プラトンからヴェーバーへ
マックス・ヴェーバーの「仕事としての学問 仕事としての政治」野口雅弘訳:講談社学術文庫を読むと、学問への向き合い方や、政治に対する姿勢が良く見えてきます。
さて、今回は、ヴェーバーとプラトンの関係について、考えてみました。
ヴェーバーは「仕事としての学問」の中で
プラトンの洞窟の比喩
洞窟の比喩 - Wikipedia
を引用して議論しています。さらに
ヴェーバーの理念型はプラトンのイデアの進化
とみることもできます。
このように考えると
プラトンからヴェーバー
という流れが見えるかもしれません。しかしながら
プラトンとヴェーバーの決定的な違い
は
政治に対する姿勢
です。
プラトンは
哲学者のみが真実に迫る
従って
政治は哲学者が行う
と考え、それを実行しました。
一方、ヴェーバーは
学問的に得たものと
政治で実現するのは別
と厳しく考えています。彼の発想は
政治というのは、硬い板に力強く、ゆっくりと穴をあけていく作業です。
情熱と目測能力を同時にもちながら掘るのです。
仕事としての政治[81]
です。もう少し言えば
新しい学問成果で政治が変わるものではない
という考えで、これは「マルクス批判」でもあります。この講演は、ロシアにおける共産主義革命の熱波が、ドイツにも及ぶ危機感の中で行われました。しかし、ヴェーバーは、この対策を
学問的な知識だけに依存
する危険性を冷静に指摘しています。私達も
学問的な新発見などで社会が救われる
と言う幻想を捨て
地道な努力が必要だと思います。
#マックス・ヴェーバー #プラトン #洞窟の比喩 #仕事としての政治
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