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生きた知識の成功手順

前に
広い意味での論理的|鈴木良実 (note.com)
と言う記事を書きました。しかし、それから西田幾多郎の論文を読むと

抽象的論理と具体的論理

と言う、便利な道具が見つかりました。さらに、西田哲学の観点からみると

現実は多様な過去から影響を受け
常に変化し
多くの未来の目的に影響している

という、具体的社会の複雑さに、もう一度目を向ける必要性を感じるようになります。逆の見方をすると

私たちに学ぶ知識は
一つの原因から結果を生み出す
静止した状態での議論

という理想化で成立

という状態を、もう一度意識し直すということです。つまり

いろいろな要因が絡むが
一番大きなモノで考える

という発想があります。また

全てのモノは変化するが
短時間で見れば変化しない

という発想です。例えば、ニュートンが万有引力の法則を考えるとき

太陽と地球の関係だけ
太陽も地球も変化しない

という条件で考えました。こうした、理想化や単純化は

理論を作るとき見通しをよくする

効果があります。しかしながら

現実離れしている

という批判を受けます。

さて、この問題に対して、西田幾多郎はどのように対応したのでしょう。彼の発想は

できる限り抽象的論理で説明

です。つまり

現実をいろいろな切り口で単純化して
そこで抽象論理で説明

これを合わせて現実論理へ

という発想です。

私は、この考え方は

知識を使う基本姿勢

として大切なモノだと思います。一つの手順は

  1. 現実を見る

  2. 理論の適用できる単純化を行う

  3. 他の面からも理論適用を試みる

  4. いろいろな観点を総合的にまとめる

  5. 現実の直観的に合うか検証

というステップでしょう。

例えば、仕事の合理化を検討するとします。そこでは、まず何をしているか現実を見るでしょう。そして、テイラーのように「理論的な最適手法」を考えます。一方、メイヨーのように「個人の動機付け」なども考えます。こうした観点で説明できることを明確にし、その上で現実的な実現ストーリーを描いていきます。

こうした成功手順が、生きた知識につながると思います。

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