アメリカの覇権は何時まで?
興味深い切り口で、アメリカの問題を取り上げている議論がありました。
ウクライナ戦争でロシアが勝者になる可能性があるのか。「この争いは単なる軍事的な衝突ではなく、価値観の戦争でもあります」(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース
この問題に関して、私が思い出したのは
山本七平の「南北問題」
です。つまり
勤勉で反映した北型
工業生産などに依存人間性豊かな南型
自国の資源などに依存
の文明の対立です。ここで
北型の代表はアメリカ
です。一方
南型の代表はアフリカ諸国
だが
他にもある
という点に注意しないといけません。特に
ロシアはヨーロッパの国だが南型
という点です。天然資源に依存する経済、しかも国民は必ずしも勤勉とは言えない、この特徴は南型です。白色人種だから、ヨーロッパに位置するからといっても、北型といえません。
さて、昭和から平成に移ろうとしたときに、山本七平が指摘したのは
私たちが「常識」と思っているのは
北型発想つまり
アメリカ的価値観
という、無意識的な思い込みの危なさです。
この思い込みは
アメリカ人そしてアメリカの政治家
にもあるようです。例えば
民主主義は普遍的価値
法による支配を広げるべき
と、いろいろな発展途上国に押し付けています。その結果、一部の国には
民主主義を押し付けるアメリカより
体制に口ださない中ロの援助が良い
と思われています。
ここで大事なことは
私たちの多くが
南型社会を本当に知らない
ということです。特に、日本人は
明治以降で急速に北型に適応
しました。これについては、風土面や宗教面の要素がありますが
これが他の国で成立するのは難しい
と認識していない人が、多いのが問題です。
このように考えると
アメリカの世界での覇権の失墜
の可能性はあるように思います。
南型の議論は
山本七平:「常識」の研究:文春文庫 初出は日本経済新聞社1981/8
を参考にしました。
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