日本的思考が現在必要
現在社会の多くの問題に対して、西洋文明論理の欠点を知り、日本文明的思考を採用する方法は、状況改善に役立つと思います。
まずは、西洋文明的な思考法の、特徴を明確にします。主要な点は
理想化モデル上の厳密な議論
神ならぬ人間の能力限界
科学的思考法の過剰な信仰
です。
この欠点は
地図の上だけで現地を見ない
思考法です。しかも
自分たちの科学的知識の優位を
全てでの優位と思う
危険性があります。
さて、私達日本人には、西洋文明の影響を受けながら、それだけではすませない、智慧があります。主な点は以下の通りです。
狭い意味の論理だけでなく絵や物語で考える
全てを人間も知ることができる
現実を謙虚に見る
これは、日本の文明が、中華文明と距離を置きながら、必要なモノを取り込んできた伝統を、明治以降の西洋文明対応で活かした結果です。
「和魂漢才」の場合には、大和言葉での歌や物語の上で、漢文を母体にした、論理的な思考を働かせます。なお、この場合の論理は
比喩などを用いた論理
西洋文明のロゴスでなくインド式のテトラレンマ
です。テトラレンマは、西洋文明の「Aか非A」のロゴスと違い
Aである
非Aである
Aでなく非Aでもない
Aであり非Aでもある
と言う四つの状態があります。これは、現実問題の多様さ複雑さを反映し、色々の関連事項の介入で、上記3.の両方否定や4.の両方成立が、起こる可能性を認めています。西洋文明の理想化は、「Aか非A」がキチンと成立するように絞り込んだ世界です。
加えて、日本的な議論の前提にある、絵や物語には、こうした理想化はありません。絵の中に何が入るか、境界はぼやけています。一方、物語には書ききれない要素があります。そこでは、登場人物やモノが、勝手に動くこともあります。
こうした拡張性を認めると
自分の間違いの可能性
他の見方を認める
という謙虚さが出てきます。
さらに
理論的知識の限界を知る
ので
現実に謙虚に向き合う
という姿勢になります。
こうした姿勢が、現在社会には役立つと思います。
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