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文書作成時の保守と革新

人に読んで貰う文書を作るときに

  • 保守的文書:現状を肯定した上での議論

  • 革新的文書:現状を否定し更地での議論

の区別を意識すると、受け入れて貰いやすくなります。しかしながら、多くの人が、この区別を意識していません。そのため、多くの人が

  • 共通的な前提が理解できない

  • 新しい理論を受け入れて貰えない

等のトラブルを経験しました。特に、学問を真面目に学び、研究していた人が

「なぜ私が言っていることが理解されない?」

と嘆く場面がよくあります。学校の先生のように、理解し評価してくれない。これが会社生活などで起こる不満です。

しかしながら、現在に存在するモノは、それなりの経緯があります。その経緯を引き継いで、改善していく場合には

  • 共通の土台の上での議論

ですから、主要なアイデアを言うだけでも、理解してくれる人がいます。例えば、自動車業界で従来のガソリンエンジンに対する改善の議論などです。

一方、革新的な発想の場合には、根底からひっくり返える可能性があります。そのため、多様な側面からの検討も必要です。

  • 新しいモノの提示は全体像を示す

  • 土台になる部分を明示

する必要があるのです。特に、新しいモノの説明を受けたとき、多くの人は違和感を覚えます。そこで、突っ込みどころを探し、問題点を指摘します。例えば、今までガソリンエンジンの自動車を、作っていた会社に、電気自動車の提案をしたとします。その時には、電気モーターの制御しやすさや、排気ガスがなくなる環境クリーンなどの長所を訴えるでしょう。

しかしながら、拒絶反応で聞いている人は

「冬の暖房は?ガソリンエンジンの発熱がないから、
 電気自動車の場合、冬のバッテリ消費は大きい。」

等の、色々な面から突っ込んできます。特に、提案者が考えていないことについて、容赦なく質問します。それに対して

「電気自動車のメリットは~~」

と言う様な反論は、火に油をそそぐ結果となるのです。検討漏れがあれば、謙虚にそれを認め、協力して貰うように持って行く姿勢が大切です。

新しいモノに対する不安と不満は、多くは検討から無視された事項に、原因があります。そこで

  • 革新的な提案時には全体像を示す文書

  • プロトタイプなどの提示

等で、安心させる必要があります。

なお、天才的なアイデアは、他の人の理解を超えるから、天才的なのです。ですから、解って貰える人がいると思うのは甘く、どうすれば納得させるか、よく考える必要があります。

そのためにも、全体像を示す文書の力は大切です。

なお、学校的な社会では、先生が知っている範囲、あるいはその延長での話が多いので、先生が評価してくれたのです。このような世界を全てと思っていると失敗します。


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