説明できても予測は?
昨日のNHKの「笑わない数学」は、「カオス」の話でした。これは
初期値敏感性
と言う問題を、上手にわかりやすく説明して、よい番組だと思いました。
しかしながら、最後に誤解を招きそうな、部分があったので、一言苦言を書いておきます。
それは
事後説明と予測や実現の違い!
です。具体的には
神業シュートを
ナビエ・ストークス方程式
で解明
の部分です。
確かに、ボールの急激な変化は、ナビエ・ストークス方程式で記述する、乱流と層流の切り替えで、説明できるでしょう。
しかしながら、これは事後説明でしかありません。この式を
知っていても
神業は実現できない
のです。確かに
数式で説明する
のは偉大な成果です。しかし、本当に適正な初期条件を見いだし、実現させるのは別の才能が必要です。これは、一時期の
金融工学などで数学への過剰期待
その後の失望
が、苦い教訓です。アメリカでは、多くの大学の数学出身者が、高給で迎えられ、その後期待外れと解雇されました。
数学的な予測を実現するためには、現実対応の条件探しという、大きな労力が必要です。
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