科学知識の活用にテトラレンマの発想
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仏の智慧をテトラレンマで説明|鈴木良実|note
です。さて、このnoteで書いた、テトラレンマの発想は、西洋文明の科学知識の活用について、よい見通しを与えてくれると思います。
まずテトラレンマを、復習しましょう。ここでは、以下の4つのレンマで考えます。
Aである
非Aである
Aでなく、非Aでない
Aであり、かつ非Aである
西洋文明の論理は、上記の1.と2.の両者で、その中間がないと考えます。これを「排中律」と言います。3.の「Aでなく非Aでない」は、両者の間の存在を示しています。一方、4.の「Aでありかつ非Aである」は、不安定な状態で、どちらにもなると考えてもよいでしょう。
さて、西洋文明は、上記の1.2.だけが成立する
理想的な状態での科学
を重点に考えるようにして、大きな成果を得ました。
古くは、古代エジプトのユークリッド幾何学、古代ギリシャの
哲学、そしてルネサンス以降の物理学を経由して、現在では自然科学だけでなく、ヴェーバーなどの社会学も、この力を用いています。こうした
Aか非Aの0/1発想
は議論も行いやすく、学問の発展に役立ちました。
しかしながら、このような学問的な「理想化」は、現実の複雑さ、多様性について、無視している成立したモノです。
現実には、Aと非Aの中間である
ほぼAだが時々異なる
等がよくあります。例えば
地上げ屋などの嫌がらせなど
犯罪ではないが他の人に迷惑になる
グレーゾーン行為
です。
また、一人の人間の行動にも、色々な振れがあります。こうした時には
Aでありかつ非Aでもある
と言う場合もあります。実際一人の人間が
人や動物に優しい善人面と
極悪犯罪者
の両面を持つことすらあります。また、色々なシステムを作る立場では
成功失敗の両面を考慮
することは多くあります。このように考えると
実社会では
1.~4.の全てのテトラレンマ
で考える必要
があります。
しかしながら、科学的知識などの0/1発想は
最初の見通しには有効
です。つまり
学問知識は地図のようなモノ
見通しには役立つ
しかし
現地ではない
と考えて
まずは0/1思考で見通し
現実の詳細を詰める時は間や振れを考える
方法がよいと思います。
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