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人工知能についての神学的議論(6実現の注意 2024/3加筆改訂)

先日書いた
人工知能についての神学的議論(5仏の智慧を実現)|鈴木良実|note
では、仏の智慧の5側面持った「人工知能」を提案しました。

さて、従来の研究でこのような、方法についての議論があったでしょうか?

私は、社会科学の分野で「ワラスの輪」の発想が、一番近いと思います。

「ワラスの輪」の詳細は、ミネルヴァ書房の「科学論理の社会学:「ワラスの輪」というモデル」ウォルター・ワラス著、渡辺深訳にありますが、大まかに書くと下図の通りです。

ワラスの輪の概要

さて、ここで注意して欲しいことが2点あります。

  1. ワラスの輪は回すとしても少数回だが人工知能なら多数回回す

  2. 全体の世界を造り、その収束を見る「法界体性智」が明示されていない

この2点が、社会科学研究の方法論としての「ワラスの輪」と、人工知能として実現するときの「仏の智慧」の違いです。

多様な体験情報を蓄積し、必要に応じてネット上を検索する。一方、理論的なモデル上での検討も行う。別の部門は、多様な生きた人々を描いたモデルの上に物語を描き、シミュレーションして、理論モデルとの間で整合を図る。こうしてできた知見を、実際の場面や、過去の事例に適用し、適宜修正していく。

ここでは、理論的なモデルも変化するし、物語的シミュレーションの世界も変更していく。こうした繰り返しを見て、収束を判定する。

こうした

多面的な観点でシミュレーションを繰り返す

方法が、新しい人工知能だと考えます。

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