見出し画像

稲荷大神秘文の読み方

まずは全文です

夫神(それかみは)は 唯一(ゆいいつ)にして御形(みかた)なし 
虚(きょ)にして霊有(れいあり)
天地(あめつち)開闢(ひらけて)て此方(このかた) 
国常立尊(くにとこたちのみこと)を拝(はい)し奉(まつれ)れば
天(あめ)に次玉(つくたま) 地(つち)に次玉(つくたま) 
人(ひと)に次玉(やどるたま) 
豊受(とようけ)の神(かみ)の流れを 宇賀之御魂命(うがのみたまのみこと)と 
生出給(なりいでたま)ふ 永(なが)く神納成就(しんのうじょうじゅ) なさしめ給(たま)へば
天(てん)に次玉(つくたま) 地(ち)に次玉(つくたま) 人(ひと)に次玉(やどるたま) 御末(みすえ)を請(う)け信(しん)ずれば
天狐(てんこう) 地狐(ちこう) 空狐(くうこう) 赤狐(しゃっこう) 白狐(びゃっこう) 稲荷(いなり)の八霊(はちれい) 五狐(ごこう)の神(しん)の 
光の玉(ひかりのたま)なれば 誰(だれ)も信(しん)ずべし 心願(しんがん)を以(もっ)って 空界蓮來(くうかいれんらい) 
高空の玉(こくうのたま) 神狐の神(やこうのしん) 鏡位(きょうい)を改(あらた)め 神宝(かんたから)をもって
七曜九星(しちようきゅうせい) 二十八宿(にじゅうはっしゅく) 當目星(とめぼし) 有程(あるほど)の星(ほし) 私(わたし)を親(した)しむ 
家(いえ)を守護(しゅご)し 年月日時(ねんげつじつじ) 災無く(わざわいなく)
夜の守(よのまもり) 日の守(ひのまもり) 大成哉(おおいなるかな) 賢成哉(けんなるかな) 稲荷秘文(いなりひもん) 慎み白す(つつしみもうす)

この祝詞は、深い意味があります。瞑想を通じて、祝詞から伝わることを感じましょう。

頭の「夫神(それかみは)は 唯一(ゆいいつ)にして御形(みかた)なし 虚(きょ)にして霊有(れいあり)」の部分は、日本書紀などで出てくる、天之御中主神などの天地開闢前の世界は、私達に見える形はなく、ただ『霊』だけで、混沌の世界です。この祝詞では「これが神の本来の姿」と伝えています。

さて、その後「天地が別れ」ます。そこでは、澄んだ部分が陽の気で、天にあがります。そして、濁った部分が陰の気となり、固まり地となります。

そこに私達に見える、大地の神、国常立尊が現れます。この神様は別名「艮の金神」つまり北東(鬼門)の方角から、力を及ぼす神様です。この神様を拝むと、天(あめ)と大地(つち)の間に人が生まれてきます。ここで「玉」と言う言葉には「魂」という意味もあります。一方、天の球という感覚で、全世界も含んでいます。

こうした魂が、更に具体化していきます。大地の恵みを受けて、五穀が育ちます。これを象徴するのが「豊受の大神」です。更に、この五穀の恵みを、具体化したのが、稲荷の大神である「宇賀之御魂命」です。長い間の祈りを、神様がお受け頂ければ、天・地そして人に、総てに御魂が宿っているのが見えてきます。

神様のお力を頂き、信じていると、稲荷神の力が 

天の狐、地の狐、虚空の狐、赤い炎の狐、そして特に白狐様

と言う魂の光として私達に働きかけてきます。 なお、「稲荷の八霊」は、この五狐の他に「野弧、風狐、艶狐」と言う霊弧がいますが、この三狐は稲荷大神のお使いです。例えば、「野弧は白辰狐王菩薩の乗り物」です。

さて、天弧・地弧・空弧・赤弧・白弧の神の力は、私達人間には「光の玉」として見えてきます。伏見稲荷のお山巡りをしていると、ご縁のある方は「お光りを見る」体験をします。こうして神様の力を信じ、心からお願いしていきます。

こうすると、総てがふくまれる虚空から神様の力が宝珠として見えてきます。なお神狐(やこう)の神というのは、狐に乗った神様の姿です。稲荷大神の一つの形として、荼枳尼天の狐に乗った姿、つまり白辰狐王菩薩を見せて頂くと、胸の前に大きな鏡が見え、右手の剣、そして左手は宝珠を持っている姿が、見える場合があります。

このような神のお姿を見せられて、お力を頂くと、天の色々な星からの力を受けます。七曜九星、二十八宿とは、天にある星を示します。光の球が大きく広がると、星空全てが、その中に入っているのを感じます。こうして、天からのお力を頂きます。 

さて、伏見稲荷には、参道から少し山道に入ると、神寶神社があります。そちらで、天からの力を味わうのもよいでしょう。

こうした力でいつも私達を守護し、災いなく繁栄する。このありがたさを頂き、味わいましょう。

なお『艮の金神』は、大地の神ですが『金』の神様でもあります。伏見稲荷には、御劔社があります。こちらも、大事な社ですので機会があればお参りされればよいでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?