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パンジャビ人はグリーン・バナナをどんな調理で食べますか?

西葛西Taaj Palace には英文/和文の手書きのポスターが貼ってある。「もしもメニュー外にお召し上がりになりたい料理がございましたら、どうぞお気軽に教えてください。値段は事前に相談の上、がんばって対応いたします。」


ぼくにとってこれはたいへん興味深いサーヴィスだけれど、ただし、Taaj Palaceは通常営業、テイクアウト、ケータリング、パーティと大車輪に忙しい日が多く、ざんねんながらぼくはこのサーヴィスの恩恵になかなかあずかれない。ところがきょう5月3日よく晴れたゴールデンウィークの11時過ぎ、お店を覗くと案の定、お客は欧米白人のカップルのみ。そこでぼくは買っておいた(未成熟の)グリーン・バナナを持参して、Arial Hari Prasad さんに渡した、「これでなにか料理、作って。」Arial Hari Prasadさんは言った、「ほんとはもうちょっと熟している方がもっとおいしいけど、でも、これでもできるよ。Jeera aloo(じゃがいものクミン風味炒め)、食べたことある?」
ぼくは答えた、「あるよ。」
「あれのバナナ・ヴァージョンでいい?」
「いい。」
「ごはんとナン、どっちがいい? お勧めはナン。」
「じゃ、ナン。」
「お値段は?」
「1000円でいい?」
「いい!」


待つこと15分くらいでサーヴされる。おぉ、なるほどこれがジーラ・バナナか。完全にドライなカレー(サブジ)です。ローストされたクミンの苦香ばしい香りに、トマト系のグレイビーに赤唐辛子のパウダーのキック、コリアンダーの香りの中間色をともなった風味、そしてもしかしたらカスリメティも使っているかしらん??? カットされたグリーンバナナに果実の甘さはなく、炒めたじゃがいもていどの甘ささえもない。キャッサバみたいな気もするけれど、ぼくはキャッサバイモの味をはっきり覚えているわけでもない。なるほど、たしかにJeera aloo(じゃがいものクミン風味炒め)のヴァリエーションである。いかにも糖質が少なく繊維質たっぷり。Resistant starch が豊富なのが特徴だそうな。 レジスタントスターチとは消化されにくいゆえそのまま大腸まで届き、腸内細菌の餌になるそうな。
たしかに、ふかふかのナンで食べるとなおさらおいしい。
Arial Hari Prasad さんは訊ねた、「おいしい?」
ぼくは答えた、「おいしい!」
「皮つきのままボイルして、皮剥いて、炒めるよ。」
「へぇ、そうなんだぁ。」


インド人にとってバナナは身近な食べ物だ。日本人にとっても輸入果実とはいえとても日常的なもの。けれどもインド人はバナナを、日本人がまったくおもいつかないような発想で調理する。さすがです。またしてもぼくはインド料理に惚れ直す。

東京都江戸川区西葛西1-12-20 ハイツヤマヒデ 1F

営業時間11:00~15:00(LO 14:45)
17:00~22:30(LO 22:00)
無休

03-5696-0540

船堀通りと棒茅場通りが直交する交差点そば、
(行船公園そば。ガソリンスタンドENEOSの対面)、棒茅場通り路面店です。


西葛西駅より徒歩17分。
または船堀駅からならば、都バス「西葛西駅行き」などに10分ほど乗り、区立自然動物園前、あるいはは北葛西2丁目下車。

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