を歩いている腐った死体の話ではない。この店内にある食料の…

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にじむラ
2年前
3

【小説】キックスタートビスケット

 インターホンが鳴らされた。  俺が部屋の電気を消して向かいのマンションに棲む人妻の着替…

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にじむラ
2年前
7

【小説】爆乳THEアンダーグラウンドINババアWITHマキシワンピ

 世界のオWARリが来ない。  戦争でも起こればいいと思っていた。俺に存在価値が無いのなら神…

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にじむラ
2年前
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【小説】カジキマグロに乗って

 休会中のジムで練習する夢を見た。  会費とかどうなってるんだっけ、まぁいいかと思いなが…

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にじむラ
2年前
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【小説】シュリンプ彩

 蝉の鳴き声がやけに大きく聞こえた。  俺はずぶ濡れの服を絞りもせずに立ち尽くしていた。…

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にじむラ
2年前
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【短編小説】桜

 発育不良の夜がバッカルコーンを開いて眠りを捕食する。  金網を潜り抜けて俺たちの柔らかい夢が千切られていく。福笑いのようにバラバラな街。または達磨落としで打ち抜かれた生活。置かれた場所で咲けない花が並んだ花屋の店先。公園のブランコを揺らす他人事の風。  インターネットで煌めく世界が俺たちを拒む。俺たちは目を開けたままインターネットを見る。マンデルブロー集合を宇宙だと言う年代はとうに過ぎ去った。リタリンで笑えるトウが立った新人。デビュー前。夜明け。一番美しい瞬間。

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