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西田哲学の実戦応用

西田幾多郎の議論は、「哲学」という立場で展開しているため

厳密だが難解

と言う人が多いでしょう。しかしながら、西田幾多郎の

複雑な現状へ
正面から向き合う姿勢は
知識の活かし方

へのヒントがあります。

特に注意することは

西洋文明の科学的・論理的思考の
限界を意識しながら活用

する手法です。西洋文明には、古代ギリシャの哲学者プラトンが『洞窟の比喩』で示し、20世紀のマックス・ヴェーバーが引き継いでいる

現状そのまま知ることはできない
そこで
抽象化し理想化したモノで検討するしかない

と言う、諦めの境地があります。

しかしながら、西田幾多郎は

時間的な広がりのある歴史的世界
のなかで
不安定な『種』で一般化して議論

する手法で、複雑な現実に正面から立ち向かいます。

但し、西洋文明の科学的論理は、以下の条件で見通しを与えるために、使用します。

  • 世界は近似的に変化しない

  • 変化する『種』でなく固定した『特性』で検討

こうした、抽象的に理想化したモデルの上での議論は

ある側面での見通し

を与えます。そこで、多様な理論の組み合わせで、現実に迫ろうとします。

例えば

  • テイラーの科学的管理法は作業標準化の効果を示し

  • メイヨー達は動機付けの効果を示し

ましたが、管理・監督職として仕事を与得るなら、両面を考慮し、さらにMBA手法なども加味して検討していきます。こうした理論的知識の網を充実させると、現実に近づいていきます。

こうして、西洋文明で得た理論知識を活用し、現実に起こる問題を説明したり、将来の予測を行います。

ただし、こうした理論知識は

完全なモノではなく
常に誤る可能性がある

ことを心がける必要があります。

さて、これを一つの比喩で見てみましょう。西洋文明は、きちんと整地した上に、決められた材料を使って家を建てている。こうした動きです。
一方、西田哲学の発想は、自然に入り込んで、キャンプをしていると、考えるとよいでしょう。その土地には、でこぼこもあれば、湿気もあります。そのような現実に柔軟に対応して、テントを張っていく。この現実対応力が大事なのです。なお、現在文明の利器である、テントなどの装備を使う、これも現実対応です。

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